DJM-A9 & DJM-900nxs2 比較

はじめに

先日Pioneer DJより「DJM-A9」(以下A9) というフラッグシップのDJミキサーが発表されました
そこでPioneer DJ公式サイトに情報が載っていたのでそちらを基に情報をまとめました
またこちらは「DJM-900nxs2」(以下900nxs2) の後継機の位置づけと思われるのでそちらとの比較もしていこうと思います

※こちらはまだ発売前情報なので情報が変更になる場合もございます
※使用感や音質は発売前なのでわかりません


基本情報とデザイン


左A9                                                                         右900nxs2
背面

サイズはデザインからも見て取れるようにA9の方が大きくなっており重量も少し重くなっております
上部のデザインは追加機能に関してのレイアウトの違いはありますが基本的な配置等はそこまでの変化はありません
背面に関しては接続系統の変更はないもののレイアウトに関しては変更が多々あります
一番の違いは下記でも説明しますが「BLUETOOTH / Wi-Fi」が搭載されたことによるアンテナの付属です
ここの部分は海外動画からも故障の一番の原因になるのではないかとの懸念が囁かれていますがこれは取り外しが可能になっているようなので機能を使用しない際には取り外して使用するのが安全かもしれません

価格は900nxs2より5万円ほど高くなっており決して安いとは言えませんがそれだけの価格差を秘めているのかを下記で新機能も交え比較していきたいと思います



DJM-A9の新機能

①CENTER LOCK KNOBを搭載したSOUND COLOR FX

CENTER LOCK

ノブを回した際にセンター位置でロックされる機能で、誤操作をすることなくHIとLOWのパラメータをダイナミックにコントロールできるようです
またこの機能はON / OFFが出来るのでOFFにすればセンター位置でロックされることなく従来のDJM-900NXS2と同じように操作することもできます。


②マイクセクション

・DJミキサーとしては初のファンタム電源を搭載したことにより、コンデンサーマイクを本機に直接接続することができます

MIC PHANTOM

・3種類のマイクエフェクトに加え、独立したREVERBも搭載しました。幅広い音声加工により、さまざまな用途の多彩なマイクパフォーマンスに対応します
ECHO  ・PITCHMEGAPHONE

MIC FX

・新たに搭載されたPUSH TO TALK機能を使えば、ボタンを押している間のみマイク入力がオンになるので、DJ中でも容易にマイク音声のオン/オフ操作が行えます
普通はMICのON / OFFとして使用します

PUSH TO TALK

また、DJプレイの環境に合わせてマイクの音声ルーティングの切り替えが可能になったので、ストリーミング配信中はマイク音声を使用してもDJミックスの録音にはマイク音声を含めないという選択も可能です。

③完全独立した2系統のヘッドホンセクションとBOOTH EQ

HEADPHONES A to B
A9 HEADPHONES B 端子

・本機のヘッドホンセクションには、2系統ずつヘッドホンCUEボタン、音量ノブ、MIXバランスノブを設けました。これにより、2人のDJが交互に曲をかけるBack to Backスタイルでも快適にモニタリングすることができます。
HEADPHONES Aの接続端子は上部に付いてますがHEADPHONES Bの接続端子は前面部に付いています

BOOTH EQ

・BOOTHセクションには、高音域と低音域の2BAND BOOTH EQを搭載しています。フロアとDJブース内の音響バランスをより近づけるなどの調整により、快適なモニタリング環境を構築できます。

④音響エンジニア向けアプリケーション「Stagehand」への対応

・DJM-A9は、業界初の音響エンジニア向けPRO DJ LINK管理アプリケーション「Stagehand」に対応しています。本体にWi-Fiを搭載しているので、無線LANルーター(市販)との組み合わせにより、iPadとの無線接続が可能になります。DJが操作中のDJM-A9のレベルメーターや操作情報などを手元のiPadで把握し、精度の高い音響設定や迅速なトラブルシューティングがリモートで行えます。DJの演奏を高めるだけでなく、現場のスタッフや音響エンジニアの方に対してもDJシステムの価値向上を行うことで、今まで以上に安全で魅力的な音楽エンターテイメントを提供します。(近日中に公開予定です。)

