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一から始めるデッキ構築


【はじめに】

はじめまして、DJ IZMAと申します。

突然ですが、皆さんデッキ構築は好きですか?
私は、一からデッキを考えて構築することが好きで、色んなデッキを作って回して遊んでおります。

本稿の目的は、私の考えるデッキ構築のポイントをかいつまんで説明して、デッキ構築の楽しさを知ってもらうものです。

オリジナルデッキ向けに解説はしていますが、既存のデッキ構築や調整にも応用出来る内容にしていこうと思います。ですので、オリジナルに興味がない方にとっても、普段の構築の参考になれたら嬉しいですね。

ただデッキを作るだけでなく、やるからには結果を残せるデッキを仕上げることを目的とします。やっぱりゲームである以上、勝ってナンボだと思いますし、私個人の価値観ですがオリジナルデッキで勝てたらなんかカッコイイと思ってます!(語彙力)

また、特に本稿を読んで欲しいターゲットは

・個性あるリストで承認欲求を満たしたいマン
・前人未踏という響きが好きなフロンティアスピリットに溢れる人
・対戦相手を驚かせたいエンターテイナー
・ただデッキを構築すること自体が楽しい、創作意欲が止まらない人

です。今後の作品に繋がるなにかを掴みとって頂ければ、書いた甲斐があります。

それでは、拙い文章ですが最後までお付き合い頂ければ幸いです。


【自己紹介・デッキ紹介】


改めまして簡単に自己紹介。
どうも、DJ IZMAです。DiaryNote、Twitter、MOで同じハンドルネームを使用しています。MTG歴は20年くらいで、ここ10年くらいは専らレガシーで遊んでいます。
オリジナルデッキを本格的に構築するようになったのはレガシーを始めてからで、自分の中で代表的なオリジナルデッキを紹介すると

赤単エルドラージ

ブラッドエルドラージとも呼ばれています


強大化デルバー

初期はギタ調が入ってました


欠片の双子

MOの無限ループ対応まだ?

最近MOで5-0したデッキでは

ティムール続唱

まだレンと六番入れる前ですね


チャンドラ9

海外では病気だの凶悪犯罪だの酷い言われよう



他には、平日大会3-0程度のデッキだと
・ダークバントカンパニー
・青赤エルドラージ
・BUG現出
・赤単双子
・バント異界の進化
・4Cアリーナレクター
・ジェスカイコピーキャット
・ティムール Nic-Fit
・グリクシス予言により
…etc

まぁ出来は兎も角、色々と作ってます。


【そもそもオリジナルデッキとは】


明確な定義はありません。人によって解釈が違うため、先ほど例に挙げた自分のオリジナルデッキも、それはオリジナルではないと思われる人もいるかもしれません。

私の中では、
① コンセプトが既存のものではないデッキ
② コンセプトは既存のデッキだが、強烈な味付けをしているデッキ
③ 過去の時代や他フォーマットで活躍したが、現環境で未開拓のデッキ


これらいずれかに該当するデッキがオリジナルデッキで解釈しています。

例えば、赤単エルドラージは①と③でしょうか。正直他のフォーマットに赤単エルドラージが存在していたことは知らなかったのと、デッキコンセプトが明らかに違うため、①よりかと思っています。

強大化デルバーは②ですね。既存の果敢型URデルバーとはTaigaと強大化くらいしか違わないですが、デッキの動きは全く別物です

普通のURデルバーは3キルしない

双子はもちろん③ですね。知名度がついたのは神挑戦者でオガサワラさんがTOP8に入ってからなんで、若干ここで紹介するのも気が引けるのですが、まぁあくまで構築の話ですので・・

次からは、実際の構築の話に移ります。


【STEP1 コンセプトを決めよう】


ようするに、やりたいことを考えます。
カード1枚でもいいですし、特定のカードの組み合わせでも構いません。
部族やカードタイプから入ることもあります。
何も思い付かない場合は、とりあえず最新のカードセットを眺めてみましょう。単純に新しいセットであればあるほど開拓されていないものです。
また、別のフォーマットの結果を眺めてみるのも有効です。
ヒントはそこら中に転がっているので、後はそれを形にするだけです!

