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聴くたびに夏が恋しくなる。Chicaneの名曲Autumn Tacticsを振り返る [Trance Classic Archives 06]


本日はTrance Classicの中から秋にまつわる名曲でもあり、夏の太陽が恋しくなるChicaneによる最高の1曲をお届けします。Chicaneは本記事の第二弾で"Offshore"も以前に取り上げましたので、気になる方はそちらも併せて是非チェックしてみてください。

Chicane - Autumn Tactics

"Autumn Tactics"はUKの名門Xtravaganzaから2000年に発表されたChicaneの2ndアルバムでBalearic系の歴史的名盤"Behind The Sun"に収録された1曲です。

2000年はトランス人気の絶頂期にもあたり、このアルバムは当時のイギリスだけで10万枚以上のセールスを記録。レコードであれば3000~5000枚、CDであれば1万枚以上が売れたら大ヒットと言われていた当時のダンスミュージックシーンにおいてもこの数字はかなり凄いですね。

本作はアルバムの流れで聴くと中盤に入っており、哀愁溢れる特徴的なイントロとチルアウトなサウンド、切ない歌物に心打たれた人も多いのではないでしょうか?

ボーカルには後にAbove & BeyondとのユニットOceanlabやArmin Van Buurenの名曲"Burned With Desire"のシンガーとして高い人気を得るJustin Suissaを起用。彼女の初期作でもあり、その歌声は"Autumn Tactics"の雰囲気に見事にマッチしています。秋から冬にかけて季節が移り変わりゆく中で夏の太陽の訪れを願っているような歌詞も印象的なナンバーですね。

"Autumn Tactics"は後にシングルカットやChicaneの記念盤でいくつかのRemixが制作されましたので、ここからはそれらをチェックしていきましょう。


Autumn Tactics (Chicane's End Of The Summer Remix)

Chicane自身による別バージョンはアップテンポでClub Mixともいえる内容。End Of The Summerというタイトル通りイントロの明るさは夏の終わりを告げる陽射しのような雰囲気でこの季節にピッタリですね。

こちらのMixはOfficialのPVもあります。Justin Suissaが若い!


Autumn Tactics (The Thrillseekers Remix)

TranceバージョンのRemixは"Synaethsesia"が大ヒットした直後のThe Thrillseekersが担当。原曲の良さを活かしたThrillseekersらしい美しいEuro Tranceとなっています。

Thrillseekersはこの曲以外にも"Saltwater"や"Poppiholla"のRemixを手掛け、"Halcyon"のカバーも制作していました。Chicaneファンの間ではRemixerといえばThrillseekersみたいな印象が強いですよね。


Autumn Tactics (Jody Wisternoff Remix)

2020年に"Behind The Sun"の20周年盤として発表されたMixの中で、Way Out WestのJody Wisternoffが参加して実現した夢のようなRemix。

曲の構成も原曲と殆ど同じで、アップテンポなバージョンが多いこの曲のRemixにおいてオリジナルに最も近いフィーリングを持っていると言えるでしょう。

ところどころ当時のWay Out Westらしさもあったりと同じ時代の象徴であったJodyの遊び心やリスペクトが感じられる素晴らしいRemixですね。Jodyは以前に"Saltwater"のRemixも手掛けていましたね。


Autumn Tactics (Bryan Kearney & Mike Nichol Rework) 

2010年代にBryan Kearneyが自身のDJ用に制作したRemixでThrillseekers Remixをベースに再構築されたKearneyらしいアップリフティングなトランスRemixとなっています。

2021年現在ではこのRemixは正規リリースはされていませんが、Armadaなどが権利を所持している楽曲から過去作のアンリリースドをいきなりリリースしたりすることが時々あるので、もしかしたら?という期待は持ち続けたいですね。

Alexis Mayer - Autumn Tactics (Highpass Club Remix)

こちらはイタリアのレーベルから2019年に発表された"Autumn Tactics"のカバーですね。

トロピカル系の需要を見越して作られたのか原曲とは全く違ったElectro Popのような解釈でカルト的な面白さはあると思うのですが、許諾などは心配になる内容ですね。


Autumn Tacticsのプレイリスト


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