中山金杯・シンザン記念|回顧

中山金杯

▼展開・ラップ分析▼

【12.5-11.7-13.4-12.1-12.3-11.0-11.2-11.6-11.9-12.4】

前後半3F 37.6-35.9

前後半5F 62.0-58.1

スロー推移の後半分散のロンスパ戦。ではあるが、最速ポイントがラスト5F地点でここから一気にペースが上がっての消耗戦に近い形。

後半のポテンシャルがかなり問われるという状況の中での1戦で結果的にはバテ差し戦となった。


<総評>

1着のレッドガラン

中団やや前を追走しながら最速ポイントからの仕掛けにも対応しての差し切り勝ち。

これまでも高いレベルでは後半の質が安定はしていた馬ではあるがここまでロンスパ性能のほうが抜けているとは思っていなかった。

ただ、今にしてみれ大阪城Sを勝ち切ったのが2年前の話ではあるがこの時が平均推移の有酸素運動戦でラスト3F最速に持ち込まれる展開の中での勝利。

これを前々から出し抜いており、基礎スピード面、有酸素運動の形での競馬には結果があった馬。

だからと言ってここで本命に推すには乏しいが今回の1戦を受けると極端な後半特化の中での結果もあるが、仕掛けの速いロンスパ戦での競馬が会うのだろうなという印象。

中距離で後半が分散する形の競馬になれば今後もチャンスはありそうだが、恐らく高速状況の馬場よりはある程度パワーバランスを問われる状況でそこまでラップ推移が速くならないほうがよさそうではある。


2着のスカーフェイス

怖さはあったので一応本線で抑えはしたが小名木はかなりロスのある形だったと思うし、その中でここまで突っ込んでくるとなるとこの馬もまた後半の質が高いレベルで安定しているのだろうなと思う。

序盤はある程度ポジション取りもうまくいった印象だったがやはり後半は外々を回す形になりここでロスのある競馬になってしまったかなと。

ただ、ラスト5F最速のポイントではついてこれていたし基礎スピード面の対応はできていた。

そこからコーナーから直線にかけて一脚使えていたし外を回さなければ勝ち負けになっただろうなと思う。

ある程度後半の質に自信がなければこの形の競馬は取れなかったと思うのでその点では仕掛けのタイミングやレースメイク自体は評価できるものだし今後に繋がる競馬だったかなと思う。


3着のヒートオンビート

結果的に3着なのでまあ一応仕事はできたかなという感じはするが、ちょっと消極的のような競馬になってしまったかなと思う内容だったとは思う。

まあラスト5Fから極端に流れたのでさすがに絶好調だった横山武騎手も少し戸惑ったところはあったと思うしそこで動いてラストまで脚を出し切れるかどうかの不安のほうが大きかったのではないかなと思う。

その点上の2頭はそこを思い切った形で進めることが出来たのでその点での着差かなと思う。

要は人気を背負っている分のプレッシャーと、そうではないだけに思い切った形がとれるかどうかの問題だったのではないかなと。

力関係的にはこちらの方が上だったとは思うし、今回は後手に回りながらもやはり突っ込んでこれているあたりは及第点を与えるべきだろうなと思う。


以下、トーセンスーリヤはもう少しやれてほしかったのが正直なところではあるがさすがにラスト5Fからの減速ラップで脚を使わされる形になったので先行勢にとってはかなり苦しい競馬になったのだろうなと思う。

ここも展開の文ではあるが、このラスト5Fのポイントで後続を引き離しにかかりそのまま後続が動かずという競馬になれば話は変わっただろうが中山戦ということもあり仕掛けが全体的に速くなったことで思ったよりも速めに後続にポジション差を詰められたことでさらに難しさが出たかなと思う。

しかもこの斤量でというのがプラス@でかかってしまったので今回は色々恵まれなかったなと。

これが力のすべてではないと思うし、今回はそこまで悲観するような展開ではないので次走で見直したい。


ウインイクシードはやはり枠が悪すぎた。

前半がかなり遅かったのでスタートもよかったし、意識的に行けば前を取れたとは思うがそのリスクを取らずに控えて外を回す形での差し競馬。

これではこの馬の良さは活きてこないので今回に関しては騎乗ミスとは言わないが判断ミスだったのではないかなと思う。

ただ、ここまで前半が遅くなるとは思っていなかったと思うし一応苦しい形の中でも最低限の走りはできたかなとは思うので展開とポジションがかみ合えば今年もある程度なところではやれるのかなと。


