大学陸上を終えて③

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冬を超え、2回生になった俺は、同期、先輩、スタッフから割と知られる存在になった。

もともと先輩と仲良くするのが得意というか好きで、一生に練習したり、飯行ったりしながら話をするのが好きだった。過去のことやこれから自分が迎えるフェードを先輩はどう過ごして、どんな失敗や感想を得たのかとか聞いて、ミスや失敗を未然防止したり、その時にいかに格好つけたり、楽しめるかを考えるのも好き。

春から俺は絶好調だった。3月の時点でPBを更新、練習でも負けることの方が少ないし、なにより走っていて楽しかった。

おそらく競技に関して、心も体も一番調子が良かった。

目標にしてた関西インカレ優勝は手の届くところまで来てたけど、一人ずば抜けて速い人がいたことと、速くはなったけど、勝負する気持ちや戦略までなかった俺は決勝でことごとく負けた。

悔しかったけど、その時2回生で決勝にいたのは俺だけで、しかも2種目決勝、リレーに関しては大学記録更新と、目標には達しなかったけど、これまでなかった競技に対する自信がグッとついて、もっと競技で高みを目指す目標ができ、あの人の大学記録更新の目標に現実味が帯びてきた気がした。

それはというものの、2回生はケガで点で走れず終了。その代わり、主将になるにあたって、そして主将としてどうしていくか、何が足りないのかを考え直したり、試行錯誤することが増えた。

いくつかポイントがあった。まずは、夏合宿。

夏合宿の夜。一番仲の良かった同じパートの先輩と冬の納会で話した先輩の3人でコンビニに行き、帰って風呂に入っていた。

俺はその時は二人の話を聞きだけだったけど、非常に貴重な時間だった。

来年関西インカレで総合優勝するために俺達には何が足りないのか、去年はなんで失敗して、その前の年は何で成功したのか、今の俺たちの力でどこまでできて、総合優勝にもっていくためには何を変えないといけないのか、それは俺たち二人が変わっていくことが一番影響力があるんじゃないのか。

すごい具体的に、そして覚悟を持って、語り合っていた。

それを俺はほぼ空気の状態で、チームは何を達成することが成功であり、今のチームの現状はどんな感じで、本当にチームを動かすにはどこまでの覚悟をもって行動するべきなのか、とか考えたり、頭の中にメモしたりした。

そして、心の中で思っているだけじゃなくて、もっと語って共有しないとだめだ。と思った。

その日の夜は、これから俺は何をして、誰にどんな形で自分の目標を共有していくといいのか考えていたら寝れなかった。

2つ目は全日本インカから帰った夜。先ほど登場した二人の先輩に加え、俺の同期二人が加わり、軽い打ち上げをしていた。

酒の場で二人の先輩は合宿で話していたようなことを冗談も交えながら話していて、俺たちの意見を話す場も与えてくれ、俺の学んだことを同期の二人も聞き、今後チームとしてどういう志を持つべきかを共有できた。

正直、まだ俺の目標を達成するための仲間というか、気持ちを共有してくれる戦友が同期にはいなかったし、主将をしたいと悟られたくなかった俺は、隠すのがうますぎて、誰ともそんな話をしたことがなかった。

だから、この会は俺は激熱だった。

合宿が終わってから、すこーしずつ俺がチームのことを考えて、インカレ総合優勝を考えていることをほのめかしていく動きを始めていた。

全カレ中、入賞した同期が二人もおり、その同期に2年後、俺らも入賞するから、全カレで総合争いしたいな、とかこれからこうしていきたいよな、とか、しれーっと雰囲気を出し始めていた。

正直、その時誰も俺が主将をするだとか、したいだとか、適任だなんて思っていなかった。みんなが主将は誰になるかなーなんて話題になるとき、俺の名前とか一切出ないし(笑)

ちょっと話が派生したけど、その打ち上げで俺は初めて、主将をしてこれまでで一番強いチームにしたい。と人に明かした。

酒の場でまあまあ酔ってたけど、言い出すかすごい悩んだし、言ってからもこのタイミングであっていたかどうか何回も確認した。

正直、みんなの反応がどんなだったかは覚えてない。俺のひそかに進めていて、いずれ明かすことになることを少数でも知ってもらえたことに安心した。その同期二人が同じ志を持ってくれていることも今後行動していくにあたって心強くも感じた。

まあ覚えていることは、全種目うちの大学が優勝するっていった時はバカにされたことかな。その時はむッとしたけど、さすがに無理か(笑)

みんなが努力しているから頑張れば行けると思ってた。全員がインカレ優勝目指してたら、総合優勝なんて目標にしなくてもできるという安直な考えだった。強豪校ならいいけど、うちはまだまだ。。

んな感じで、仲間が増え、俺の活動は加速していった。

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