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【遊戯王OCG】3つの軸で考える今の展開デッキに求められるパワーについての考察

どうも、ざくおです。

今年度も終わりが近づいてきました。

思い返せば今年度は《エルピィ》や《巫女イヴ》、《リリーサー》の禁止から始まり、《ドラグーン》、《リンクロス》の禁止、といった感じで展開系に対して重い制限がかかり続けた結果、【教導シャドール】や【召喚教導】、【エルドリッチ】などが台頭する中速環境が長く続いた年度だったように思います。

一方で現在は【ドライトロン】や【電脳界】、ハリ一枚からVFD系など多くの展開系が台頭するという一変した環境となりました。

ちなみに僕は一度【シャドール】を触って以降は【焔聖騎士】、【恐竜】、【アンデシンクロ】などいろいろな展開系デッキを触ってきました。
(その後【Evil★Twin】握ったけど)

そこで今回は一年間さまざまな展開系デッキを触って感じた、現代における展開系デッキに求められるパワーについて考察していこうと思います。

◯パワーの定義

まず、そもそも展開系におけるパワーのパラメータは様々存在すると思います。
その中でも自分が重要と感じた3つのパラメータは

1. 終着点のパワー
2. 安定性(=要求値の低さ)
3. 妨害耐性

の3つです。

1は言わずもがな、展開系を使う意味です。
いかに先攻で相手、というよりは各環境デッキに対して大きい圧力をかけるカードをプレイできるか

このパラメータが中途半端であると展開系である意味が薄いと言えると思います。

2は安定性、言い換えると要求値の低さです。
初動の要求値はデッキに何枚入るカードで、何種類揃わないといけないのか

このパラメータが低いと大会に持ち込んでも安定した勝ち星を上げられないので結果は残せないでしょう。

そして最後に妨害耐性。
先攻であれば誘発をどれだけケアできるか、後手であれば相手の先攻妨害をどれだけ踏み越えつつ返せるかということですね。
特に展開系が台頭している今のような環境においては誘発ケアができるかどうかという問題は非常に重要だと感じます。

以上、3つのパラメータを軸に考察していこうと思います。

◯ハリファイバーとVFD

現状の展開系を語る上で避けては通れないのがこのハリファイバーとVFDというカードだと考えています。

現在の遊戯王においてハリファイバーの成立=VFDの成立です。

ハリss
ハリef ジェットss
ハリジェット→ラドンss
ラドンef トークン3枚ss
ラドンef オライオンss
オライオントークン→ガーデンローズss
ジェットef ジェットss
ジェットガーデンローズ→コーラルss
コーラルトークン→アーケss
コーラルef 1ドロー
アーケef1ドロー
ガーデンローズef コーラルss
コーラルトークン→狐々ss
アーケ狐々→VFD ss

ハリの成立という低いハードルから2ドローVFDという高い終着点を叩き出せます。

つまりハリが成立するデッキであればどんなデッキでも十分な展開ができる展開系デッキとしての活躍が望めます。

が、一方で裏を返すと3つのパラメータでいう「1.終着点のパワー」と「2.安定性(=要求値の低さ)」という点がこのギミックでほぼ事足りてしまっているため、ハリVFDの1と2を越せないギミック、テーマは展開系としての存在意義が薄いと言えます。

また、ハリに頼っていた多くの展開デッキは1の横に追加してカードを置けたり、ハリファイバーに届きやすいといった+αの部分で個性を出すか、あるいは「3.妨害耐性」の部分で飛び抜けなければいけません。

また、ハリ系展開デッキにおいて3の項目はほぼ必須項目とも言えるレベルだと考えています。

ハリ系展開デッキはそのハリファイバーのパワーに重きを置いているものも多く、またハリアウロギミックの性質上デッキに多くのゴミを抱えているためメインデッキそのもののギミックが貧弱になりやすいため、なんとしてでもハリファイバーを通すことが必須であると言えます。


例として「恐竜」デッキを挙げてみます。

《スクラップラプター》の登場と《化石調査》の制限緩和で一瞬注目されました。

自分のカードを割ることで恐竜族のリクルートを繰り返し、展開を進めていくデッキで、終着点の多くは他のハリ系展開デッキ同様に2ドローVFDとなります。

1のパラメータ「終着点」についてはさらに横に単体性能がずば抜けて高い《アルコン》が簡単に成立する点がポイント高いです。

3のパラメータ「妨害耐性」についても、《ミセラ》での妨害ケアをしつつ、ハリ成立前に《ドルカ》でモンスター効果を2回弾く構えを作りつつハリ展開に入れる点がとても評価が高く、後手も全てを踏み潰す《アルコン》の存在が輝きます。

