しゃっくりが止まらなくて難儀したことありますか2025・4・1

ちょっとした症状に効くおまじない、というのは古典落語やら近代文学やらによく出てきます。
 
魚の骨がのどに刺さったときに、象牙の撥(ばち:三味線を弾くときのギターのピックに相当するもの)で撫でると取れる、なんてのはちょっと粋だったりします。
 
おまじないと言いながら、本当に効くものもたくさんあって例えばこめかみに何かを貼る、というのは割とポピュラーです。頭痛の時に梅干の種を抜いたものをこめかみに貼るというのはご存知かと思います。こめかみは頭蓋骨の中心にあたる蝶形骨ですからちょっと刺激を与えることで効果が期待できるのでしょう。
 
「サザエさん」に出てくる高齢女性がこめかみに小さく切った膏薬を貼っているのも同じ流れでしょうか。確か新見南吉(ごんぎつねの作者)の童話に足のしびれが切れたときにこめかみにわらしべを切って貼る、とあったのを記憶します。自律神経の大元である蝶形骨を刺激することがいろんな症状に有効であることを古人は経験的に知っていたのでしょう。
 
ものもらいができたときは手の親指の爪に×印に傷をつけるといいそうです。これは鍼灸の書籍に載っていました。
 
「吃逆(きつぎゃく)」というのは何のことかご存知でしょうか。しゃっくりのことを医学的にはこう呼びます。しゃっくりの止め方はそれこそおまじないの宝庫みたいなもんで、茶碗に水を張ってお箸を上に置き、その水を一息に飲むと治るとか、しばらく息を止めておくとかいきなり驚かせると治るとか、ひとつやふたつはご存知のものがあると思います。
 
それだけしゃっくりはありきたりだけれどしんどいものなのでしょう。
 
一番効くおまじないはね、「耳に指を入れる」です。これは本当に効きます。私はよくしゃっくりを起こすのですが自分で耳孔に指を入れるとすぐに止まります。
 
しゃっくりは横隔膜が痙攣して起きます。しゃっくりが起きるメカニズムはよくわからん、のだそうですが自律神経のひとつ迷走神経が関与していることは間違いありません。耳孔を刺激することで迷走神経の興奮が治まるようです。頭蓋骨調整でも耳の辺り(側頭骨)を調整すると皆さんリラックスされるのと同じ理屈です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?