第26回柔道整復師国家試験 柔理4


2018J068 "反復性脱臼の原因となるのはどれか。
1.骨軟骨の発育障害

2.関節の弛緩

3.自身の筋力

4.腱付着部の裂離骨折"

脱臼を繰り返すものには「反復性脱臼」と「習慣性脱臼」の2種類あるのは覚えてる?前者は「外傷性脱臼の後、脱臼を繰り返すもの」なので外傷の名残のある4.を選ぶ。

2018J069 "脱臼を疑わせる所見で誤っているのはどれか。
1.弾発性抵抗を認める。

2.関節軸が変化する。

3.関節血腫が著明である。

4.関節窩部に陥凹を触知する。"

こういう問題は「脱臼の固有症候」とそうでないもの、一般外傷症状とか場合によっては骨折の固有症状を区別すれば解ける。この場合であれば3.の関節血腫は一般外傷症状なのでこれが答えやねん。

2018J070 "リスフラン関節脱臼で正しいのはどれか。
1.背側脱臼は足背アーチが低下する。

2.底側脱臼は足底部に足根骨前部が突出する。

3.内側脱臼は足内縁に内側楔状骨が突出する。

4.外側脱臼は足外側縁に第5中足骨基部が突出する。"

1.背側脱臼は足のアーチが高くなり前足部が短縮して見える。(前足部が短縮して見えるものもうひとつ、と言えば距腿関節後方脱臼)

2.底側脱臼ということは中足骨が足根骨の下に脱転するわけで、足底部に突出するのは中足骨基底部、又は後部ということになる。

3.と4.内側脱臼は中足骨が親指側に脱転するねんから足の内縁に突出するのは第Ⅰ中足骨基底部。ちなみに外縁部は陥凹して立方骨を触れる。

外側脱臼は中足骨が小指側に脱転するから足の外側縁に第5中足骨基底部を触れ、内縁部に第1楔状骨を触れる。

総論で多発脱臼、と聞かれたらたぶんリスフラン関節脱臼が正解。なんせⅤ品の中足骨がいっぺんに脱臼するねんからな。

2018J071 "筋腱と骨摩擦部の組合せで正しいのはどれか。
1.棘上筋腱・・・・・・小結節部

2.上腕二頭筋腱・・・・関節下結節部

3.長母指伸筋腱・・・・リスター結節部

4.長母指外転筋腱・・・尺骨茎状突起部"

1.棘上筋腱が摩擦を起こす相手は肩峰下とか烏口肩峰靭帯。

2.は結節間溝部な。

3.はどんな時に発生するかわかる?コーレス骨折を整復固定したときに整復が不十分やと長母指伸筋腱とリスター結節が摩擦を起こして断裂する。そやからこれはコーレス骨折の併発症じゃなくて続発症。母指の伸展ができなくなるほかにスナッフボックスの輪郭が不明瞭になるねんで。

4.長母指外転筋腱と短母指伸筋腱が摩擦を起こす相手は橈骨茎状突起。その結果この辺に痛みが出るのがドケルバン病とか狭窄腱鞘炎ていうやつ。

2018J072 "足関節底屈強制で症状が誘発されるのはどれか。
1.第1ケーラー(Kohler)病

2.有痛性三角骨

3.アキレス腱断裂

4.足底腱膜炎"

2.の有痛性三角骨は距骨後突起骨折と鑑別が必要。後突起骨折は足の底屈強制で脛骨建設面口縁部と衝突して発生するのでそれに引っ掛けて覚えておいたらいいよ。

1.は足舟状骨の骨端症(無腐性壊死)、男児に好発して外脛骨と鑑別が必要。第2ケーラー病は第2中足骨の骨端症、別名フライバーグ病。10代女子に好発して疲労骨折と鑑別が必要。どっちがどっちかわからなくなったときは第2繋がりで(第2ケーラー、第2中足骨)思い出せるで。


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