一方で2のパラメータ「安定性」の面では、「割る側のカード」と「破られる側のカード」の2種類を要求する上に、「破られる側のカード」は単体では何も強くないカードのため、事故のリスクを大きく抱えています。

ハリ系デッキの中では強い部類に入ると考えているこのデッキでも環境に台頭できないレベルであると考えると、現状の展開系デッキに対するハードルの高さが分かるかと思います。

◯ハリに依存しない展開系デッキ

次に、ハリファイバーに依存しない展開系デッキについて考えてみます。

現状環境に台頭する展開デッキの多くはこちらに属すると思います。

展開系デッキが多く台頭する環境においてより強く生き残ることができるデッキタイプはこちら側だと思います。

ハリファイバーというパワーカードに依存せずに展開が可能であるという点を考えればわかるかと思いますが、要するにデッキにハリに頼らなくてもいいだけのポテンシャルがあるということです。

誘発を受けてもこちらの妨害のグレードを1つ下げるだけで展開を続行できる多角的な攻め手を持っていることが多く、妨害を使わせても1:1交換の範囲に留めることができる点で3のパラメータ「妨害耐性」の面で秀でているという見方もできます。

また、ハリファイバーという明確な妨害の当てどころを隠すことができる点も作用していると思います。

1のパラメータ「終着点」についてもハリVFDの呪縛から解き放たれたため様々な終着点が考えられ、縛りがつくことを気にせずVFDより高い終着点を狙ったり、メインデッキそのものと噛み合いの強い終着点を活かすなど、多様化が望めます。


例としては【ドラグニティ】デッキを挙げてみたいと思います。

「終着点」が非常に高く、隙のない先攻展開が可能です。

「安定性」については低い要求値からそこそこの展開を望め、手札に攻め手が増えれば増えるほど展開が強くなっていきます。

「妨害耐性」についても昔のカード特有のターン縛りのないカード達のおかげで、多角的に次々と攻め手を仕掛け、1妨害に対して1攻め手で対応することで踏み越えることが可能だと感じました。

もちろんぶっ刺さるとヤバい状況もありますが、ハリ系展開デッキのように「ハリにうらら食らったからハリ単騎エンド」のような寒い盤面になることはかなり少ないように感じます。

こういった点がハリに依存しない展開デッキの強みだと思います。

◯今の展開デッキに求められる「パワー」とは

以上のことから、今の展開デッキに対して求められる要素が少しはわかったかと思います。

ハリVFDのギミックの存在からどんなデッキでも先攻VFDという高いラインでの妨害を構えられてしまう以上、先攻展開に重きをおいたデッキに存在意義を見出す上で重要な点がいくつも見えてきたのではないでしょうか。

ハリ系展開デッキであれば「いかに安全にハリファイバーを通すか」という課題をテーマのギミックでクリアするかという点が非常に重要になってきます。

そうすると、先述の通りハリ系展開デッキ筆頭と考えている「恐竜」デッキのように、ハリファイバー+妨害ケアできるカードと言った形で要求値が高まり、結果的にハリ成立が条件という手軽さと相反する性質を持ってしまったとも考えることができます。

ちなみに、一枚初動10枚以上、誘発ケア手段10枚以上のクソ先攻展開ハリ系デッキがあるらしいんですけど...

ハリ系展開デッキを考える上ではそういった点で既存のハリ系展開デッキと差別化が図れているかどうかに着目してデッキを組んでみるといいかもしれません。


一方で非ハリ系展開デッキはテーマの持ち味を活かす方向性が重要であると考えられます。

色々な下級を並べて手数が出て、儀式という持ち味を生かしつつ非常に大きい圧力をかけることができる【ドライトロン】デッキや、ドラゴン族縛りのなかでも4妨害や5妨害を狙っていける【ドラグニティ】デッキなど、環境に台頭している非ハリ系展開デッキはテーマの性質を非常にうまく使いこなせているように思います。

今後の登場テーマを考える際、その持ち味をどう活かすかを考えてみるといいと思います。

◯まとめ

以上の話をまとめると、

・ハリ系展開デッキは「ハリをどう活かすか、テーマをどうハリ展開に添えて個性を出せるか」という点で考える
・非ハリ系展開デッキは「テーマそのものの個性をどう活かすか、テーマの持ち味は一体何なのか」を深く考える

ことが重要だと僕は考えます。

今後展開デッキを組む上で、是非上記の3つのパラメータを軸に考えてデッキ構築に活かしてもらえたらなと思います。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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