07_暴風、錯乱の雨

何が起こっているのか、そのアクシデントの主体であり張本人であり加害者である僕にも、そしてそれが何故起こったかについても、わからない。目の前に確かにある光景、僕によって四肢を剥奪され、翅を散らされ、荒れ狂う僕と真反対、静かに霧雨を流す紺色。

どうして僕はこんなにも怒っているのだろう?どうして僕は彼女に怒っているのだろう?どうして僕は、真っ当に怒りを晴らさず、対象を歪めてしまっているのだろう?…

「あは、ばーか」僕を見下ろす赤い瞳、何も見えていないくせ、必ず僕の失態を逃さないその他の感覚、〇〇はいち個体に非ず、その兵隊を使って、僕の近辺を嗅ぎ回る、洪水に沈んだ大陸を見物に来る、もう既に今回の生は終わった筈、だのに未だ残党が数千、〇〇の代わりに僕の愚行を見届ける、決して結ばれることのない、

僕の最愛の妹、〇〇、盲目で、翅は飛べす、毎回僕なしでは三日と行きられぬ生命、君の鼓動なら星の裏でも聞き逃さない、なんて言うと気持ち悪がられるから喧嘩のとき以外は口に出さないんだけどね。

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