見出し画像

全日本卓球の優勝者がオリンピック候補外の宇田幸矢と早田ひなとなったことについて

ヤフーのスポーツトップ8本中4本が全日本卓球ネタ。恐らく、東京オリンピック前ということで、いつも以上に注目が集まっているのだろう。

それにしても、すごい試合ばかりだった。

観ていた人は熱くなったと思う。日本一を決める大会の男子シングルス、女子シングルスの優勝者がオリンピック出場候補選手じゃないのだから。それは、候補者が実力を出せなかったという部分よりも、候補以外の選手が上回る実力を持ち合わせている部分に注目すべきかと思う。それだけ、日本全体の卓球の実力が上がってきている。

大会途中に「水谷・大島ペア、高校生ペアに敗れる」というニュースが飛び交ったが、「水島・大島ペア、戸上・宮川ペアに敗れる」というのが正しい。世界ランク5位の張本(高校1年生)が誰かに勝っても「高校生が勝利」という言い方にはならない。

男子決勝で張本を破った宇田(高校3年)の打球の鋭さは、試合全体を掌握した。準決勝で張本に破れた戸上(高校3年)も時間や空気のちょっとのズレがあったら勝てた試合をしていた。

女子は早田ひなが優勝し、涙を流して喜んでいたが、その気持ちが伝わってきた。2018年度、Tリーグでは13戦全勝で終え、波に乗っている状態で臨んだ2019年3月のトップ12(世界卓球最終選考会)で、加藤美優との対戦で、勝てそうな試合で流れを作れず敗戦し、世界選手権出場権を逃してしまった。それは東京オリンピック出場が大きく遠のいたことも意味した「あともう少しだったのに。勝たなきゃいけない試合だったのに」きっと、そう思っただろう。

そこから世界ツアーを転戦し、ポイント稼ぎで苦労をしながらも(※)「もしかしたら早田が五輪候補に選ばれるかも」と周囲に思わせるくらいの頑張りを見せた。2020年1月6日オリンピック選考発表、でもそれは叶わなかった。昨年12月に行われたトップ12では、最後のアピールの機会であったが、平野に負け、伊藤に負け、悔しかっただろう。そして、年を明けて全日本で東京オリンピック出場候補選手である伊藤、石川を破っての優勝。色んな1年の集大成のように感じたように思う。

女子も伊藤、平野、早田の黄金世代(19歳)を始め、世界ランク上位にいる選手たちが若い。

全日本卓球を盛り上げた上位選手のほとんどがTリーグに所属している。一度、ご覧になって頂きたい。
https://tleague.jp

※オリンピック選考は、世界ツアーを周って、参加や勝利で得られるポイントの上位で決める。世界卓球のような大きな大会では、ポイントが大きい。その他の小さな大会でポイントを埋めるには、大会の出場数も増え、体力的にも消耗する。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?