ケース1)ティムール続唱の場合
先ほどの分類で言うと、③になります。9年ほど前に続唱誘導路なるデッキを使っていたことがあって、モダンホライゾンで《衝撃の足音》が出たことで、復活させてみようかと。

まさに衝撃の1枚



ケース2)チャンドラストンピィの場合
分類は②になります。既存の赤単プリズンに《目覚める猛火、チャンドラ》を入れてみたい、というよりは、目覚める猛火チャンドラを有効活用するデッキを探したところ、赤単プリズンに白羽の矢が立った感じですね。

思わず使いたくなる我らがチャンドラ


注意点として、前例があるか否かもここで確認しておきます。
れる屋と金魚のデータベースが大方網羅出来ていると思われますので、両方確認しておくとよいでしょう。
特に環境初期では、同じことを別の人が考えていて、既に実績が上がっていた、なんてよくある話です。
前例があってもそのデッキ使ってみたい場合は構築を続行することになりますが、あくまでオリジナルデッキという単語に拘る方は、さらに一工夫を考えるか、別の方向性を模索することになります。
第一人者という称号は早い者勝ちなので、いいアイディアが浮かんだらその日の内にデッキ作って大会に出ましょう!

実際、衝撃の足音入りティムール続唱については、他にも考えつく人いるだろうなと想定していたので、早期にリーグ5-0出来て一安心しました。


また、既存のデッキの下位互換にならないかどうかも、同時に確認すべきでしょう。
ある意味一番難しい工程になりますが、そのデッキならではの優位性がないと、オリジナルデッキで勝ちにいくことは難しいと考えます。

例えば、レガシーの欠片の双子は、青赤のコンボという点だけ捉えると、スニークショウの下位互換になってしまいます。そこで、レガシーならではのソルランドと金属モックスに着目し、虚空の杯や血染めの月や罠の橋をメインから採用することで、スニークショウとの差別化を図りました。

モダンとはもはや別デッキ


【STEP2 デッキの骨組みをしよう】


次のステップとして、キーカードと相性のいいカードを選んでいきます。デッキの軸となる部分なので、ここでの構築が重要になります。

ケース1)ティムール続唱の場合
・祖先の幻視:待機呪文がサイだけじゃもったいないので、当然
・断片無き工作員:まぁ外せない。9年前はこいついなかったなぁと思いつつ
・血編み髪のエルフ:同じく続唱要員。重いから枚数抑え目か?
・戦慄衆の秘儀術師:こいついなかったらBUGにしていました。サイおかわりはアツい
・渦まく知識、精神を刻む者ジェイス、森の知恵:続唱を安定化するために
・予言により:手札に待機呪文がきた場合の処理手段として

やりたいことが明確

ケース2)チャンドラストンピィの場合
こっちは、骨組みは赤プリズンをそのまま使えますね。逆に、既存の赤プリズンから相性の悪いカードを弾いていく感じで構築しました。

削除したもの
・クリーチャー全般:最終的に紋章で勝つため、除去の的はいっそ全抜き

追加したもの
・削剥:序盤を耐えるために軽量除去が必要と判断
・煮えたぎる歌:通れば猛火チャンドラまで繋がり、そのまま勝てる
・反逆チャンドラ:マナ加速として当然の4積み

初見では結構通してくれます



ここでのポイントは、とにかくカードを検索しまくることですね。特にレガシーはカードプールが広いため、思わぬカードがシナジーを発生させることがあります。つい最近では、ホガークデプスにサティロスの道探しが採用されていて、このカードに行き着いた発想力に舌を巻きました。

