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SST records概ね全作品紹介 Vol.6

No.026
family man/Black flag

前半は演奏無しのポエトリーリーディングです。armageddon manから演奏がはいります。
初期のshellacみたいで若干かっこいいです。

No.027
zen arcade/Husker du

私が聞いてきた全ての音楽の中で一番好きな音楽です。家出少年の物語として作られたこのアルバムは、USHC初のコンセプトアルバムとしてHC版tommyと評されています。

初期USHCの荒々しさはそのままに、重さを敢えて捨てる事で、類を見ない焦燥感、スピード感を得る事に成功しています。

ノイズと和音の針の穴を通す狭間を疾走する超腰高ギター、タム並みに軽い音のバスドラで突っ走るリズム、その間で音の輪郭をなんとか縁取るベース。嵐のような演奏に抗う力強いボブのメロディ、無情を歌うグラント。ここまでのUSHCの表現する激情は、私にとっては非日常的な特別な感情でした。スキンにして刺青を入れる事が当たり前な、特別な人たちの特別な感情です。ここで表現される激情はもっと一般的な、シーンに居ない者にも、日本にも届く日常的な普段着の感情です。

技術的な面で革命を起こしたパンクミュージックは、ここで心情の表現の手段としての2回目の革命を起こしています。個人的にラモーンズ、ピストルズに並ぶくらい重大な出来事だと思います。

息苦しさ、閉塞感、居どころの無さに抗うこの激情を誰もが持っていて、生活の役に立たないので押入れの奥にしまってしまいました。社会生活を送れないので私も普段はしまっています。しまいっぱなしになった時、人は音楽を聞かなくなってしまうのでしょう。

多分私はこのzen arcadeを一生聞き続けます。私にとってずっとNo.1のアルバムであり続けると思います。

No.028
double nickels on the dime/Minutemen

ジャンル分け不能?不要!の超超名盤です。
空気を裂くようなシャープさで跳ねまくるドラム!メロウかつファンキーなベース!
リズム隊はまるで同一人物が同時に演奏しているかのような一体ぷりです。
全42曲が余すこと無く名曲かつ、何回聞いても72分ダレず飽きず聞き切ってしまいます。

メロディもあるんだか無いんだかよく分からないし、ハードコア界隈なのにクリーントーンだし、小難しい魅力があるわけでも無しだしボーカルデブだしで相当とっつきにくい音楽ですが、ハマるとアホほどリピート間違いなしです。

この奇跡のような作品の魅力をジャストに説明できる語彙を持たないのが非常に歯痒いです。悲しいです。私の人生の、いや、男性みんなのテーマソング、corona収録です。いつでも心にcoronaを鳴らして生きましょう。

No.029
slip it in/Black flag

もうほぼハードロックです。
グレッグのリフは相変わらずキレキレですが、前作までの独特のタイム感が無くなり、リズムがかなりジャストになっています。
一曲目が好きです。

No.030
live 84/Black flag

black flagのライブ盤はこれが一番好きです。
選曲もいいし、演奏も荒々しくて音質も良いです。
特にmy war収録曲はこの盤の方が勢いがあって素敵です。後半の重量級連発は多少辛いです。

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