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『シン・ウルトラマン』評。ネタバレ無し‼️

『シン・ウルトラマン 』評。〜永遠のアイコンを探して〜

府中の映画館で話題の『シン・ウルトラマン 』を遅ればせながら鑑賞しました。まだ上映館がありますから、ネタバレを避けながら雑感を書きたいと思います。
 私は1976年生まれなので、ウルトラマンの放送が1966年ということでリアルタイム体験者ではありません。ウルトラセブン、帰ってきたウルトラマンにも被らない。80でやっとという感じだが、平成、令和のウルトラマンシリーズを完全にスルーした人間です。言わば、ヘビーローテーションで小学生時代にウルトラマン、ウルトラセブンの再放送を貪る様に観た世代といえるだろう。即ち、多感な時期にウルトラマンのエキスを吸収出来たと言える。ウルトラマン、セブン、タロウとTBSは17時半から何度も再放送をしていた。それに連なるのはルパン3世、藤子不二雄関連の再放送と言えるだろう。
 やはり、金城哲夫さんの脚本、成田亨さんの造形を幼い時に浴びる様に体験したのは貴重な体験であった。ウルトラマンのフォルムの美しさ。セブンの甲冑の如き造形。怪獣でさえ、ゴムで出来ていただろうが質感が生々しく、実際に存在しているのではないかと錯覚するほど。セブン第一話の攻撃シーンのリアルさ。ウルトラマンとセブンは円谷英二監修の良さが如実に表れていた。
 『シン・ウルトラマン』を鑑賞した時に感じたのは体の底から湧き上がるエネルギーの様な感情でした。良し悪しは別にして、ウルトラマンは55年の月日を経て新しい世界に突入しているのだと実感しました。旧作をリスペクトしながら新しいフェーズに足を踏み入れた製作陣に敬意を表したいと素直に思いました。
 CGであったのに不満の向きもある方が居るかもしれないが、尊敬する方から指摘を受けて膝を打った。初代ウルトラマンの肉体を体現するのは、現役のスーツアクターでは不可能に近い。無理なのである。1966年にウルトラマンに入り、様式美を確立した古谷敏さんしか、地球上に存在しない。樋口監督と、庵野秀明さんが、古谷さんの体型、所作をコンピューターにインプットして再現する。それ以上の敬意を表する方法は無いし、他者が演じれば確実な違和感がある。令和になってウルトラマンは初代のエッセンスを存分に取り入れて蘇ったのではないか。
 もし、仮に『シン・ウルトラセブン』を制作するとしても、上西弘次さんはこの世に居ない。それが残念でならない。


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