第27回柔道整復師国家試験 柔理Part4


27-67 骨挫傷が証明される画像はどれか。
1.超音波 

2.単純エックス線 

3.CT 

4.MRI

なんかややこしい聞き方やけど、ようは画像診断で骨挫傷を描出できるのはどれか、ていうことな。答えは1.のMRI。骨挫傷ていうのは海綿骨の微細な骨折、で不全骨折に分類される。

27-68 関節包内骨折はどれか。
1.上腕骨外科頚骨折 

2.上腕骨顆上骨折 

3.大腿骨頸部内側骨折 

4.大腿骨大転子単独骨折

1.は上腕骨近位端の結節下骨折に分類される。結節上、結節下に分ける理由は関節包内で発生する結節上骨折では骨膜性仮骨が期待できひんから骨癒合が悪い。そやから解剖頚骨折は関節包内骨折、外科頚骨折は関節包外骨折ということになる。

2.肘周りの骨折では上腕骨顆上骨折と内側上顆骨折は関節包外骨折。上腕骨外果骨折は関節包内骨折になる。

3.大腿骨頸部骨折の分類がややこしければ内側、外側は「うちがわ」「そとがわ」骨折と読むようにすると覚えやすい。大腿骨頸部内側骨折は「うちがわ」骨折。何の「うちがわ」かというと関節包の内側で骨折するねん。そやから大腿骨頸部内側骨折は関節包内骨折。

ちなみに「内転型」「外転型」というのは内反股になるか外反股になるかで、外転型骨折は骨折部に圧迫力が働きやすく噛合しやすいので噛合骨折と同じ意味で使われることもある。

4.大転子単独骨折は中・小殿筋によって発生する裂離骨折。股関節の外転が障害される。

「関節内骨折」という文言も「関節包内骨折」とほぼ同じ意味合いで考えてよい。ただ関節内骨折の場合は骨癒合が悪いという意味合いのほかに「変形癒合して外傷性関節症に移行する」ニュアンスがあるかもしれない。

27-69 握雪音を生じるのはどれか。
1.仮骨の軟化 

2.外傷性皮下気腫 

3.偽関節 

4.外傷性骨化性筋炎

握雪音は外傷性皮下気腫の際に聴取できる。肋骨骨折で予後不良の所見を聞かれたら外傷性皮下気腫の握雪音(捻髪音ともいう)かフレイルチェストの奇異呼吸。

27-70 施術録で正しいのはどれか。
1.患者本人以外に対する説明は記載しない。 

2.訂正する場合は修正液を用いる。

3.業務範囲外で転医した場合は記載しない。 

4.施術完結の日から5年間保存する。

柔道整復師法には施術録の記載義務も保存義務も定められていないからこの問題は国家試験としては本当は不適切やとオレは思うねん。

1.患者が子供だったり認知力が低下していたりすれば当然付き添いの人に説明することになる。それを施術録に記載しないほうがおかしいやんか。

2.訂正する場合は削除する文言の上に線を引いて消し、訂正印を押す。削除した文言を後から確認できるようにしておく。

3.転医した場合も当然施術録の記載は必要で、来院時の主訴やら所見やらのほかに転医に至った経緯についても記載が必要となる。ちなみに柔道整復学やら関係法規の教科書に出てくる「(柔道整復師の)業務範囲」という文言の使い方はむちゃくちゃで意味をなさない。これについては資格を取ってからでもあっちこっちで俺の書いたものを読んでみてや。

4.先述のように柔道整復師法には施術録に関する項目がない。だからオレが生徒であったなら「正解なんかあれへんやんか」と騒ぐところである。ただし、である。療養費(健康保険のことな)の支給申請を行うときは施術録を記載して施術完結の日から5年間保存する、というルールが存在する。だからこういった問題が出題されたら「保存期間は5年」という選択肢に〇をつけておいたらええよ。

27-71 骨折の固定で正しいのはどれか。
1.骨折部の安静を目的とする。    

2.解剖学的正位を原則とする。

3.範囲は患部より遠位2関節とする。 

4.期間はリモデリング期終了までとする。

答え:1.

1.〇 整復位を保持し再転位を防ぐようにする。

2.機能的肢位、良肢位を原則とする。

3.固定範囲は患部を中心とした上下各一関節。

4.固定期間は各々の損傷の程度、年齢、健康状態によって異なる、と教科書にある。強いて言えば骨癒合するまで、でしょうかね。


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