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バレアリック系アーティストのレジェンド Chicaneの名盤 "Far From The Maddening Crouds"が生まれ変わった! Chicane自身による進化、それがEvolution Mix

Chicaneとは

Nick Bracegirdleのプロジェクトとして1990年代から活動をはじめ、代表作に"Offshore"や"Saltwater", "Bryan AdamsとのDon't Give Up"、"Love On The Run", "Poppiholla", Ferry Corstenとのコラボレーション "One Thousand Suns"など。現在に至るまでに数多くのヒット作を手掛け続けるUKのレジェンドChicane。

90年代後半から00年代初頭にかけて絶大な人気を誇ったバレアリック系のトランスやハウスの代表的なアーティストで当時のBTやWay Out West、Salt Tank辺りのアーティストと並ぶシーンの象徴的な存在の一人でした。

当時からバンドや歌手とのセッションに強いこだわりを持っていたChicaneのライヴセット

当時から多くのファンを持つ日本へも2013年に待望の初来日を果たし、ageHaのメインフロアを埋め尽くすファンの前でヒット曲の数々を披露。


ポピホラー

Posted by Hiromitsu Matsunami on Sunday, June 9, 2013

あの日は熱狂させてくれましたね!


自身の活動20周年盤"Twenty"やおそらく一番人気が高い2nd Album "Behind The Sun"の20周年盤など、節目節目には特別なパッケージで名作をよみがえらせてくれることでも知られるChicaneですが、2022年にはついに1st Album "Far From The Maddening Crouds"の再構築が行われました。


Far From The Maddening Crouds

彼の多くの作品群の中でも1996年に発表された初期作"Offshore"を 収録した1997年の1st Album "Far From The Maddening Crouds" はその後のトランスやハウス、ダウンテンポ系のチルアウトを含むダンスシーン全体に多大な影響を与えるなど伝説的なアルバムとして今もなお語り継がれている一枚です。

トランスファンには目玉のジャケットでお馴染みXtravaganzaからもリリースされたChicaneの1st

シングルとしても展開された"Lost You Somewhere"や"Sunstroke", "Red Skies"といった収録曲のエモーショナルさは後にユーロトランスシーンの主流になっていく哀愁系サウンドのはしりとも言えますね。"Eugina (Pacific Diva)"の大ヒットで知られるSalt Tankとの合作 "Leaving Town"もこのアルバムに収録されています。

代表作でもあり、収録曲"Offshore"に関する詳細はこちら!!

2022年版も併せてアップデートしました。




Evolution Mixesとは

リリース25周年を記念した"Far From The Maddening Crowds (Evolution Mixes)"は進化という言葉が表すようにChicane自身の手によって当時の収録曲をすべてアップデートさせたフルリブート盤ともいうべき内容。

表記だけ見ると「それって今のシーンに併せた派手な音になっているということ?」と心配される方がおられるかもしれませんが、その点はご安心を。

原曲の良さはほぼそのままに活かしながら、音質、グルーヴ、BPMなどが現在のシーンに即した形へと置き換わっており、今となってはオールドスクール感満載のハードシンセやリズムマシンで組まれた当時の曲も魅力をそのままにアップデートされています。

"Lost You Somewhere"などは私は今回のバージョンの方が好きかも!


ファンの目線からいえば「今Chicane自身がライヴセット用に当時の曲をリファインするならこうなるのだろうな」という見方でも楽しめますね。

また、DJとしてのChicaneはDowntempoと併せてMelodic HouseやOrganic Houseを好んでプレイしているので、それらの音とも併せやすい今回の進化は今のシーンに向けてのアンサーといえるのかもしれません。

ダンスミュージックシーン全体でいえばここ数年は90年代の曲ネタやサンプリングを用いた新しい曲の需要が高まってきている傾向が強いですね。それは往年のファンにとっても嬉しいことですが、新たな世代に斬新な音としてこの辺りの音が支持されてきているのは正直大きいです。

Chicaneの一連の素晴らしい曲の数々が世代を超えて感動を与え、この先30年、50年と受け継がれていくことを心から願っています。

2026年頃に"Thirty"というコンピレーションアルバムがリリースされることにも期待を込めて!


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