適格請求書発行事業者公表システムWeb-APIを利用した「インボイス情報登録機能」の裏側
DMM.comのオンラインサロン事業部プロダクトマネジメントチームの長井です。
DMMオンラインサロンは、サロンオーナー(以下、オーナー)向け機能としてインボイス情報の登録機能を2023年7月にリリースしました。2023年10月1日から導入される適格請求書等保存方式(以下、インボイス制度)に向けて、どのように進めていったのかをご紹介します。
※本記事は対応当時の情報で記載をしています。最新情報は国税庁インボイス制度サイト、国税庁インボイス制度適格請求書発行事業者公表サイトでご確認ください。
インボイス制度対応で求められたこと
適格請求書(インボイス)を発行できるのは、適格請求書発行事業者に限られることから、オーナーが「適格請求書発行事業者」であるか、「免税事業者等」であるかを把握する必要があります。
そこで国税庁が提供している「適格請求書発行事業者公表システムWeb-API機能」(以下、国税庁API)を利用してオーナーがインボイス情報を登録する機能の要件作成・実装を行いました。
準備:国税庁APIの利用手続きをする
国税庁APIの利用にあたって、アプリケーションID発行の利用申請を行いました。
「アプリケーションID発行届出」から「アプリケーションID発行届出フォーム」画面のURLを取得し、フォームに回答をして送信
「適格請求書発行事業者公表システムWeb-API機能アプリケーションID発行申請書」と「添付書類(※)」を国税庁軽減税率・インボイス制度対応室に提出
国税庁の審査を待ち、審査結果を受け取る
※DMMオンラインサロンでは、シーケンス図を提出しました。提出にあたって、叩き台となる要件作成を事前に済ませています。
実践:インボイス区分情報の登録機能を実装する
インボイス区分情報(適格請求書発行事業者と免税事業者等の選択)
どちらのインボイス区分になるか選択してもらい、「適格請求書発行事業者」の場合は、適格請求書発行事業者登録番号の登録もあわせて行います。
登録番号(適格請求書発行事業者登録番号)
適格請求書発行事業者に発行される登録番号を入力してもらいます。
「登録番号をチェックする」から、国税庁APIで取得できるデータとDMMオンラインサロンで保有するオーナー情報のデータを突き合わせ、情報が一致すると登録を完了できます。
突き合わせでは、下記の情報を国税庁APIから取得し利用しています。
事業者番号の存在有無(count):入力された登録番号が国税庁公表サイトに存在しているか
事業者処理区分(process):登録番号が存在している場合、有効な登録番号であるか
氏名または名称(name):国税庁公表サイトの情報とDMMオンラインサロンに登録された情報が一致しているか
また、インボイス区分情報の登録に直接は影響しませんが、登録日(registrationDate)の情報も取得しています。登録日は、登録者が適格請求書発行事業者として適用開始される日です。
そのため、国税庁APIから取得できる情報には、登録番号が有効かつ未来日から適格請求書発行事業者となるデータが含まれていることになります。支払いデータ作成時に登録日をチェックすることで、オーナーが「適格請求書発行事業者」であるのか、「免税事業者等」であるのかの判断に利用しています。
さいごに
要件作成・実装を進めていた際は、国税庁APIを利用した情報は多くありませんでした。本記事が今後実装を考えている方の参考になればと思います。
今後も取り組みを発信していきますので、ぜひフォローをお願いします。
https://note.com/dmm_onlinesalon
本機能はオンラインサロン事業部の所属者だけでなく、DMM.comの主計部・事業経理部・法務部の担当者と連携しリリースに至りました。
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