思い出すことなど(87)

翻訳に関する思い出を「思い出すことなど」と題して、色々と書いていきます。今はだいたい1997年頃の話です...

領収書、レシートの山から必要なものだけを選り分け、それぞれの内容を確認したら、いよいよ経費総額の集計、となるわけだが、ただ足し算すればいいわけではない。経費にも種類があるので分類しなくてはいけないのだ。いったいどれがどの項目にあたるのか。用語も独特である。地代家賃、荷造運賃、雑費、それぞれの意味、定義がよくわからない。つい、何でも雑費にしてやろうかという衝動にかられる。いやいや、いけない。
家賃は100%経費になるわけではなく、住居のどのくらいの面積を仕事に使っているかで経費にできる割合が変わる。まあ、50%かな。
分類するだけで1日かかってしまう。どんくさい。やってられない。
さて、いよいよ集計だ。今はエクセルに表を作っていて、単純に数字を打ち込むだけで各項目の合計金額が出るのだけれど、当時はそんな工夫を思いつきもしない。ただ電卓をたたくだけである。ここで大問題が発生した。なんと私、

電卓がまともに使えないのだ。

あれもできません、これもできません、私ゃ電卓も使えません。まさかこれほどのダメ人間とは思わなかった。ある程度、数字が増えると、もうどこまで足したか途中ですぐにわからなくなる。何度もいちからやり直しだ。何度目かのチャレンジで奇跡的に成功しても、果たしてその数字が合っているのか、自信がない。だいたい正しい答えはどうすればわかるんだよ。神のみぞ知るだ。しかたないので、検算をするのだけれど、恐ろしいことに

検算するたびに違う答えが出る

答え1、答え2、答え3...もうどれが合っているのやら。これも何度か繰り返すうち、奇跡的に(奇跡ばっかりやな。俺の確定申告は奇跡に彩られている)二回連続で同じ答えが出る時があるので、もうその数字を信用することにする。

そんなことをしていたら、経費の経費の計算をし、収支内訳書に記入するだけでまた1日かかってしまった。いつ果てるとも知れない戦い。誰か助けてくれー!

ーつづくー

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