そういえばいたなぁお前

ちなみに私はこのSTEP2の段階が一番楽しいです。自分の中に生まれたアイディアを徐々に具現化していく作業なんで、一番構築してる感が湧きます。
この時点では細かい考えずに、やりたいことを詰め込んで、夢はでっかくいきましょう。(どうせ後で細かい作業を延々とやることになるため)


【STEP3 デッキの肉付けをしよう】


ここからは、相性良いカードと相性の良いカード、デッキの潤滑油的なカード、オールマイティなカードを足していきます。

ケース1)ティムール続唱の場合
・ダク・フェイデン:続唱も予言もない場合、ダク経由で秘儀術師から唱えられるため
・罰する火:ダクと相性がよく、序盤の攻防を耐えるため
・稲妻:ブレスト待機以外に秘儀術師と相性がいい呪文を採用
・タルモゴイフ:エンチャント、アーティファクト、プレインズウォーカーがデッキにちょいちょい入っているため、サイズが期待できそう
・レンと六番:マナ基盤確保
・意志の力:青の礼儀

令和の死儀礼

ケース2)チャンドラストンピィの場合
・炎呼びチャンドラ:煮えたぎる歌があまった場合の使い道として

目覚める猛火に負けず劣らずの性能



ここでの注意点として、採用カードにアンチシナジーがないかチェックをします。アンチシナジーがあっても、それを補って余りあるメリットがある場合は採用してもよいでしょうが、判断が難しいところですね。

本当は俺も1マナのカード使いたいねん・・・

また、STEP2の骨組み段階では、デッキ内のシナジーのように自分のデッキがいかに回るかを意識して構築していくのに対して、STEP3の 肉付け段階では、外的環境、つまりメタゲームを意識していくことが大事になります。
ここでの採用しうるカードの選択肢はSTEP2よりも広いため、より環境にマッチしたカードを採用していき、メタの流れに合わせて必要とあらば、組み替えていきます。


【STEP4 マナベースを考えよう】


ここで一旦足元を見ます。デッキの肉付けまでしたが、カロリー高すぎて無理ィ!ってなることもよくあります。
実際に仮組みして回して感触を確かめるのも有効です。出汁がきいているか味見するようなもんです(適当)


ケース1)ティムール続唱の場合
土地の総数だけでなく、色マナ配分も考慮しないといけません。
私がよくやるのが、デッキの色マナシンボルを数えて、それに近いバランスで土地が供給できる色の配分を調整する手法です。重めのカードの場合は、半分に数えるなど、細かい匙加減は人それぞれですかね。リミテッドでも使えます。


ケース2)チャンドラストンピィの場合
こっちは、色配分よりも数がメインですね。
チャンドラ女史がふくよかなため、Mox1枚減らして土地を1枚増やしています。また、追加のソルランド兼サイドの難題のために水晶鉱脈を追加しました。

チャンドラだけじゃなく2マナランドも9枚入り



ここでの注意点は、マナカーブまで考えて構築することです。ざっくりとでいいので、「何ターン目までに何マナ揃えたい」かをまず意識して、そのために必要なマナベースを逆算していくと上手くいくことが多いです。もちろん、一人回しで調整することも重要です。



【STEP5 微調整をしよう】

ここでは、私が微調整する際にチェックする項目を箇条書きにしてまとめましたので、一つずつ説明していきます

①特定カードに依存した構築になっていないか

オリジナルデッキの場合、デッキコンセプトを重視するがあまり、特定カードに依存した構築になりがちです。もし依存している構築になっていた場合は、キーカードを引けなかった時のリスクヘッジとして、
・ドローソース
・類似の効果を持つカード
・サーチカード
・別の勝ち手段
などの採用を検討すべきでしょう。あるいは、逆に相手を減速させる戦略に切り替えるという手もあります。

例え続唱が封じられても…!


