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伝説のクソマシン、パビリオン2000


森本小蛆センセーのかつての愛機

このパソコンが2000年の6月に売られていた伝説のクソマシン「パビリオン2000」だ。
モニターとキーボードとマウスがついて5万円という破格の値段!

…ということは無くて本来なら9万円の価格設定なのだが当時ソフトバンクと契約すると5万円でこのマシンが買えるというのがカラクリだ。
しかし9万円でも高いと感じてしまうな。この思いっきり湾曲した安物CRTモニターといい見るからに低品質そうなキーボードといいゲンナリさせられる。

スペックは
CPUがCeleron 466MHz
マザーボードはi810チップセット
メモリが64MB
HDDが5GB
光学ドライブには24倍速CD-ROM
その他56kbpsモデム
OSはWindows 98 SE

まあゼロ年代によくあるセレロンとi810という廉価マシン定番の組み合わせだがモニター込みで5万円という値段は当時破格の安さだった。
ここで語るとしたらこのマザーボードのi810チップセットの凄さだな。
i810チップセットは自作PCにおける革命だった。それまでは画面を表示するのに別途ビデオカードが必要だったり音を鳴らすのにサウンドカードが必要だったり通信をするのにモデムカードが必要だったりしたのが、このi810というチップセットはそれらを全て内蔵して低価格で売り出したのだ。
もちろん3D機能としては専用のビデオカードにはまったく敵わない陳腐な性能であったが2Dに関して言えば当時のCRTモニターで利用される事が多かった解像度ではまったく問題の無い品質で、サウンドもおまけみたいな物ではあったが鳴るのと鳴らないとでは大きな差があるし、とにかく一般用途で必要とされるものを一式揃えて1万3000円とかそんな低価格で売り出したのだ。日本ではあまりにもi810が売れまくったのでエロゲメーカーもi810を標準として開発していたので高価なビデオカードだとバグが出たりするという現象があった。
このパビリオン2000というマシンもその低価格なi810チップセットにこれまた低価格のセレロンを乗せて、64MBというwindows98を使う分には問題ない程度のメモリを積んで居たのだ。

ただ自分だったら手は出さんよな。
この頃にはINTELの対抗勢力としてのAMDがもっと安価で高性能なCPUであるDURONを売り出していたしビデオカードもバルク品のVoodoo3が7000円くらいで買えたから流石に5万円とはいかないが6万円くらいでこれより上のスペックのマシンは組めた。しかしこのマシンは「とにかくよくわからんけどインターネットがしたい」という人間のニーズには答えただろう。あの有名な森本小蛆センセーもこのマシンを親にねだって買って貰って10年以上使い続けた。凄いなあ、こんな低品質マシンが10年以上使い物になるんだ。インターネットの閲覧程度の負荷では負荷にならずマシンも長持ちするのかもしれない。

しかしもうデスクトップPCの時代は終わったな。
インターネットをするのにデスクトップPCを買うという時代が終わった。よくある話ですまないがスマートフォンがあるし今どきノートパソコンなんか中古だと捨て値みたいな値段で投げ売られている。インターネット閲覧しか能の無いマシンなんか鉄くずみたいな物でそんなものには1万円も出せないだろう。思えば遠くへ着たもんだ。たまにこの頃のパソコンという物を思い出して郷愁にふける時がある。あの頃のセレロンは旨味があったなぁとか。
ゼロ年代エロゲとか絵師らはこういう安価なマシンを買ってやりくりしていた。エロ絵なんかも生みの親はi810かもしれない。真のIT革命者はひっそりと名も知れず消えていく。

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