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セレロン擁護論

今はもう存在しないブランドのCPUであるが、セレロンというのは何かと悪者にされる。
ネットで軽く検索しただけでも「セレロンはやめとけ」という言葉が出てきてしまう。しかしセレロンはそこまで酷い物なのか?
そもそも今どきのネットを使う人間はちょっとおかしい。ブラウザのタブを30個くらい開きっぱなしにしていたり、さらにそれで4K動画を見ていたりクリエイターもペイントソフトを使いながらそれを実況する。
おいらはそんな事、一度もしたことがない。
そもそもシングルタスク人間なのでブラウザもタブはせいぜい4個くらい。ペイントソフトで絵を描くときはそれに集中するしおいらのデジタル絵の描き方はwindows95時代からの古い手法なのでCPUやメモリへの負荷もほとんど無い。
昔はセレロンの900MHzで絵を描いて、その後PentiumIIIS1.26GHz、その後ATHLON64 3500+、その後PhenomIIx6 1100T、そして今のRYZEN5 5600Gという変遷なんだけど一度も動作が遅いなんて感じたことはない。むしろ「マシンを新しくしたけどそんな速くなってないな」という感想だ。
まあセレロンと一言で言っても世代によってキャラクター性が大いに異なる。昔使っていたセレロンの900MHzは上位CPUであるPentiumIIIに比べてそこまで大きな差は無い。差はあるにはあるがあの当時、その差異を体感できるようなアプリが存在しなかったのもありセレロンという物に価格的にもパフォーマンス的にも旨味があった。
で、一番新しいセレロンなんだけどINTELのCoreシリーズからも外された真のローエンドに位置する。会社で支給されたノートパソコンがLENOVOのIDEAPADという製品でセレロンと4GBメモリとwindows10という組み合わせだったんだがこれが酷いもので熱いは重いわ遅いわで何一つとして良いことがなかった。さすがに今どきメモリが4GBというのは厳しすぎる。OSの肥大化に耐え切れておらず常時CPU使用率が50%を越えていた。これはセレロンが悪いというよりOSとメモリが悪いと思う。Windows2000くらいの軽快なOSならばこんな事にはならなかっただろう。
おいらがドスパラに勤めていた頃、あまりにも客にセレロンの900MHzを推す為に「セレロンを売るのはやめろ。Pen4を売れ」と言われたことがある。そんなもの自分でも自作PCをやる人間だからそう思ったのだ。Pentium4というクソCPUを買うくらいなら安価で発熱も低く一般用途でもゲーム用途でもなんら問題のないセレロンでPentium4の時代が終わるまでその場を凌ぐのがベストだと。実際その判断の正しさは歴史が証明している。Pentium4のクソ時代を凌いだら4年後にCore2DUOという神CPUの時代の幕開けだったからな。だから最新の物が常に良いとは限らない。あえて安い旧型とかで凌いで世代が変わるまで待つというのもアリなのだ。セレロン900MHzからCore2DUOというのが一番の正解だ。あの当時はまだゲームでも今みたいにCPU負荷が高い物というのが存在せずビデオカードの性能こそが全てだった。だからセレロンの900MHzでもビデオカードに予算を回せば充分なゲーム体験が出来たのだ。
まあしかしINTELもセレロンというのはあまり積極的に売りたい品ではないのだろう。今では真のローエンドとして旨味という物がなくなった。肥大化したOSに耐えれるようにメモリを最低8GBは搭載すれば問題はないだろうがあとはユーザーの使い方次第という、あまり擁護論としてはありきたりな結論だがセレロンが悪いのではない。OSやアンチウィルスソフトが悪いのだ。

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