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城と記念館

北九州市に来たので小倉城と松本清張記念館に行きました。

小倉駅


小倉城


北九市役所


松本清張記
小倉城大手門付近


天守閣前広場


  


ソメイヨシノ
書院棟
小倉城

北九州市に行くために新大阪駅より「のぞみ」に乗車、私の乗った車両は広島駅まで定員の8割くらい座ってる感じで、スーツ着用の人と観光客風の人が目立ち、大阪~広島間のビジネスと観光の需要の大きさを実感します。

広島まで私の座った列の横5席は全て誰か座ってましたが、広島駅で3人降りて次に座る人は無く、車内も空席が多くなりました。

小倉駅に着くと、最初に松本清張記念館に向かいました。
窓口で「記念館だけの入場料は600円、100円プラスすると小倉城と庭園もセットで入場可能」と言われ、700円のセット券を買いました。

1階では松本清張の人生と作家としての経歴を、2階では松本清張の仕事場としての書斎の様子を、地下ではカフェと松本清張の作品や評論が読める部屋があります。

心に残った展示物は仏頭画、インタビュー映像、原稿複製です。

松本清張が描いた絵が展示されてるコーナーがあり、その中で仏頭画に強く引きつけられました。
松本清張が描いた仏頭画の顔立ちには、知性と強い意志と柔若さが宿ってるように見えました。

インタビュー映像では松本清張と仕事で接した出版社の担当者が松本清張を熱く語ってます。
松本清張を担当するのは楽ではないでしょうが、出版の仕事が好きなら充実感が持てただろなと、インタービュー映像を見て感じました。
中でも印象に残ったのは、「私には書きたいものがいっぱいある、小説を書かないで、ゴルフなどして遊んでる作家の気持ちがわからない」というふうに松本清張が語っていたと言う担当者の映像でした。
松本清張が千編に及ぶ作品を世に出すことができたのは、作家としての才能があったのと、遊ぶことに時間を使うなら小説を書くことに時間を使いたい、こう語るようなストイックさがあったからでしょう。

2階には最後の週刊誌連載となった[神々の乱心]の原稿の複製がありました。
連載されていた週刊誌は週刊文春でした。
週刊文春といえば暴露記事の方が話題になるこの頃です。
できれば暴露ではなく、実力のある作家が週刊誌で小説を書き、その小説が話題になる、それが望ましいと松本清張の原稿の複製を見て感じました。

地下はカフェと松本清張に関係した本が読める小さな図書室になっていて、家が近くにあれば月に数回来て、松本清張の本や評論をそこで読むのもいいかなと思います。

記念館を出て小倉城の公園に入るといろんな木が生えていて、雑草もよく刈られていて、歩いてて楽しかったです。
小倉城には歴代藩主の経歴と小倉藩の歴史、そして宮本武蔵のことなどが展示されてました。

ここで知ったのは宮本武蔵には伊織という養子がいて、伊織は小倉藩の筆頭家老にまで出世したということです。
宮本武蔵は剣豪として有名で、私も映画やドラマ、漫画で戦う武蔵を見たことはありますが、養子の伊織が登場した作品を見たことはありません。
宮本伊織も出生児は百姓か下級武士だったと思います。
そこから小倉藩の筆頭家老まで出世できたのは、なかなかの人物だったからでしょう。
宮本伊織を松本清張が小説にしたら、面白い作品になったと思います。
宮本武蔵は戦いを勝ち抜くことで後世の人気を得ましたが、宮本伊織を松本清張が小説にすれば、戦闘ではなく人間関係の駆け引きで、下っ端の男が組織の階段を駆け上っていく様が見られるドラマになると思います。

小倉城庭園は池があって、植木があって、池に書院の廊下が張り出し、書院の中庭には白い小石を敷いた中庭があり、世間の喧騒から逃れることができる静寂な和風庭園というふうに感じました。

日が暮れると小倉城がライトアップされて、天守閣が昼と違う魅力を見せてくれます。

小倉城付近の公園は20ヘクタール近くあるそうで、中に記念館や城や市役所があり、散歩がたっぷりできて、行政と歴史と文化も兼ね備えた良い公園だと思いました。


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