第26回柔道整復師国家試験 柔理7


2018J084 "中手骨頚部骨折の整復で正しいのはどれか。
1.整復時、手関節は軽度屈曲位とする。
2.側副靱帯を弛緩させて行う。
3.MP関節伸展位で末梢牽引を行う。
4.遠位骨片を掌側から背側に直圧する。"

この問題のキモは「MP関節の側副靭帯は「伸展位で緩み、屈曲位で緊張する」ていうことやねん。側副靭帯が緩んだ状態でいくら末梢牽引をかけても骨折部には牽引力は届けへん。そやからまずMP関節を屈曲させて側副靭帯を緊張させてから末梢方向に牽引、それから掌側に屈曲した遠位骨片を背側に直圧して整復するねん。

あ、それからな。つまるところ2.の選択肢と3.の選択肢は言ってることがおんなじやろ?「4択の中でおんなじことを言ってる選択肢が二つあればどちらも間違い」いうのもちょっとしたテクニックやから一緒に覚えとこか。

答え:4.

2018J085 "指骨骨折で捻転転位を伴いやすいのはどれか。
1.末節骨横骨折
2.中節骨骨幹部骨折
3.基節骨頚部骨折
4.基節骨基部骨折"

中手骨、指骨も長管骨なんやから当然捻転転位は骨幹部で起きやすい。そやから正解は2.。捻転転位が残存して指を屈曲したときに重なるのがオーバーラッピングフィンガー。捻転転位の残存、やから自家矯正はされへんで。ちなみに骨折の整復後、オーバーラッピングの有無を確認するのは指を屈曲させて爪先が全部舟状骨結節を向くかどうかをみてやる。

2018J086 "棘果長の延長がみられるのはどれか。
1.デュベルニー(Duverney)骨折
2.マルゲーニュ(Malgaigne)骨折
3.セゴン(Segond)骨折
4.ポット(Pott)骨折"

棘果長は城前腸骨「棘」と腓骨外「果」の間の距離。デュベルニー骨折は腸骨翼の単独骨折(裂離骨折以外の骨盤骨単独骨折はみんな直達外力で発生する)で、骨片は内・外腹斜筋と腰方形筋との働きで外上方転位。転位する骨片に上前腸骨棘がくっついてるから外果との距離が広がる。

2018J087 "果部骨折におけるラウゲ・ハンセン分類で、前脛腓靱帯の断裂とともに、外果の斜骨折がみられるのはどれか。
1.回外・内転骨折
2.回外・外旋骨折
3.回内・外旋骨折
4.回内・外転骨折"

外果の斜骨折(腓骨遠位骨幹部の螺旋骨折、と言ってほしいところやけどな)があるということは1.と2.の「回外」はありえへん。足関節が回外して外果骨折が起きるんやったら裂離骨折のはずやからな。

回内位から足関節がさらに外転強制されても前脛腓靭帯の断裂はおきひんやろう。回内位で三角靭帯が断裂、そのまま外旋力が働いて腓骨を脛骨から引き離し(脛腓骨間離開)、さらに外旋力が働いて腓骨骨折が発生するんやからな。いうことで問題の条件を満たすのは3.ゆうことになるな。

2018J088 "下腿三頭筋の急激な収縮で発生する踵骨骨折はどれか。
1.水平骨折
2.載距突起骨折
3.踵骨体部骨折
4.踵骨隆起骨折"

アキレス腱の収縮、とあっても同じ。1.の水平骨折と裂離骨折、鴨嘴状骨折はおんなじ意味で出題されている。

答え:1.

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