Blixky Da Blixky -22Gz-

意図していた訳じゃないんですが、ここのところWoo関係のラッパーにばかり焦点を当てていた気がするので、今回はChoの…と言うより、Brooklyn Drillのパイオニアである22Gzについてまとめたいと思います。

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本名Jeffrey Alexander。97年生まれの22歳でFlatbush出身。彼のラッパー名は、両親がNew OrleansのLane Avenue「二丁目」に住んでいた事から来ているそうです(二人の二丁目出身者から生まれたから「22」と言う事だと思われます)。Gzは彼の所属ギャングであるBlixkyを意味しているんだとか。読み方はツーツージーズ。

幼少の頃はバスケに夢中だった22Gz。しかし程なくしてバスケの道を諦め、ギャングの世界へと足を踏み入れます。それとほぼ同時にラッパーの道を志す事に。そして2016年、デビューシングル "Blicky" をリリース。

幼少時代とストリートの生活をラップしたドープな内容だったものの思うようなリアクションを得られずもがいていた22Gzでしたが、その後リリースされた "Suburban" が空前の大ヒットを記録。文字通り彼の代表曲となりました。

この曲でラップされている過激なリリック(真っ黒のSuburbanで駆けつけぶっ殺す/ もし死んでいなければ舞い戻ってまた殺す)とダークなサウンドの組み合わせが、後のBrooklyn Drillの雛形に。彼がBrooklyn DrillのGod Fatherである由縁です。

トラックを手掛けたのはBrooklyn Drillサウンドの顔であるAXL Beats。しかし22Gz曰く、この曲はAXLに依頼して送られてきたトラックでは無く、Youtubeで見つけたタイプビートを無許可で使用しただけとの事。しかしSuburbanの大ヒットを受け、AXLと22はビジネスパートナーとして縁を深めていきます。

「Bro、リアルなビートを送ってくれって頼むんだよ。そうするとスゲェのが来るんだ」

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ブレイクを果たした22Gzはその後、"UP NEXT" 、"Vamanos" 、"We On"を立て続けにヒットさせていきます。

2018年にはKodak Black擁するSniper Gangと契約。

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そして2019年、Sniper Gangの親会社であるAtlantic Recordsから1st EP「Blixky The Tape」をリリースしました。

このEPから"Sniper Gang Freestyle" と "Spin the Block" がヒット。

順調にキャリアを築いていく22Gz。しかしそれは第三者からの批判の的になる事も意味します。

 Sheff Gの代表曲 "No Suburban" は "Suburban" へのアンサーソングとしてあまりに有名であり、ここからWooとChoの対立構図が音楽面でも明確になりました。

故Pop Smokeも、22Gzへのディスを発表。

Woo側からのディスに対して22Gzは、「ブルックリンドリルの有名なアーティストの曲を聴いていれば、彼等のヒットソングは全て俺へのディスだ。彼等は有名になるためにディスしてくるからな」と答えています。

22Gzは一連のビーフに対して相手側の名前を挙げる事はしませんでした。彼はそういう輩とはある程度距離をとるようにしていると言います。「俺は奴等を知らない。以上だ。ただ奴等は俺にビーフをけしかけてくるだけ。俺はそんなやつらに時間をかけるほど暇じゃない」

Popの死後、彼はTwitter内で「すべてのビーフは置いておいて、とても残念だ。こういう事に巻き込まれないように俺は誰とどこに向かうのかを気を付けている」とツイート。飽くまでビーフには参戦していない、今後も参戦するつもりはない事を改めて強調していました。


他者では無く自分の事に時間をかけてきた22Gzが2020年4月、ProducerのGhostyとタッグを組み、満を持して1st Mixtape「Growth&Development」をリリースしました。

ストレートなリリックとアドリブの応酬、カリスマ的なアプローチで構成された本作は、リリースされるや否や各方面から絶大な評価を受ける事に。特にHypebeastのTorsten IngvaldsenはこのMixtapeを大絶賛。

また、このMixtapeに収録されている "Suburban pt.2" は、22Gz自身にとって最大のヒットチューンとなりました。

Brooklyn Drillのパイオニアとして揺るぎない地位と名声を手に入れた22Gz。今後の展望について彼は、二つの事に精を出していると答えています。

一つは、「Growth & Development」のような大作をフルアルバムで出す事。

もう一つは、5年以内にレコード協会から表彰され、ビルボードチャートへ食い込み、ツアーをする事。

フルアルバムにはロックのサウンドも取り入れ、Drake、Migos、50 Cent、Dababy、Li Baby等を招く予定だとか。実現すれば確実に話題をかっさらい、「Growth & Development」を超える大きな実績を積む事になるでしょう。


飽くなき挑戦を続ける22Gz。ギャングスタなイメージとは裏腹に、常に音楽に真摯に向き合うその姿は、2 PacやBiggie等のレジェンド達を彷彿させます。今後の彼の動向にますます目が離せません。


DJ MoB

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Brooklyn Drill Mixtape -Mixky The Moo- on Mixcloud


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