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SST records概ね全作品紹介 Vol.80(別)10選

No.10 
Sister/Sonic youth

冒頭の切なく素朴なschizophreniaから全編最高なsonic youthのsisterです。sonic youthの作品の中では一番聞きやすいかも知れません。恐らく全作品の中で一番曲が良いんじゃないでしょうか。ギターロックとしての快楽一直線。普通に良い曲なんてちょちょいと作れるぜ的余裕かつエクスペリメンタルな打撃も抜かり無し。名曲taff gnal収録です。

No.9 
Ultra mega OK/Soundgarden

Soundgardenのultra mega okです。初期はメタル臭強めで中々癖が強いです。ドロドロにうねるギターの迫力が最高です。この薄汚れた退廃さがたまらんです。mood for troubleが最高!flowerのリフ最高!

No.8 
S/T/Meat puppets

Meat Puppetsの1stです。良いメロディのゆるゆるオルタナな印象のmeat puppetsですが、1stはブルージーなフレーズが縦横無尽に暴れる超フリーキー&ジャンク&馬鹿サウンドです。ボーカルはもう何を仰ってるのか全く聞き取れません。歌いながらヨダレがいっぱい垂れている事だけは間違いなさそうな歌唱です。ヌンチャクのクニに似てます。人を突き放したような楽曲なのに、何故か親しみやすさもある所が魅力的です。全32曲を通して聞くたびにIQが下がっている気がします。それにしても肉人形ってとても素敵なバンド名ですね。our friends、playing deadが最高!

No.7 
Buzz or Howl Under the Influence of Heat/Minutemen

ミニッツメンといえばタブルニッケル〜が名盤なのだけれども、クリーントーン過ぎて取っつきにくい所があります。このEPが程よく粗く聞きやすい。リズム隊の跳ねまくる6曲目、鋭いホーンが超ヤバいフリーキーな7曲目、クラウトロック〜ポストパンク〜オルタナを繋ぐ名曲8曲目の怒涛の後半はすんごーいです。

No.6 
New day rising/Hüsker Dü

Hüsker Düのnew day risingです。2ndはフリーキーで人を選ぶ所がありますが、この作品は誰にでもお勧めできるド安定の名盤です。嵐のような演奏は重心が低くなり落ち着いて、疾走感より高揚感が強くなっています。前作の半分を占めていたハードコアど真ん中のナンバーは無しでwhateverやchertered tripsのようなメロディアスなナンバーが中心です。グラントとモウルドのメロディメーカーとしての才能が開花&炸裂しています。特にcelebrated summer等々、クラッシュの影響強いモウルドの男臭いメロディがたまりません。メロコアの祖でありながら後のメロコアのどれにも似ない、かつ追い越せないUSラウドミュージックの金字塔です。

No.5 
Bug/Dinosaur Jr.

歪んだギターって良いですよね。音源を再生して聞いているはずが、まるで心の中で鳴っている音を聞いているような気持ちになります。私の首筋に空いているoutputにライン刺して再生したら多分このような音が鳴ります。クリーントーンしか無かった時代、一体どのようにこの心の中の暴風と折り合いをつけていたのでしょう。そんな轟音吹き荒れる、彼らの最高傑作かつUSオルタナ界の揺るがないこれまた金字塔!親しみやすい怠け者メロディと轟音ギターの絡みが最高潮です。特にthey always comeやkeep the gloveでのギターの咆哮の様な激エモーショナルさは必聴!人生に必須!何回何回聞いても飽きない最高!

No.4 
Milo gose to college/Descendents


狂ったように聞いた、いや聞いているDescendentsのmilo gose to collegeです。絶妙な軽さも直線的なビートも柔らかいベースもキャッチーなメロディとmiloのキレキレ男気ボーカルの相性も全てが文句無し全曲超最高のパンクアルバムです。特にbikeageは90年代の日本のメロコアの輝きを全て凝縮したような超名曲です。かなり有名な作品ですが、パンクやハードコア好きでまだ未聴の方は是非最優先で聞いていただきたいです。まだ私が幼稚園児の頃にこんなに最高な作品が既に世の中にあったなんて不思議な感じがします。82年作なのにweezerもGreen Dayもbad religionもfoo fightersもたった23分の中に全て詰まっています。

No.3 
Damaged/Black flag

これぞhardcore!重く畝るギターと絶妙な溜めのリズム。gimmie gimmie gimmieのカウントからの演奏の入りの瞬間の格好良さったらもう奇跡。怒り&開放ではなく苛立ち&抑圧のヘンリーロリンズも演奏の重さと荒々しさによく合う。最高の一枚!なのだけど、録音の音量が低すぎて、iphoneの出力だとMAX音量にしても物足りない。いい加減リマスタしてくれグレッグ!

No.2 
Double nickels on the dime/Minutemen

ジャンル分け不能?不要!の超超名盤です。空気を裂くようなシャープさで跳ねまくるドラム!メロウかつファンキーなベース!リズム隊はまるで同一人物が同時に演奏しているかのような一体ぷりです。全42曲が余すこと無く名曲かつ、何回聞いても72分ダレず飽きず聞き切ってしまいます。メロディもあるんだか無いんだかよく分からないし、ハードコア界隈なのにクリーントーンだし、小難しい魅力があるわけでも無しだしボーカルデブだしで相当とっつきにくい音楽ですが、ハマるとアホほどリピート間違いなしです。この奇跡のような作品の魅力をジャストに説明できる語彙を持たないのが非常に歯痒いです。悲しいです。私の人生の、いや、男性みんなのテーマソング、corona収録です。いつでも心にcoronaを鳴らして生きましょう。

No.1 
Zen arcade/Hüsker Dü

私が聞いてきた全ての音楽の中で一番好きな音楽です。家出少年の物語として作られたこのアルバムは、USHC初のコンセプトアルバムとしてHC版tommyと評されています。初期USHCの荒々しさはそのままに、重さを敢えて捨てる事で、類を見ない焦燥感、スピード感を得る事に成功しています。ノイズと和音の針の穴を通す狭間を疾走する超腰高ギター、タム並みに軽い音のバスドラで突っ走るリズム、その間で音の輪郭をなんとか縁取るベース。嵐のような演奏に抗う力強いボブのメロディ、無情を歌うグラント。ここまでのUSHCの表現する激情は、私にとっては非日常的な特別な感情でした。スキンにして刺青を入れる事が当たり前な、特別な人たちの特別な感情です。ここで表現される激情はもっと一般的な、シーンに居ない者にも、日本にも届く日常的な普段着の感情です。技術的な面で革命を起こしたパンクミュージックは、ここで心情の表現の手段としての2回目の革命を起こしています。個人的にラモーンズ、ピストルズに並ぶくらい重大な出来事だと思います。息苦しさ、閉塞感、居どころの無さに抗うこの激情を誰もが持っていて、生活の役に立たないので押入れの奥にしまってしまいました。社会生活を送れないので私も普段はしまっています。しまいっぱなしになった時、人は音楽を聞かなくなってしまうのでしょう。多分私はこのzen arcadeを一生聞き続けます。私にとってずっとNo.1のアルバムであり続けると思います。

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