第27回柔道整復師国家試験 柔理Part8

27-87 手のPIP関節脱臼で正しいのはどれか。
1.掌側脱臼が多い。            

2.浅指屈筋腱断裂ではDIP関節を屈曲できない。

3.正中策の損傷の場合は屈曲位で固定する。 

4.ボタン穴変形は徐々に発生する。

1.指の脱臼は基本的に背側脱臼が多い。ただし母指のIP関節は脱臼しない。

2.深指屈筋腱とちゃうか?

3.PIP関節脱臼では正中策が断裂することがある。もし屈曲位で固定すると基節骨の骨頭がそこから顔を出しよるねん。そのままにしとくとボタン穴変形に移行しよる。そやから固定は伸展位。

4.ボタン穴変形ゆうのは正中策が断裂して基節骨頭が側索の間から背側に出てきた状態。PIP関節屈曲位、DIP関節は過伸展位。

ちなみにスワンネック変形はその逆でPIP関節過伸展位、DIP関節屈曲位。外傷性に発生する原因はマレットフィンガーの放置例からの移行か、PIP関節掌側板の断裂やな。

27-88 股関節脱臼を腹臥位で整復するのはどれか。

1.牽引法 

2.デパルマ法 

3.コッヘル法 

4.スティムソン法

答え:4.

股関節後方脱臼はダッシュボード損傷で股関節が屈曲・内転・内旋位を矯正されたときに発生する。脱臼肢位は股関節屈曲・内転・内旋位。

27-89 膝関節脱臼で正しいのはどれか。
1.前方脱臼は過度の屈曲が強制され発生する。 

2.後方脱臼はダッシュボード損傷で発生することが多い。

3.外側脱臼は下腿が内旋する。        

4.内側脱臼は完全脱臼となる。

膝関節脱臼と膝蓋骨脱臼はちゃんと区別できてるな?今聞かれてるのは膝関節脱臼。一番多い前方脱臼は膝の過伸展が強制されて発生しよる。(ただし脱臼肢位は膝関節伸展位)

後方脱臼は直達外力で発生する。大腿骨遠位端に対して脛骨近位端が後方に逸脱するわけやから脛骨近位端に前方から外力が加わるダッシュボード損傷で発生するのは○やな。ダッシュボード損傷で発生する傷病は、と言えば膝蓋骨骨折、後十字靭帯損傷、股関節後方脱臼と膝関節後方脱臼。

側方脱臼は不全脱臼が多い。前方脱臼は完全脱臼が多い、というフレーズと一緒に覚えておこう。外側脱臼では下腿は外旋、内側脱臼では下腿は内旋する。

答え:2.

27-90 膝蓋骨脱臼で正しいのはどれか。
1.膝蓋骨は内方へ脱臼することが多い。 

2.Q角は減少する。

3.膝は軽度屈曲位に弾発性固定される。 

4.膝関節90度屈曲位で固定する。

膝蓋骨脱臼は普通外方脱臼。星状の膝蓋骨に純外傷性に発生することはまれで、外反膝(=Q角の増大、FTAの減少)、大腿骨頸部の過度前捻、膝蓋骨高位、大腿骨外顆の低形成、内側広筋の脆弱化、全身性の関節弛緩なんかの先天性の要因がある子に起こりやすい。それで、こういう要因は女子に多いねん。そういう女子が本格的にスポーツを開始する10代前半に初回脱臼が発生する確率が高いねん。「膝蓋骨脱臼は10代女子に多い」ていうのはそういう理由やねん。

膝蓋骨脱臼の患肢は伸展不能、逆に伸展すると膝蓋骨脱臼は整復されてしまう。こういう状態を「弾発性固定」と言っていいものかはなはだ疑問ではあるが,膝蓋骨脱臼の脱臼肢位と言われれば軽度屈曲位、となるわな。

これ注目な。膝蓋骨脱臼、骨折ともにかつての固定肢位は「膝関節伸展位」やってんわ。ところが近年は「軽度屈曲位」で固定することになっている。

昔の過去問とかする時は注意してな。

27-92 神経根型の頸部捻挫で正しいのはどれか。
1.胸鎖乳突筋の筋力低下 

2.上肢の感覚障害 

3.肩関節の拘縮 

4.下肢深部反射の減弱

(神経)根症状ゆうのは簡単に言えば「手とか足のしびれ」のことやねん。そやから答えは2.な。ジャクソンテストとかスパーリングテストが陽性になるもの、と考えたらええねん。




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