あお向け瞑想でリラックス 2022・11・1

仰臥禅(ぎょうがぜん)、というのをご存じでしょうか。仰向けに寝転んで瞑想する行法だそうです。座禅が座って行うのに対して仰向けになるから仰臥禅ということなのでしょうね。
 
江戸時代の僧侶、白隠禅師が激しい修行で「禅病」を患った時に山中に住む「白幽」という仙人から教わった養生の秘法を基にした行法なのだそうです。
 
「禅病」というのは頭がのぼせ、四肢が氷のように冷え、心が疲れて夜も眠れずついには幻覚を見るようになる状態を言います。修行のし過ぎで自律神経が失調した状態です。
 
仰臥禅のやり方は、というと仰向けに寝転んで心の中のもやもやを手放し(放下着:ほうげちゃく)、腹式呼吸をして(数息観:すそくかん)、瞑想を行う(内観)という順番で行います。どこか頭蓋仙骨療法に似ていますよね。頭蓋仙骨療法を受けているときの感覚が瞑想時のそれと似ている、という話はたくさんのクライアントから伺っています。
 
それで白隠禅師の健康法についていろいろ調べてみると、「軟酥(なんそ)の法」というのを見つけました。酥というのはバターのことです。イメージ療法のひとつなのですが、まず座っている自分の頭の上に卵くらいの大きさのバターがのっている、とイメージします。
 
綺麗な色で良い香りのするそのバターが溶けて、頭の中を潤しながら下のほうへだんだん浸みわたってきて両方の肩、両腕から両手、乳房、胸、内臓、背骨、尾骨まで潤すところをイメージします。さらに溶けたバターは両下肢を潤し、土踏まずのところで止まる、とイメージします。
 
溶けたバターがじわじわと頭から上半身、下半身を潤して心身の不調を改善していくというのは、自分がホットケーキになったような気分じゃなかろうか、と思うのですがよく考えてみると、
 
これは頭蓋仙骨療法の作用機序のモデル、「脳で産出されて全身を循環する脳脊髄液」と大変よく似ています。
 
頭蓋仙骨療法も脳脊髄液の循環も、医学的にはかなり先端の発想なのですが江戸時代にすでにリラクゼーションの手法として同じ原理の健康法が行われていたことは驚きです。
 
 

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