②各カードの採用枚数が適正かどうか

私は以下の基準で適正かどうか判断しています
 4枚採用・・・絶対に引きたいカード
 3枚採用・・・1枚は引きたいが、初手2枚は嫌
 2枚採用・・・1枚も引けなくても問題ない
 1枚採用・・・複数枚は絶対に引きたくない

この基準自体、人によって微妙に違ってくると思いますので、自分独自の納得できる基準を設けることも重要です。

大体のマッチでいっぱい引きたい



③サイドインアウトに偏りがないか

サイドボーディングにおいて、仮想敵に対するインアウトを考えた上で、特定デッキに対する偏りがないかを検討します。「このデッキ相手には抜くカードが多くて、入れたいカード少ない」というのを極力なくして、必要ならば汎用性のあるサイドカードに変更する等の措置を採ります。

色んなデッキにインされるナイスサイド


④キープ基準が厳しくなりすぎないか

大まかにキープ基準を考えた際に、基準になりうるカードの枚数が足りているかどうかを試算します。実際に、初手にキープ基準の条件が揃う確率を計算するのが一番確実ですが、めんどい場合は、とりあえずキープ基準に直結するカードの枚数を増やしておきます。

キープ基準に直結するカード



⑤特定カードの条件達成のためのカードの枚数が足りているか

一番代表的で分かりやすい例は、「意志の力のピッチコストを支払うための青いカードが必要枚数入っているかどうか」ですね。
同様に、集合した中隊を採用しているのであれば3マナ以下のクリーチャーの数をチェックしなければなりませんし、金属術がデッキの軸でればアーティファクトの数をチェックすべきでしょうし、ゲートウォッチ配備がキーカードであればプレインズウォーカーの数が構成の成否を分けます。

ちなみに赤単エルドラージでは、金属モックスでちゃんと赤マナが出るように、赤いカードの枚数にはかなり気を使っています

君が無色出せたら構築楽なんだけど


【STEP6 実戦で試してみよう】


こっからはひたすらTrial & Error。
ゲームのデータを記録して、ある程度数をこなしたら統計取って分析していきましょう。デッキの中で、勘や経験則といったフィーリングに近いところで組んできた部分を、客観的な数字を基にして、よりロジカルに仕上げていく作業になります。

ゲームの中で最低限記録を残しておきたい項目
・先手後手
・マリガン回数
・マリガンの理由
・マナフラッドorマナスクリューの有無
・勝敗
・勝因or敗因
・その時のデッキ構成


いざ分析してみると面白いもので、体感というものが如何に信用出来ないかが分かります。
例えば、マナフラッドで負けることが続くと、どうしても土地を減らすことに思考が向いてしまいがちです。
しかし、いざデータを振り返って検証するとどうでしょうか?マナフラッドとマナスクリューの回数はどっちが多かったか、マリガンの理由として土地が多い少ないはどうだったか、敗因に相手の不毛1枚で負けた記録はないか、、、
データと体感が一致していれば問題はありませんが、直近の成功体験や失敗体験は印象に残りやすいので注意が必要です。

そして、最終的に目標としていた一定の成果を残せればゴールクリアです。
まずは平日大会3-0でもいいでしょう。クリア出来れば休日大会優勝やMOリーグ5-0と目標のハードルを上げていけばいいんです。

目標に到達する前に、そのデッキを見切ることもあると思います。オリジナルデッキの構築なんて100回構築して1回成功すれば儲けもんくらいの精神なんで、諦めずに別のデッキを考えて何回でも挑戦しましょう。失敗を教訓にして次回に活かせばいいのです。


【おわりに】

取りとめのない文章になってしまいましたが、以上になります。

なにぶんプロでもなんでもない一般村人が書いた文章なんで、説得力に欠ける部分もあるかと思いますが、少しでも読んでくれた皆さんの“気付き”になれば幸いです。

次にもし筆を執る機会があれば、ブラッドエルドラージこと赤単エルドラージについて、詳しく書いてみようかなと思っておりますので、よろしければご覧下さい。

最後までお付き合い頂きましてありがとうございました!

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