基本情報技術者試験を受けた話

0.前書き

 こんにちは。國本です。

 先日"青森"で基本情報技術者試験を受けて参りましたので雑記としてまとめたいと思います。

1.試験の概要

 基本情報技術者試験はITに関する基本的な知識が問われる試験で、"ITパスポート"の上位互換とも言える資格です。試験は令和2年度よりCBT方式(computer based testing)で行われており、期間内であればいつでも、全国どこでも好きな場所で試験を受けることができます。

 また、試験は午前試験と呼ばれる試験と午後試験と呼ばれる試験があり、この試験は期間内で別日に受けることが出来ます。午前試験は主に知識問題を、午後試験は主に文書の読解力及び知識の応用力が問われます。

 また、今年度秋期試験の申し込み期間と試験実施期間は以下の期間でした。

表1 2022年度秋期試験開催日程

2.なぜ受けたか

 趣味です。完全に趣味で受けたかと言われれば違いますが、将来情報屋さんと話をする時に何の話をしているかわからなくて困ることもあるかもしれないと思い、最低限の知識をつける目的も兼ねて受験しました。

3.試験の申し込み(午前試験)

 11月に入り、少しずつ勉強をしていましたが進捗が悪く、受験を見送る可能性もあると思っていたのでギリギリまで申し込みを見送っていました。

 上記の表にあるように今期の午前試験の申し込み締め切りは11月17日でしたので、16日の夜中、17日に日付が変わったあたりで「よし!申し込もう!」と決心をつけ、申し込みをしようとサイトへアクセスしました。

 順調に会員情報等を入力して、最後に受験地の選択画面になりました。

 リストボックスを押すと、全国各地の受験地が表示され、そのなかでも東京は受験地が多く、5区分ほどありました。東京に住んでいると選び放題です。

 まずは自分の家から1番近い受験地を選択して予約状況の確認をしました。全て埋まっており、予約不可でした。

 「東京に住んでて良かった〜」

と、思いながら2番目に近い受験地を選択しました。全て埋まっており、予約不可でした。この辺りから嫌な予感はしていました。

 「まあちょっと遠いけど東京の東の方で良いや!」

東京都内は全て埋まっていました。とりあえず東京都内で受験出来ないことが確定しました。

 「いや、でも東京住んでるし千葉でもいいや」

千葉県内も全て埋まっていました。

 「いや、でも東京住んでるし神奈川でもいいや」

神奈川県内も全て埋まっていました。

 「いや、でも埼玉ぐらいなら全然行けるし」

埼玉県内も全て埋まっていました。

 「ちょっと遠くなるけど群馬とか栃木とか茨城でも良いや」

全て埋まっていました。受験者は皆、最終日に駆け込みで試験を受けに来ていました。考えることは同じだったみたいです。

 この辺りで受験地の全国一覧表示ができることに気が付き、恐る恐る全国一覧を表示しました。

 全部…いや、1ヶ所を除いて全て埋まっていました。最後の望みにかけてその受験地を確認すると



北海道稚内市


 「稚内…?」

念の為地図を確認しました。

 「ほぼロシアじゃねえか!」

でも受けられる場所は他に1ヶ所もありません。この稚内を逃すと次に受けられるのは来年度の春です。しかも予約にはクレジットカード即払いでキャンセル時に受験料の返還もありません。

 数分悩んだ結果


図1 試験会場 ロシア


図2 キャンセル可否

決済完了につき、7500円が支払われました。この時点で稚内で受験するか7500円を捨てるかの選択になりました。

 とりあえず稚内行きの飛行機を調べてみました。片道35000円。これだけのお金があればいろいろ他の事が出来そうです。ちなみに試験申し込み最終日に申し込んでいるため、11月22日以外の選択肢はありませんでした。

 さあ、どうする。

 数日前まで受けるか悩んでいた試験、ちょっとやる気が出て来て勉強を始めたと思ったらこの有様。

 一旦冷静になるために寝ました。

 そして17日の朝、冷静に予約を確認すると

 「受験料の返還は出来ないが、受験日程、受験場所の変更は可能」

と記載があったため、数時間前まで全て埋まっていた予約一覧から、変更できる先がないか確認してみました。

 「1ヶ所…空いてる!1ヶ所だけ!」

その受験会場は…!

図3 ほぼ台湾

 とりあえず飛行機代を確認して、まだ沖縄の方が飛行機代が安いことを把握次第すぐに受験地を沖縄に変更、良かった〜(?)

