思い出すことなど(91)
翻訳に関する思い出を「思い出すことなど」と題して、色々と書いていきます。今はだいたい1997年頃の話です...
確定申告が終わったら、あとは還付金を待つばかり。結構な額になったので大喜びだ。今だと結構、あっという間に振り込まれるけれど、当時はコンピュータが使われていなかったからなのか(そのあたりの事情は知らない)、かなり時間がかかった。だいたい1ヶ月半から2ヶ月は待つ必要があった。
今か今かと待ちわびていたのだけれど、随分時間が経ってもいっこうに振り込まれない。なんでだろう...
粘り強く、粘り強く、待ったけれど、やっぱり振り込まれない。たまりかねて電話をする。めんどくさいなあ。でも、額が額だからほうっておけない。
「あの、所得税の還付がまだなんですけど」
「では、ご住所とお名前を...」
「...の夏目大と申します」
「しばらくお待ちください」
保留の音楽、レット・イット・ビーだったかな、それともカーペンターズの「愛のプレリュード」だったかな、どっちかだった気がする。
「あ、わかりました。書類に不備があるようですね...こちらでは確認できない項目がありまして...」
「あ、それでしたら、これこれこういうことなので」
「あ、そうですか。なら大丈夫です。近日中にお振込みいたします」
どういうことなんや。もう。不備があるならそう言ってくれ。こっちが言わんかったら永遠にそのままやんけ。うー。
これでなんとかはじめての還付金が振り込まれたのである。何に使ったかは覚えていないけど、すぐになくなったね。
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