大学陸上を経て②

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本校から推薦を受け、入学が決まった時に、「主将になり、自分が主軸でチームとして大きなことを成し遂げたい。」と思った。

正直、大学陸上に自分個人の競技では通用しないのではないかという不安から、出てきた目標でもあった。

入学前から、俺の計画は始まっていた。

主将になることが第一ステップだと踏んだ自分はまず、同期からの信頼が大事だと考えた。

入学前の練習会、これから仲間になる初対面の仲間にみんなきょどきょどしている中、一人一人に話しかけ、コミュニケーションをとった。

名門大学なだけあって、自分が推薦の中で一番知名度も実績もないことは自負していた。

何より、みんなに覚えてもらい、印象を与え、チーム全員と仲の良い人間を目指した。

高校の時に生徒会長になるとき、多くの人と仲が良く、誰とでもうまくやれる人望から抜擢されたこともあり、先ずはこれだと踏んだ。

そこから同期とのコミュニケーションを深め、チームの中心が自分になるように仕向け、故意に狙っているとばれないようにアピールを続けた。

そんな感じでなんとか存在感を出しながらも、もちろん競技にも勤しむが、1年目には思うような結果が出ず、苦しいシーズンを過ごした。

救いだったのは、関西インカレと全日本インカレに1回生から出場できたことかな。あとは、日本選手権リレー決勝進出。

あれがかなかったら、俺の大学陸上のモチベーションは終了していたかもしれん。(笑)

正直、1年目は存在感を出し、みんなに知られたい承認欲求のみであとは自分の競技に精一杯だった。(初めての一人暮らし、大学生活で余裕もなかったし。。。)

そんなこんなで、1年目のシーズンを終え、来シーズンの目標も大学で成し遂げたい目標もできた。

今回、あんまり自分の競技にフォーカスするつもりはないけど、1回生の冬に立てた目標は、関西インカレ優勝、大学記録の更新。

ここ最近で一番速かった2つ上の先輩に勝つことと、その年新コーチとしてやってきた人の記録。

そのコーチがまた厄介で、大学記録の人ってことは入学前に大学の陸上部のHPを探ってたら出てきたので知ってた程度だったけど、入学してからというもの、どこの誰だかも知らないその人と比較され続けるという。どのコーチも俺にその人の話を切り出してくるし、かつてチームが強かった時代といえばって時に出てくる名前で妙に引っかかるものがあった。

先ほど出た日本選手権リレー前に新コーチが来るって話も聞いていて、俺に似ているだのなんだのみんな言うから、敵対心というか、ライバル心にも燃えていた。

大学記録を持つ人でチームの全盛期の主将をしていた人?しかも、やたら比較されるよく名前の出てくるあの、、??

そんなわけで、この人の名前が歴史からかすむくらいの偉業を成し遂げてやろうと闘志をみなぎらせていた。

その冬、そんなモチベーションに加えて、新キャプテンも主将前に全日本で3位入賞、前主将は6位、その前の主将はJAPANと、歴代競技力がものをいうと言うことも判明し、トレーニングに勤しむ。

そんな時、俺の主将になるまでの過程やチームということに関する価値観に多大なる影響を与えた人と出会う。

12月の納会。ワイワイキャラだけど、ワイワイしているのを見ると気が引ける自分は、すましながらぼーっとしていたら一人の先輩を見つける。

その人も一人でいたので、当時まだ行動力がバカだったので、正直入学してから見たこともあんまりなかった先輩に話しかけに行く。

その先輩は俺のことも知ってくれていたみたいで、スポーツ推薦についての話をしてくれたことを覚えている。

その時今でも心に残っている言葉で

「スポーツ推薦で入学したからには、全国で活躍する義務がある。」

と言われた。

その時は、この人の志すごいな。。と俺もスポーツ推薦で入学したからにはそれくらいの志でやらなきゃ、と思った。その時はその程度で、単にこの人すごい価値観というか考え持ってるなと思った。

その日の夜帰りながら、その義務というものを果たすにはどうしたらいいか。なんて考えていた時に、やはりまだ自分の競技力に自信のない俺は

競技力でその義務をみんな果たしていくのであれば、リーダーシップ性に長ける自分は主将としてチームを全国で活躍できるものにすることが義務なんじゃないか。とひらめいた。

俺の入学前の野望が使命に変わり、自分のチーム内の役割を再認識した瞬間だった。

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