本命のロザムールは最悪の形になってしまったなと。

そもそもスロー推移なのはマイナスだし、しかもラスト5F最速のロンスパ戦極端な競馬になってしまったのは誤算。

さらに言えば今回はシャムロックヒルが先行争いの相手だったし、このペースなら前を取れるはずだったのにそれをしない消極的な競馬になってしまった分。

ここですべてが決まってしまった感じはあった。

ここまでスローになるとは思っていなかったとは思うが、さすがにこれまでの好走パターンを見てもある程度意識的に行くのがベストなのは何度も乗っている北村騎手ならやってくれるとは思ったが…。


シンザン記念

▼展開・ラップ分析▼

【12.6-11.1-11.5-11.8-12.0-11.9-11.5-11.7】

前後半3F 35.2-35.1

前後半5F 59.0-58.9

平均推移の有酸素運動戦。やや中弛みでラスト2Fから出し切る基礎スピード面と直線要素を問われる展開。

前半の基礎スピード面の高さ、もしくはじっくり構えての後半のポテンシャルを問われるというレースになった。


<総評>

1着のマテンロウオリオン

前走が後方からの競馬で後半の質を高いレベルで見せてはいたのでこの形になるかなと思って相手の評価としたが前半から好位を取って基礎スピード面の高さを見せての勝利。

まあスタートをスムーズに切ったというのはあるが、この位置をとってくるのが横山のりさんのテクニックだろうなと思う。

前走が後ろから明確に高い後半要素で勝ち切ってきているのに今回は同じ騎手で乗り方を180度変えての勝利、馬のレベルの高さもあるだろうがこれは騎乗のうまさもあるなと感じる内容だった。

更に、前半の質を活かしながら後半のポテンシャルを見せてきてというのも好感。

これまでは明確にスローに落とし込んでという競馬だったが今回は平均推移で流れに乗ってのレースメイクで勝利なので総合的な要素で高いレベルにある可能性はあるかなと。

ただ、今回はそこまで相手関係も強力というわけではなかったので過大評価は禁物だとは思うが、今後は展開云々で意識はしておきたい1頭。


2着のソリタリオ

手応え的には勝ったと思いましたけどね、勝ち馬の仕掛けのタイミングが絶妙だったのでラスト1Fでも落とし切らず差し切できずの2着。

ただ、やれることはやれたと思う。

案外だったのが坂下からの加速が思ったほど伸びなかったなという感じで、逆に坂を登り切ってからスッと伸びてきた。

前走はどちらかといえばロンスパで出し切ってきたので坂の上りの地点ではトップスピードに乗っている状況。

今回は坂下からの加速がとわれる形となってしまったのでここが誤算だったかなとは思う。

根本的にはロンスパ型の馬、速いトップスピード戦では分が悪いのだろうなという1戦だった。

後は今回は出負けしたことで外目を回されることになったことも影響しているだろうなとは思うのでどちらにせよ悲観する内容ではない。


3着のレッドベルアーム

東スポ杯の負け方がいかにも切れ負けという感じで、ラスト3F最速のギアチェンジポイントで対応しきれなかったという感じだったので分散しやすい中京ならというところで抑えたのでこれはよかった。

初戦の勝ち方もトップスピードを問われることなくという内容の中での勝利、且つ、平均推移の有酸素運動戦。

今回の好走をみても明らかに極端な後半特化の中では分が悪く、ある程度分散する形の有酸素運動戦型でロンスパ戦のほうがいいのだろうなと思う。

今後も展開次第ではチャンスのありそうな馬なのでチェックはしておきたい。


以下、ビーアストニッシドはちょっとレースメイクがミスったかなという感じの内容だった。

枠の利を活かし切れなかったのはあるし、前半が思った以上に速かった分で無理させないという形だったのかもなと。

京都2歳然り、未勝利を勝った時然りでスローのレースメイクで後半の質を活かす形での勝利。

シンプルに考えるなら再現を狙っての事だったとは思うが、仇となって包まれてしまいという競馬になってしまっての敗戦。

ただ、前半は意図してペースを落としてきた感じなので恐らく基礎スピード面でも対応できたとは思う。

ポテンシャルもありそうなので今後も注目しておきたい。


デルマグレムリンは展開がはまた感じだがもう少し前半から流れる形でバテ差しを決めるほうがセオリーだろうなとは思う。

しかもある程度展開が向いて今回の相手関係の中でこれなのでこのレベルでは買いづらいかなと。


ラスールの初戦は後半特化の中で前に流れに乗ってという競馬で勝ち切っていたがやはりレベルが低い中だった可能性はあるかなと思う。

今回は出負けしたこともあるがちょっと不利などもあってレースメイクがうまくいかなかったこともあったかなと思う。

まあだからと言って次走で明らかに見直せるかとかそういうレベルではないのでちょっと様子をみたい。

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