 と、思っていたのも束の間。

 「そう言えば午後試験の申し込みしてないな」


4.試験の申し込み(午後試験)

 先にも述べたように基本情報技術者試験は午前試験と午後試験があり、それぞれ別々の日に受けることができます。自分は午前試験と同じくギリギリの最終日、11月27日に受験しようと思い、まだ申し込みをしていませんでした。

 まだ締め切りの日程まで日付はありましたが、急いで午後試験の申し込みを開始しました。

 「27日の日程は…」

当然のように全国全て埋まっており、また、26日も全て埋まっていました。さらに23日及び25日は私用があり受けられるのは24日だけの状況で受験地を全国から検索すると…

 「青森か宮崎…か…」

午前試験を22日で沖縄で受けた後、午後試験を24日に東北か九州の2択から選んで受験しなければならない現状に絶望しました。とりあえず午後試験は青森を選択して、考えます。

 「そもそも勉強時間が足りていなかったのでギリギリに申し込みしようとしていた人間がこんなにコストを払って受ける試験なのか…?」

 冷静になって検討してみました。

 「来年度でも良いんじゃないか?」

この絶望的な状況にそう思ってしまいました。

いや、諦めるのはまだ早い。北海道から沖縄に変更できたのだから、奇跡があるかもしれない。そう思って10分スパンで更新をしていました。午後試験の青森は良いとしても、午前試験の沖縄は遠すぎます。ほぼ海外です。

 2時間後

 1ヶ所だけ変更可能受験地が現れました。

 受験地は…?



図4 救世主あらわる

 一目散に受験地を変更し、まずは午前試験が飯田橋で受けられることが確定しました。残りは青森をどうにか変更するだけ。稚内が飯田橋になったのだから青森もなんとかなってくれ…




 なりませんでした。

 受験地の変更可能期間内に数十回更新をしてみましたが、自分の受けられる日程で現実的な場所はやはり青森か宮崎しかありませんでした。

 ただ、午前試験がもともと稚内だったものが飯田橋に変更になったことを考えれば、青森に行くことぐらい軽く感じていました。

 これはもう、腹を括って青森に行くしかない


図5 受験地 青森県弘前市

 しかし、大きな問題点として午後試験の勉強をまったくしていないことがありました。

 それもそのはずで当初22日に午前試験を受けた後、27日の午後試験にむけて5日あるのでその期間で勉強をしようと思っていたからです。(そもそも午後試験の勉強を5日で終わらせようとするなと言うのはその通りです。)

 午後試験は午前試験と出題方式が異なり、文章の読解力と応用力が問われるので過去問で慣れが必要とのことでしたが、午後試験の勉強はほとんど出来ておらず、午前試験の22日を迎えます。

5.午前試験

 午前試験は当初の予定通り(試験申し込み前に想定していた)東京都内で22日に受けられたのもあり、無事合格ラインを超えました。そして24日の午後試験、青森まで夜行バスで向かいます。


図6 午前試験結果

6.午後試験

 私は普段夜行バスに乗ることがあるため、夜行バスによって特別体調を崩すこともなく,約12時間のバス乗車の末青森県弘前市に到着し,朝にスターバックスを飲んで勉強し、昼過ぎの試験は万全の体調で臨みました。

 受ける前の自信で言うと、"青森に試験を受けに来たけど勉強が足りなかった人"というレベルでした。

 しかしいざ試験が始まってみると、ほぼ全く過去問を解いていないのにも関わらず、かなり頭が冴えており、試験問題が何を言っているのかわかる部分が多く、また、問題を解いている最中に前の問題のミスに気がついて訂正することに成功するなど、奇跡が連発しました。

 また、選択問題では第2問から第4問の中で2問選択して問題に解答するのですが、たまたま何を言っているのかわかる問題が2問あり、問題に取り掛かることに成功しました。

 最後の大問2個はまるまる何を言っているのかほとんどわからず、自分がギリギリ理解できたところを頑張って選択して解答し、あとは運に任せて解答してきました。

 テストはCBT方式のため、テストが終わって30分後にはもう結果のメールが来ており,あとはサイトにアクセスして確認するだけだったのですが、青森まで行って試験に落ちた後帰路に着くのが嫌だったので、一旦見ずにお土産を買って帰りました。

7.結果を確認

 1人で見るのが怖かったので友人と一緒に確認しました。落ちていたら青森に日帰りでりんご買いに行った人になります。

 合格点は60点と言われています。

図7 午後試験結果

 ギリギリで60点を超えておりおそらく合格したものと思われます。




2023.1.15追記:合格証書が届いて嬉しいので追記しました。

 "ソフトウェア・ハードウェア"の分野で満点を取れたのがかなり大きく、勉強が間に合っていなかった"アルゴリズム"および"表計算"の失点を補った形になりました。また、誤算だったのは必須科目の"情報セキュリティ"の分野で、試験の手ごたえ的には8〜9割取れたものと思っていたので、失点が多く驚いています。(もしかしたら問題途中まで解いて後でやろうとして残りを解き忘れたかも)

8.おわりに

 いろいろありましたが無事基本情報技術者試験を終えることが出来ました。"めちゃくちゃ取得が大変な資格"ではありませんが、青森まで行って何も得られずに帰ってくることにならなくて本当によかったです。

 勉強法に関しては参考にならないと思いますが、教科書を3〜4週読むだけ読んで(計算問題は全て飛ばして)、最後の1〜2週間で午前試験の過去問を一問一答でずっとやってました。

 完全上位互換に"応用情報技術者試験"というのがあるので数年後まだ興味があったらやってみようと思います。

 基本情報技術者試験は来年度から試験制度が大きくかわるみたいなので、受けようと思っている方は注意が必要です。 

 お祝いしてくれた皆様、ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?