Stagehandとは
PRO DJ LINKマネジメント iPadアプリケーション
ワイヤレスでPRO DJ LINKに接続されたDJM-A9とCDJ-3000を制御することで、より円滑にシステムセットアップを行ったり、イベント中のトラブルに対応したり、映像や照明をより効果的に活用した演出が可能になります。
現在はDJM-A9 / CDJ-3000のみ対応予定
※以下Stagehand説明はGoogleで翻訳したので文章間違いあったらすみません

1.デバイス制御 – ユーティリティ

Pioneer DJ公式より

ステムの指定された管理者ユーザーであれば、PRO DJ LINK ネットワーク内の DJM-A9 および CDJ-3000 ユニットのユーティリティ設定を、デバイス コントロール画面から簡単に確認および変更できます。 事前に複数の設定ファイルを作成し、必要に応じて複数の変更を一度に適用するオプションを提供し、AirDrop や電子メールを含むさまざまな方法でそれらを共有して、イベントの準備をスムーズにすることができます。

2.デバイスコントロール – サウンドチェック

Pioneer DJ公式より

CDJ-3000のリモートコントロールでサウンドチェックをスピードアップ。 ブースとダンスフロアを行き来する必要はありません。 Stagehand のサウンド チェックを使用してトラックをデッキにロードし、再生、停止、早送り、巻き戻しを行うだけです。 また、DJM-A9 から正弦波とノイズを制御して、部屋の音響に合わせてサウンド システムを正しく設定することもできます。 ギグが始まったら、ライブ モードをオンにしてデバイス コントロール機能を無効にします。これにより、DJ のセットの途中で誤って音楽を中断することがなくなります。

3.スターテス

Pioneer DJ公式より

DJ の肩越しに見たり、ブースに入る必要さえなく、多くの情報を監視できます。 ステータス画面では、ユーティリティ設定のステータスを含め、DJM-A9 で発生しているほとんどすべてをリモート ビューで確認できるため、トリム レベルやマスター レベルからの過剰な音量などの問題をすばやく特定できるため、効果的にトラブルシューティングを行うことができます。 CDJ-3000本体の演奏情報もこちらからご確認いただけます。

4.波形

Pioneer DJ公式より

iPad から多数のトラック情報をリモートで表示して、刺激的な照明シーケンスや視覚効果を作成できます。 波形画面では、CDJ-3000本体で再生中のトラックの波形だけでなく、ビートグリッド、BPM、時間情報をリアルタイムで表示できます。 DJ は自分の rekordbox アカウントで公開設定と非公開設定を選択して、ほとんどの音楽情報を共有でき、事前に行った設定は Stagehand に反映されます。



DJM-A9 / DJM-900nxs2との比較点

①3BAND EQ

Pioneer DJ公式より

こちらの比較画像でもお分かりかと思いますがA9の方が900nxs2に比べてつまみの感覚が広くなっています
これにより操作性が格段に上がると思われます
些細な点と思われるかもしれませんがこれは大きな違いです

②A/Dコンバーター

Pioneer DJ公式より

A/Dコンバーターとはアナログからデジタルへの変換でつまりは、録音のことを差すのですがこちらが900nxs2では「24bit」だったのに対しA9では「32bit」になっています
この2台のDJMシリーズはD/Aコンバーターつまり出力に関しては同じ32bitだったのですが入力がA9で32bit対応になったことにより音の劣化なく出力できるようになりました
今までは出力でアップサンプリングにより32bitに近づけていたのでこれは音質面で大きな変化といえるでしょう

③DJソフトウェア対応

rekordbox、Serato DJ Proを使用してDJプレイができます。
Serato DJ Proを使用する場合は別途ライセンスが必要になります

④デバイスとの接続

Pioneer DJ公式より

A9のトップパネルには、USB Type-BとType-C両方のUSB端子をそれぞれ二系統設けてあります
900nxs2では端子は二系統あったものの Type-Bのみだったのでこれは使いやすくなったのではないかと思います
またA9では「BLUETOOTH」に対応しているためお手持ちのiPhoneやスマートフォンをBLUETOOTH接続しての再生も可能です

