第27回柔道整復師国家試験 柔理10


27-99 有痛性三角骨障害で正しいのはどれか。
1.足部の過剰骨で最も頻度が高い。 

2.足関節最大背屈で疼痛を訴える。

3.足関節後内側の疼痛がみられる。 

4.足関節捻挫を契機に発症する。

外形骨、わかる?いちいち覚えるのが面倒やったら「距骨後突起骨折」と鑑別が必要なのを覚えといてちょうだいね。

1.足部の過剰骨で最も多いのは外脛骨。

2.距骨後突起骨折は足の過度底屈時に脛骨遠位端後縁部と後突起とが衝突して発生する。そやから有痛性三角骨障害もおんなじように底屈時に疼痛を訴える。

3.正しくは後外側。背屈→底屈とか、外側→内側とか反対の言葉を作りやすい単語はニセモノの選択肢を作りやすい。ちょっと覚えといて。

4.足の捻挫は「底屈」・内反が強制されて発生することが多いから、て考えたらええねん。

答え:4.

27-100 足根管症候群で正しいのはどれか。
1.足根管は内果後壁と伸筋支帯で形成される。 

2.腓骨神経枝の絞扼性神経障害である。

3.足背部の感覚異常が主症状である。     

4.過度回内足は足根管内腔を狭める。

1.伸筋支帯→屈筋支帯

2.腓骨神経→脛骨神経

3.足背部→足底部

4.〇


27-102 70歳の女性。石につまづき、手関節を軽度背屈位、過度回内位で手を衝いた。手関節の近位2cm付近に限局性圧痛がみられ腫脹著明で、同部位の幅も著しく増大していた。整復後の固定肢位はどれか。
1.前腕回内位、手関節軽度掌屈位、経度尺屈位 

2.前腕回内位、手関節軽度背屈位、軽度撓屈位

3.前腕回外位、手関節軽度掌屈位、軽度撓屈位 

4.前腕回外位、手関節軽度背屈位、軽度尺屈位

受験生が大好きな臨床実地問題な。解き方のルールみたいのがあるから覚えといてな。まず、傷病名を決めること。本文を読むときは「傷病名は何かな?」ということを常に考えながら読んでいく。確定診断?がつかなくても大丈夫。わかるところまでで十分やからな。

まず、高齢女性が手をついて転倒。手関節の近位2cmに限局性圧痛、腫脹があって、それから変形もあるわけやん。整復という文字も本文中にあるし、これは橈骨遠位端骨折やな、と考える。

「おお、コーレス骨折か」と喜ぶのは早い。受傷機転を見てみ、手を過度回内してるやん。そうしたら遠位骨片は回内転位してるはずやんな。それを整復するんやったら当然固定肢位は「回外」位になる。

それから「橈屈」、「尺屈」やねんけど、橈骨遠位端部骨折はコーレスもスミスも遠位骨片は腕橈骨筋に引かれて橈側転位する。そやから固定肢位は尺屈位でないとあかんねん。

今考えた二つの条件を満たす選択肢は

4.となる。

え、言うことはこれ、スミス骨折かいな?と思った受験生は教科書をもう一遍チェックな。手背を衝いて転倒したときだけやのうて、「手関節背屈、回内位で手をついて前腕に強く回外力が加わった際にはスミス骨折となりやすい。」と教科書にも載ってる。


27-103 31歳の男性。空手の稽古中、試し割で板を拳で突いた際に受傷した。第2MP関節付近に強い疼痛と腫脹を認め、拳を握ると疼痛が増強する。(単純エックス線写真を別に示す。:示してません、ゴメン)この疾患で適切でないのはどれか。
1.転位には骨間筋と虫様筋が作用する。   

2.側副靭帯を弛緩させると整復が容易になる。

3.屈曲変形が残存すると伸展障害を起こす。 

4.オーバーラッピングフィンガーに注意する。

まずは傷病名の決定。受傷機転と部位、それから選択肢に転位とか整復とか変形とかあるから「ボクサー骨折=中手骨頸部骨折」と考えるね。

1.は覚えとくと便利。骨間筋と虫様筋のコンビはボクサー骨折のほかに、中手骨骨幹部骨折と基節骨骨幹部骨折の転位にも関与するねん。

3.の選択肢に心が動いた子はいてるかな?教科書にも載ってへんし、今まで出題されたこともないセンテンスやん。こういう「初めて見る文言が正解に見えてしまう症候群」の受験生、ごっつ多いから注意な。

2.の選択肢、言ってることはわかるかな?ボクサー骨折を整復するときって、まずMP関節を屈曲させてから牽引したやんか。あれはなんでかていうと、「MP関節の側副靭帯は伸展位で緩み、屈曲位で緊張するから」やねん。伸展位で牽引をかけても緩んだ側副靭帯を引っぱるだけでけん引力は骨折部に届かへん。そやからMP関節を屈曲させて側副靭帯を緊張させておいて、それから牽引をかける。いうことでこれが間違いの選択肢。

ついでに言えばMP関節を伸展位で固定すると側副靭帯がその位置で拘縮してしまい屈曲ができなくなってしまう。これ、結構重大な後遺障害になる。そやから、指周りの問題で「MP関節は伸展位で固定する」ていう文言は×。

27-104 15歳の男子。陸上100メートル走でスタートと同時に左股関節に疼痛が生じた。(単純エックス線写真を別に示す。:示してない)膝屈曲位で制限される股関節運動はどれか。
1.屈曲・外転・外旋 

2.屈曲・内転・内旋 

3.伸展・外転・外旋 

4.伸展・内転・内旋

傷病名はワカリマスカ?陸上100メートルのスタート時に股関節部に疼痛が発生したのだから上前腸骨棘単独(又は裂離)骨折。

骨片は縫工筋と大腿筋膜張筋によって外下方転位。膝を曲げながらの股関節屈曲。外転。外旋運動が制限される。





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