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問いとこたえ

こたえにくい質問ってありますね。
例えば「仕事は楽しいですか?」と聞かれれば、「楽しいこともあるし、ツライこともある、だから楽しいと言えば楽しいが、すべてが楽しいわけではない」みたいに、こたえになっているんだか何だかよくわからない言い回しになります。

こういった場合、たいてい問いが間違っています。質問の仕方が違う。
「仕事が楽しいと感じるのはどんなときですか?」とか「最近仕事が楽しいって感じた瞬間があれば教えてください」みたいに訊くと、こたえやすい。
「自分の思い描いた通りに物事がスムーズに運んだときは楽しいね」とこたえることができます。

期待以下のこたえしか返ってこない場合は、問い方に間違いがないかどうか確認してみるといい。
微妙なニュアンスのズレやコミュニケーションの不一致はこたえる側の問題より、問う側の問題のほうが意外と多いから。

天気の話題ひとつとってみても、「今日はいい天気ですね」という問いは単に同意を求めているわけではなく(いい天気なのは見りゃわかる)、「いい天気で気分までさわやかだけれど、あなたはどうか?」というように、ご機嫌いかが?(How are you?)の代わりに使うこともあれば、「ここはいい天気だけれど、全国的には大雨で災害が頻発して心配です」のように、時事や心情を現わす枕詞の代わりに使われることもあります。

こたえる側が問う側の意図をくみ取ってニュアンスをつかむのは、至難の業です。どの意味の「今日はいい天気ですね」なのか問う側が明示しないから、コミュニケーション不全が起こりやすい。

問う側が意図を明示するためには、語彙力と想像力が必要です。
言葉を持たない人は、思っていることと表出することが一致せず、周囲が困惑します。
相手を思いやる気持ちを持たない人は、相手に責任を押し付けようとします。

コミュニケーションはキャッチボールにたとえられます。相手の胸元にボールを投げさえすれば、スムーズにキャッチボールできることは容易に想像できますものね。

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