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心理統計関連の記事

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心理学で用いる統計の記事をまとめています(2024年5月14日現在) <交差遅延効果/媒介分析/Δχ²検定(SEM)>
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記事一覧

統計|JASP で構造方程式モデリング

完全にメモです。 (他記事もだけど) 普段,分析の際には SPSS か JASP を使っていて,SEM の時だけ Amos を使っている。ただ,諸事情で「やっぱり JASP で SEM もできるようになっておきたい」と思い,今後のためのメモとしてアップした。 構成を考えずに書いてて読みづらい記事になっているからあとで直すつもり。 前半で JASP の Data Library にあるデータでコードの書き方,後半にJD-Rモデルを例に適当に作ったデータで結果の見かたをざっ

統計|SEMのモデル比較—尤度比検定―

できれば毎月最低一記事はアップしよう,とは思っているがなかなかそうもいかない。昨年の9月まで毎月続けていた更新がとうとうストップし,10・11月はさぼってしまった。しかも9月まで11ヶ月連続だったのに12ヶ月手前で途切れてしまっていた。悔しい。 まぁでも1年連続やってたらバーンアウトしてたかもしれないから,ちょうどいいのかなと思うことにしたので,今年もなんとか頑張って更新しようと思う。懸念はネタがないことかな。 さて今回は構造方程式モデリング(SEM)のモデル適合に関する記

統計|Amosで間接効果の分析—結果編—

前回(半年前),間接効果の検討について,分析の実行まで説明をしました。今回は出力結果の見かたについて,メモをしていこうと思う。 媒介分析の3つの効果結果出力の前に 「間接効果」「直接効果」「総合効果」 の3つの効果について簡単に説明する。 まずは図にするとこんな感じ。 それぞれの効果は 間接効果 a×b 直接効果 c 総合効果 c' にあたる。そしてこの3つは, c' - c = a×b という関係になっている。 直接効果は媒介変数による影響を除いた,X→Y の純粋な

統計|Amosで間接効果の分析—手順編—

先日の投稿で,今年の投稿は学会発表の報告×2とできれば論文まとめかな とか言ってたんですが,全然関係のない投稿です。 今回は Amos で間接効果の検討(Bootstrap)をする方法を忘れていたので,またあとで思い出す時のためにメモしていきます。参考にした動画はこちら。使ったのは Amos 27 Graphics です。 今回は分析実行まで。 はじめに今回使用するデータは,以前に授業で地図完成のグループワークをやらせてもらった時に測定したデータを使ってみた。 媒介分

統計|時系列から因果関係を見る―手順編―

以前,交差遅延効果モデルについて概要と媒介分析を説明をした記事を書いた。今回は書こうと思いつつもしばらく放置していた続きの内容。 交差遅延効果モデルを分析するまでの手順をメモしてみた。 交差遅延効果モデルの手順手順としては以下の通り。 記述統計と信頼性係数を算出する。 脱落者(欠損データ)の分析をする。 全変数で相関分析をする。 各尺度の因子分析(CFA)をする。 交差遅延効果モデルを作って分析する。 制約をかけてみる。 媒介分析をする。 1.記述統計と信

統計|時系列から因果関係を見る―媒介編―

前回,交差遅延効果モデルについて備忘録的にまとめてみた。 今回はその応用として, 交差遅延効果モデルによる媒介要因の検討 について,ある論文の一部を紹介する。 論文はこちら 前回は,2つの要因の関係について,時間データを含めたモデルである交差遅延効果モデルを,SEMを用いながら分析してみようという内容だった。 さて,ここで1つ疑問がわく。 2つの変数の関係しか見られないの? 結論,交差遅延効果モデルで3つ以上の変数を入れて分析することはもちろん可能。この論文を紹介

統計|時系列から因果関係を見る―概要編―

関係性の分析といえば相関分析をはじめ,回帰分析などの横断データの分析が挙げられるだろう。 これらの分析からは, 関係があることがわかる 影響があることがわかる ただ,注意しなければいけないことがある。 ・ 時間的先行性はわからない ・ モデル適合度から因果関係はわからない ・ 仮説の立て方次第で X → Y ,Y → X ,X ⇌ Y の   どれもが成り立つ さて,これらの問題を解決するにはどうしたらよいか? 先述の分析は,先行研究などから得られる 理論的見地から