学生時代の後悔

最近読み始めた『キリン解剖記』。キリンの研究をしている郡司芽久さんという方が、キリンの研究者へとなった経緯やキリンの解剖のエピソードなどをつづった本だ。

学生時代のキリンを研究したいという強い情熱に突き動かされた著者の行動力の強さが書かれていてまだ読み初めだが読み応えのあるお話しだと思う。この本を読んでいて思い返したのは私の学生時代だ。

私も著者と同じように生物学を専攻していた。私は比較的しっかり勉強するほうだったし大学での成績も上位で、傍から見たら優秀な学生だったと思う。ただ、それはあくまでも与えられた試験や研究をこなす力があっただけだった。つまり一種の義務を淡々とこなしていたに違いない。社会人になった今思うのは、学生時代に著者のように情熱を注げるような興味のあるものを見つけて、自ら行動し切り開いていく力を身に着けるべきだったと思った。高校生までは、学校の試験がすべてで、試験で良い点数をとって自分が少しでも興味のある良い大学に受かって。。。という流れだったが、大学からは違う。『自分が』何をしたいのかという情熱、そしてそのための行動力をつけることが大切なのだ。それなのに私の姿勢は大学に入ったにも関わらず高校生のままであった。愚かにも私は社会人になってからこのことに気づいた。最初の仕事は商品の研究開発で、自分の携わった製品が世にでていくというそれなりのやりがいは感じていたが、強い情熱があったかは定かではない。ただ大学で研究をしていたから、メーカーの研究職に就職するという流れになった気もする。そういう意味でしっかりと、学生時代に自分の気持ちを見つめ、強い情熱を持つべきだった。そんな後悔を持っている。

その後、本当にしたかったのは研究なのか?という自問自答がなされた。よくよく考えると、研究が好きというよりはテレビの科学番組などで新しい情報が得られるとそれを人に「聞いて聞いて」といいまくることが好きだったなと。そんなことに気づいた私は製品の企画を通じて、製品に盛り込まれる素晴らしい技術を世に広める商品企画職に就いた。ただ、まだ本当にこれがやりたかったのかはわからない。30代後半に差し掛かった今、いまだに自問自答している。

これが私の学生時代の後悔である。今結婚して、子育てに奮闘していて自問自答に時間が費やせないが、しがらみも少なくあれだけいろんなことに挑戦できる学生時代に気づき、もっと深く考えるべきだったと今になって思う。
30代からの自分探しがゴールにたどり着くことはあるかはわからないが、これからも情熱を探して行こうと思う。



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