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アン・マクラーレン

2021年4月26日、アン・マクラーレンの生誕94年を祝してグーグルのロゴが特別仕様になっていた。

私は大学、大学院の6年間と生物学を学んでいたのだが、恥ずかしながら彼女のことを知らなかった。おそらく、6年間で学んだ生物学の内容には彼女の研究も含まれていたが、彼女のことは知らなかったのだ。本日のグーグルのロゴになっていることもあり、良い機会ということで、彼女のことについて調べてみた。

アン・マクラーレンは発生生物学の第一人者で、今日の人間の体外受精にも貢献しているとのこと。

発生生物学とは一つの細胞である受精卵がどのように分裂し、さらにどのように分化して一つの生体がつくられていくかを研究する分野。もっと平たく言うと、精子と卵子が受精して、受精卵という一つの細胞となるのだが、その細胞が単純に分裂するだけでは人間を含める哺乳類、鳥類、魚類・・などの多くの多細胞生物は生まれない。細胞が分裂し、皮膚の細胞、骨の細胞、内臓の細胞・・・というように各々が生体を構成し、機能する細胞になって(分化)、初めて生体となっていく。そのための様々な環境や要因をマウスを用いて研究していたのがアン・マクレーンで、その研究が、1978年の世界初の人間の体外受精に活かされたとのこと。今日の多くの親の『子供を持ちたい』という希望へ貢献したといえる人とのことでした。

またおそらく彼女が活躍していた時代は女性の社会進出がいまほど盛んではなかったでしょう。彼女は自身のシングルマザーの経験から政府に子育て支援の必要性を訴えるなどしていたようです。研究だけでなく、いまの女性研究者の活躍の礎を築くことにも貢献したのではないでしょうか。


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