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岸田今日子と『鏡子の家』、そして三島由紀夫。

ここでまた久世光彦先生の御著書、『ひと恋しくて 余白の多い住所録』から引用して没後50年になる三島由紀夫を語ろう。直接的ではなく間接的に。テレビ版『鏡子の家』で主人公、友永鏡子を演じた岸田今日子を通じて。
 久世先生が昭和37年にTBSで放送された『鏡子の家』に演出助手で参加していたのは前述した通りである。
 久世先生が1935年生まれ。岸田さんが1930年生まれだから5歳年上のお姉さんである。
 当時27歳の久世先生は32歳という妙齢の岸田さんに子持ちで、若い男性の巫女的存在である鏡子をリアルに投影したことが理解できる。岸田さんの父親は劇作家、文学座創設者の岸田國士であり、文学、演劇的素養が育つ土壌があった。演劇人として大成する中で三島由紀夫と出会い、戯曲『サロメ』等で三島の薫陶を直接受けることになる。
 『鏡子の家』テレビ版の映像が残らなかった理由としては当時のテレビドラマは基本生放送であっだことが挙げられる。
 しかし、鏡子としての残滓は『傷だらけの天使』の綾部貴子に受け継がれていると個人的に思っている。
 三島由紀夫は様々な人々に影響を与える与え、それを我々は引き継ぎ、顕彰しているのである。 
 多様な形で三島由紀夫は正に成長し、「生きている」のである。

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