これが進化したヒールフック!Mikey Lockだ!!

こんばんは、ノーギグラップラーのまごっとです。

グラップリング界のとんでもない技術革新が起こりました。

あのMikey Musumeciがヒールフックを進化させました。

「Mikey Lock(マイキーロック)」と呼ばれる技なのですが、技術解説動画を観てみて、まあこれが本当にすごい!!!!!!

正直、恥ずかしながら私は当初試合でMikey Lockが試合で極められていた動画を見て「新しいヒールフック?入り方はいろいろあるよね。亜種でしょ?ふ~ん。」程度しか思っていなかったのですが

技術解説動画を見てこれはとてつもなく革命的だなと思いました。

この進化で何が起こるのか?!

ヒールフックのエントリー難易度がガクっと下がり、殺傷能力がドンと上がります。

その技術解説動画を元に、私がポイントを解説したいと思います。

元動画はこちら。↓

1.かかとを捕らえる方法を改良

伝統的なヒールフックでかかとを捕らえる方法とは、相手のかかとを自分の肘の内側を使うもの。

しかし、自分もやっていて思うのですが、これはいくつか問題がありました。肘で捕らえるのが結構難しいのです。特に、相手かかとがじめんにべったりくっついているとなかなか腕が回せない。

加えて、「取れた!」と思っても結構スルリと抜けられる。ガッチリ入れば殺傷能力が高いのは間違いないですが、ガッチリ入るまでが難しいのです。

そこで!!!Mikey Lockは肘ではなく首を使います。

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文字で説明すると

①相手の右足を取るのであれば、自分の右手で相手のかかとを抑える。Mikey Musumeci曰く「野球でボールをキャッチするように」らしいです。

②相手の親指の付け根の内側あたりを、自分の右首につけます。

③自分の左手は、リアネイキッドチョークをするように右手に封をして、自分の右肩を持ちます

④足はサドル・Criss Cross50/50・アウトサイドサンカクにします。(ここにまた技術の進化があります!!!後述)

⑤そして自分の首・手・体重すべてを使って左に向いていきます

最終的には、伝統的なインサイドヒールフックとしていることは同じです。相手の足を外側に捻ることです。

この方法だと、相手のかかとを自分の肘で捕らえるような、細い穴を通す必要がないのです。

相手がかかとを地面につけていたら、自分が登っていきます。

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伝統的なヒールフック方法だと捕まえづらかった以上のような状況に相手がなっていたとしても、この方法だと簡単に取れます。

2.足のポジションの進化

以前のnoteで私が書いたように、一般的に「サドル」と呼ばれるのは「インサイドサンカク」なのですが、なぜこのポジションが一般的だったかというと、伝統的なヒールフックをするのにいい塩梅で足が「浅かった」からだと私は考えています。

適度に浅いと、ちょうど自分の肘あたりに相手のかかとが来る。

インサイドサンカクの双子のもう片方、アウトサイドサンカクは強力なポジションであることは確かなのですが、ちょっと私は違和感をずっと持っていて、それは深すぎること。

私は身体が小さいので、アウトサイドサンカクを取ったところでかかとが自分の肘より上に来すぎて、ヒールフックに行けないのです。

しかし、今回のMikey Lockが良いところは、足が深く入るとむしろありがたいのです。

そして、50/50も同様です。インサイドサンカクに比べるとちょっと50/50のほうが足が深くて、場合によってはヒールフックがしづらいです。

特に、Mikey Musumeciも(おそらく)おすすめしているのはCriss Cross50/50です。

動画の中でMikey Musumeciが「Criss Cross50/50」と呼んでいたかはちょっとわかりませんが、これはCraig Jonesが少しだけ使っていた超マイナーな用語で、だいたいこのようなポジションです。

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自分の足が十字になっているのでCriss Crossらしいですが、これは良い具合に技を相手からかけられず、自分が安定して技をかけられるポジションなのです。

つまり、このMikey LockによってアウトサイドサンカクとCriss Cross50/50のポジションとしての重要性が高まるのです。

3.実は今出てきた技ではない

実は、これは今に出てきた技ではないのです。

このInstagramの投稿でJunny Ocasioがこう投稿していました。

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私の訳ですが

Mikey Musumeciが使う前に何年もこの技使ってるよ。誰かに聞いてみて。マイキーロック?ああ、そうだね。笑。マイキーロックじゃないよ。別に革命的じゃない。たぶんファンボがそう思ったんだろうな。Mikey Musumeciのことはリスペクトするけど、新しいテクニックじゃない。そんな議論はいいから。笑。柔術を知る人ならこれは新しい技じゃないってわかるね。笑

ということで、Junny Ocasioは前から使っていたと主張しています。

私はJunny Ocasioの試合を全部記憶しているわけではないので真偽はわかりませんが、間違いなく1つ、「Mikey Lockの類似だな」と思うテクニックがありました。

膝十字です。

私は数年前「膝十字ってどうやって極めるんだろう?」と思って、Youtubeの動画を調べまくったことがあるのですが、答えはこれでした。

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Buchechaによるこの形の膝十字です。よーく見ると、手の形こそ違いますが、結構似ているのです。

前に私がとある海外のプロ選手にこの膝十字をかけたときにすごい褒めていただいて

「Eddie Cummingがこの形で相手の足首を壊したことがあるんだよ!!」

と言われて、その真偽は不明ですが、なぜか記憶に残っていました。

その後、私はこの技をマスターすることができずモヤモヤしたまま眠っていたのですが、手の形が中途半端だったのです。Mikey Lockこそがその答えであり、進化版だったのです。

Mikey Musumeci本人も「Mikey Lockは足首と膝、ダブルで極める技だよ」と言っており、足首も極めれるというのは本当のようです。

4.日々学び、日々進化させ、日々巨人の肩に乗る

誰が開発したというルーツは良いとして、私がMikey Musumeciの動画を見て一番に思ったのは

「やっぱりトップ選手はすごいディテールを追求して研究しているんだな」

ということです。

当たり前過ぎて片腹痛い言葉ですが、そここそが私のようなアマチュアとプロの大きな違いだと思います。

私は基本的にプロが開発した素晴らしい技術を学び、再現することばかりですが、それは悪いことではありません。

それは「巨人の肩に乗る」ということなのです。

世界の素晴らしいトッププロ選手が素晴らしい技を開発し進化させ、私はいち早く学び、再現できるようになる!笑

これが大事なことだと改めて思いました。

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