⑤接続デバイス切り替え部分

左A9                                               右900nxs2

A9と900nxs2の違う点としてUSBBLUETOOTHの切り替えがある点です
USBに関してはA9ではUSBとRETURNが独立した形になります。
またBLUETOOTH接続もあるのでPCやモバイルデバイスを再生可能になります

⑥BEAT FX

左A9                         右900nxs2

DJM-A9 : Delay / Echo / Ping Pong / Spiral / Helix / Reverb / Flanger / Phaser / Filter / Triplet Filter / Trans / Roll / Triplet Roll / Mobius
DJM-900nxs2 : Delay / Echo / Filter / Flanger / Helix / Phaser / Ping Pong / Pitch / Slip Roll / Spiral / Reverb / Roll / Trans / Vinyl Brake

A9と900nxs2ではBEAT FXの個数こそ同じですが変更されてるエフェクトがあります
X-PADはなぞるエフェクトだけになり拍数の直感的なエフェクトは出来るものの選択拍数の幅が少なくなりました

CH SELECTがつまみによる切り替えではなくボタンになりました
これにより暗いクラブでのプレイでも光ってくれるので分かりやすくなります
またボタンになったことによりつまみだと4chプレイ等の時に他のchを介しますが介することなく他のchにFXをかけることが可能です
BEAT FXのかかり具合は下記動画で確認できます

⑦MULTI I/O

左A9                                                   右900nxs2

900nxs2でSEND / RETURNだった箇所が「MULTI I/O」として変更になりました
SEND / RETURNとしての機能は同じなのですが独立したチャンネルセレクター「SEND CH」を新たに搭載しました。これにより、接続した外部エフェクターではBEAT FXとは異なるチャンネルにエフェクトをかけることができます。
BEAT FXでは1CHにエフェクトをかけ外部エフェクターでは2CHにエフェクトをかけることが可能になるのでプレイの幅が広がると思います
INSERTでは従来通りBEAT FXの選択チャンネルにエフェクトをかけることができます

⑧UTILITY

UTILITY

A9は上記画像の丸印がついているボタンを長押しすることで「UTILITY」でミキサー内の様々な設定をいじることができます
900nxs2でもUTILITYはありましたが設定できる項目が多くなっています
例えばX-PADのLRの出力バランスやマイク音声のリミッター、ボタンの明るさ変更、サウンドチェックなど様々な設定ができるようです
900nxs2とA9の大きな違いはこれらの設定をPro DJ Linkをした外部デバイスに保存し別のA9にその設定をロードすることができる点です
うまく使えればジャンルごとに設定を保存しておきその設定を読み込むだけで適したミキサー設定でDJを始めることも可能です

UTILITY SOUND CHECK画面

動画

海外動画にはなりますが下記のYoutubeの動画で上記で紹介した機能等が分かりやすく紹介されてますので参考までにどうぞ
Youtubeの自動翻訳機能で日本語字幕でご覧になれます
Crossfader CHより

①説明動画

②プレイ動画


補足

海外投稿サイトより

とある海外投稿サイトではA9の発売を期に900nxs2が生産中止になるかもしれないという記述がありました
このコメントに確証はないですが今までのPioneer DJの方針だと新型が出るとそれに通づる前機種が生産完了になるパターンが多いのでこれは可能性がある話ではないかと思います
生産完了になると機材の修理等にも影響する可能性があるので900nxs2を扱うときは大事に扱いたいですね

最後に

A9と900nxs2を比較してきましたが個人的な感想でいくと
A9は900nxs2の後継機と位置づけの出来る間違いない商品だと思いました

実際に触って、音質を聴き比べたなどそこまでのことは発売前なので出来てない点から触るとイマイチな点も出てくるかもしれませんが900nxs2発売時も問題なく今なお愛される機材となっているのでA9もこれから愛される機材になっていくのではないかと思います

900nxs2より価格が上がっていることが念頭にあるかもしれませんがそこを上回るだけの機能とパフォーマンスを兼ね備えているといって良いと思います

この記事を書いたころにはまだ発売前なのではやく触って色々試したいですね


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