【勝手に電波少年企画〜裏山からの逆大脱走大成功〜一文無しからBoom Festival へ向けて。そして片想いの先輩も探す旅!09】
アマノとサンドラと試みたBoomFestival裏山侵入逆大脱走は。
本当にアドベンチャーだった。
針金でチクチクする柵を何度も潜り。
セキュリティの車に気をつけながら。
大きな日野沈む大草原の上に出た。
フェスティバルの中心でもある湖も遠くの方に見えた。
わーーー綺麗!
月も光り始めていた。
途中、森の中でハンモックを張る親子。
同じくチケット難民らしい。昨晩はこの場所で寝たと言う。
セキュリティがあのエリアに多いとか、この道を通るだとか、アマノと親子は情報交換をしていた。
そして。エンジョイ!パーティー!
と別れ、私たちは先を急ぐ。
キーパーソンキャラみたいな人々が点在していて、面白かった。
また、たまにセキュリティのジープが遠くの道を走る。
そんな時は静かに身を伏せたり。
「もう少しだ!」
と地面にiPhoneのコンパスを置き、ブームフェスティバルの地図を広げ位置を確認するアマノ。
映画のアドベンチャー脱出ゲームみたい!!
と私はテンションがあがった。
サンドラも最初は、
「このこ裏山から侵入するルートがだれだけ大変だか分かってないのよ。」みたいな雰囲気だったが。
私ははしゃぎ、楽しんでいると、私のことを少し分かってくれたみたいだった。
ナウシカの世界みたいな植物の道を抜けたり、岩だらけの坂を下ったり。
最後の砦。
何故か藁がしきつめられていて、深さ1mほどの穴がランダムにある道に来てしまった。
藁で覆われているので、さながら落とし穴。
私たち3人はズボズボと落とし穴に落ちまくった。
ゲームの世界みたいで凄く楽しかったのだ。
みんなで、ゲームみたいだよ!なんだこりゃー!誰よ!この道選んだの!
とはしゃぎながら進んだ。
そして。星も見え始め、空の郡所色が深くなってゆく時間帯。
いよいよ壁越え。
一番の難関である。壁を越えた瞬間、セキュリティに見つかっては意味が無い。
背の高さより高い石畳の壁。
アマノ、サンドラ、私。
と一瞬のうちに越えた。
アマノとサンドラは流石、2回目の侵入者。
すぐに、目の前のテントのの輪でくつろぐ人々の中に飛び込んだ。
あまりにもナチュラルに輪の中に溶け込む彼ら。
私は彼らの前からの友人なのかと思った。
ビールをもらい、お菓子をもらい。
でも。自己紹介をしていた。
一体。どうゆうこと!?
私は謎であった。
とはいいつつ。私もちゃっかりビールとお菓子を頂いた。
腹ごしらえをして、私たちは食べ物を探しに行こうということになった。
セキュリティに声をかけられないように歩く。
セキュリティはジープに乗り、一応、手首をしっかりとチェックしている様子であった。
遠くの方で捕まりジープで摘み出される人も見かけた。
私たちは長袖とストールで寒いふりをして、ナチュラルに手首を隠して歩いた。
無事に大きなフードコートまで到着。
ディズニーランドみたい!!
とやはりテンションがあがる。
サンドラが荷物と昼間のフルーツのお礼にと夕飯をおごってくれるという。
私たちは2つのファラフェルピタをシェアして食べた。
私は大人の大自然ディズニーランドに大興奮。
彼ら2人と別れて探検することにした。
そして、今日はまだ音楽が鳴らないなら、ゲートの外のテントで寝ると告げた。
「せっかく入ったのに、外に出るの?」
サンドラが驚く。
「うん。明日、荷物をどうにかして中に入れてまた入るよ。」
「私たちの荷物は?」
「どうしよう?」
「じゃぁ明日のお昼12時頃にゲートの外に行くわ。」
「オッケー!」
私はまだ始まっていないメインダンスフロアのテストの音を聴いて楽しんだ。
規模が大きいすぎる!
凄い、凄い!の連発だ。
セキュリティの目は十分に気をつけて。
私はアートスペースに紛れ込んだ。
そう。人込みの中で私、1人の腕をチェックするようなセキュリティは居ない筈。
私はブームフェスティバルのエンターテイメントを信じていた。
場の雰囲気を壊すような厳しさは無い場所だ。
私は沢山のサイケデリックな絵画が飾られている中へ。
チベット密教の仏画。
その隣りはMDMAの生みの親とそのパートナーの絵。
アレックス・グレイ(Alex Grey)の絵だ。
私はその2つの並びと良さに釘付けになり、じっくりと見ていた。
横から、この絵画を説明してくれるおじさんもいた。
凄く、素敵な絵だ。と。私は見飽きなかった。
本当に広くて。広くて。湖も森も谷も丘もあって。
色んなところに素敵なアート作品。そしてお店。遊び場。休憩場。
ダンスフロアはいくつもあるし。
その他にも映像が見れる施設や、アート施設も沢山ある。
電飾で彩られたキラキラエリアや。
ハンモックやブランコ、至る所に小さなアートが隠れている。
大人のディズニーランドなんて表現しか思い浮かばなかった自分の経験値の若さよ。
これは本当に。
かなり完成度の高い、ぶっ飛んだ脳内の夢の国遊園地に遊びにきた気分だ。
しかし、依然、セキュリティの目は厳しい。
私はまだ。出来ればチケット、リストバンドを入手して。正規に荷物をゲートから運び込み、楽しみたいと思った。
この日は。日中のチケット難民キャンプでの酷暑の疲れも出て、自分のテントで就寝したく、ゲートの外へ出る。
ゲートまでの道のりも長い。相当長い。
ひとつの街が大自然の中に出来たみたいで。
真夜中だというのに、まだまだ、やってくる人はいるし。楽しそうに遊んでいる人も沢山。
私は。何を思ったのか。
正面ゲートから外へ出た。
ゲートに差し掛かると。
なんと、うっかり。スタッフに何処へ行くの?リストバンドは?
と声を掛けられてしまった。
しまった!!
ゲートを出る分にはチェックされないと思っていたのだが。
瞬時に。日本人であることを利用し。
I Don't know English.I Don't know English.I Don't know English.
を連発し。意味が分からない酔っぱらいのフリで外へ逃げた。
BoomFestival裏山侵入逆大脱走は。
支配者層にコントロールされきった文明社会からの大脱走だったのかもしれない。
そして。
アマノとサンドラと私の荷物でいっぱいになったテントの中で、おやすみ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?