オミクロンな帰国①

コレと言ったネタがなくて放置気味だったけど、先延ばしにしまくった一時帰国をしたので、その時の様子を少し書こうと思う。

これまでワクチンを売っていなかった高齢の父や、デルタ株などのこともあり躊躇していた一時帰国。とはいえ帰国しなくちゃできないこともあり、ブースターショットの実施が具体化してきたので、9月頃からイロイロと準備。
11月に無事3回目のワクチン接種を済まして12月に帰国と相成った。

感染力の高いオミクロン株の感染拡大とあってギリギリまで迷った挙げ句、チケットを取った飛行機は12月20日の便。そのため、検疫所指定施設での隔離期間が3日→6日になり、移動手段等がすべて仕切り直しとなってしまった。

■ 帰国準備:書類編1
数多ある中でも非常に厳しい入国制限を行っている国となった日本への帰国。当初は同胞といえど書類不備により入国拒否をされるという事例をいくつも耳にしていたのもあって、特に検疫関係の書類作成には非常に気を使った。

中でも最新の注意を必要としたのが陰性証明書。
搭乗する便の72時間以内に摂取したサンプルで検査をする必要があるということで、まずは検査所探しから始めた。

ただでさえ医療費がかかる米国にあって、全米で一、二位の物価高なニューヨークでは、検査費用も非常に高く、厚生労働省の認可基準を満たすクリニックは軒並み$200以上。しかも数が少なく、当初は米国のテキトーな検査手法が仇となり、書類不備も多発していたというから、選択基準としては

・在ニューヨーク日本国総領事館推奨クリニック
・居住地からアクセスをしやすい場所
・極力リーズナブル

といったところから絞り込んでいった。
安価、というだけで言えばWalgreensのような一般薬局の他、一般医療機関などを利用する事もできるが、安かろう悪かろうでは日本到着後にトラブルに見舞われる可能性もある。

中でも引っかかりやすいのがサンプルの採取方法。
サンプルとしてよく利用されるのは唾液と鼻腔内の粘液の2つなのだが、鼻腔に綿棒を挿入して採取する方法には、挿入する深さにより「Nasal swab / 鼻腔拭い」「Nasopharyngeal swab / 鼻咽頭拭い」とこれまた大きく2つに分かれる。厚生労働省ではこの内後者のみを認めているため、医師が検査結果の書類に「Nasal swab」と記載してしまうと、入国はおろか飛行機にも乗れなくなってしまうのだ。
(これは当初、航空会社がよく理解せずに搭乗させ、日本の検疫で書類不備になり、乗客のクレームで航空会社負担で出発国に送り返される、という事例が多くあったため、と思われる)

なぜこのような事が起こってしまうのか、その理由の一つに海外では双方の採取方法を同一視する医師が多いという事情がある。逆もまた然りで、実際はNasal swabなのに、書類上はNasopharyngeal swabと記載するケースも見受けられる。

いずれにしても書類上問題がなければ搭乗することができ、成田や関空などにつけば再度検査を受けることになるので、正直「なんだかなー」な感じなわけだが、まずは飛行機に乗れることが肝心。

というわけで、「餅は餅屋」的な発想で自分の場合はジョンFケネディ国際空港内の検査所で受けることにした。ここなら担当者も各国の事情に慣れているし、厚生労働省のフォーマットに問題なく記載してくれる。

注意点があるとすれば、検査に要する時間と、記載内容の正確さだ。
自分の場合は、クリスマス直前ということもあって利用者も多数。事前にウェブサイトでレジストレーションをしてはいたものの、現地でのチェックインをするのに1時間の行列待ち、その後検査待ちの行列に15分、検査結果と書類が作成されるまでに20分ほど要した。ウェブサイトでは1時間などと記載されているクリニックもシーズンによって所要時間がことなるため、当日夜便ならいざしらず、午前便などの場合は前日中に検査結果を受け取れるように手配するほうが精神的にも良いと思う。

もう一つの「正確さ」も実は大切で、自分の場合検査所が作成した書類は正しかったものの、厚生労働省のフォーマットに記載された日付等に誤りがあった。受け渡された日にすぐに気付けばまだしも、自分の場合、気づいたのが航空会社へのチェックイン当日。幸い検査所が空港内だったため、それに気づいてすぐに出向いてその場で新規で厚生労働省フォーマットの紙で作成してもらえた。
(航空会社のチェックインカウンターの人は「大丈夫、大丈夫」と言ってくれたけど、万全を期してみた)

もしコレが空港内の検査所でなかったら確実に当日の便に乗れなかったわけで、少々お値段はした($220)けど、悪くない選択だったと思う。

なお、同じように検査後1時間で結果を知らせてくれるものはニューヨーク市内にもあるが、値段は$300〜800台とマチマチ。安いところでは48時間以内で結果を知らせてくれる$100以下というところや、保険適用で無料という病院もある。とはいえ、空港内ではないため急な対応は難しい。利用する際は渡された検査結果の書類をよーくチェックするなど細心の注意を忘れないようにしたい。

オミクロンな帰国②につづく


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