尾田栄一郎先生の創作環境
先日、「ONE PIECE ONLY」展に足を運んだ。
僕はONE PIECEが好きで、特にシルバーレイリーとマーシャル・D・ティーチが大好きだ。
とはいえ、これまでONE PIECEに関する展示会には足を運んだことはない。昔、お台場冒険王などで、ちょっとONE PIECEエリアを覗いたくらい。
しかし、今回の展示会チケットは即買いした。
創作過程や製作現場にも焦点を当てた展示があると聞いたからだ。
ということで、立川までバイクを走らせて、
のんびりとプレイミュージアムまで行ってみた。
最初に断っておくと、会場内は一切撮影禁止だ。
なので、これ以上現場を説明できる画像がない。
ということで、動画どーーん!!
紹介映像をここに埋め込んでおく。
展示会場に一歩足を踏み入れると、圧倒的な光景が広がった。
見上げる壁一面に、第1巻から最新巻に至るまでのワンピース各話の印刷ページが、天井まで届くほどびっしりと並べられているのだ。
詳しくは公式Instagramで画像を公開中。
最新刊近くまでのページが壁に並べられている。
つまり2,500円という価格のチケットで、ワンピースの全巻を読破できるという贅沢な機会を提供しているのだ。
(実際、はじからキッチリ読んでいる猛者も散見された)
展示されている中で特に印象的なのは、尾田栄一郎先生の作業机の写真だ。
机の上には、先生の創作環境の一端を垣間見ることができる。
漫画家の息子のくせに、何一つ専門道具の名前も言えない。
が、すごい!
年季というか、情熱というか、魂が道具から感じるのだ。
タバコを吸うかどうかは不明だが、『LARK』(ロング)のタバコとが2箱重なって置かれており、この写真を通して作家の日常生活や創作の雰囲気を(勝手に)想像することができ、非常に興味深い。
もっと印象的だったのは、尾田先生の実際の原稿におけるセリフ書き直し指示や、修正前後のセリフの変化を詳細に見ることができた部分だ。
コマの中の文章改行位置や「…」か「……」など、点の数に至るまで、細部にわたる修正の跡が見られ、プロの仕事の緻密さと完璧を追求する姿勢に感銘を受けた。
映像展示も非常に印象的だった。
ここでは印刷工程に焦点が当てられているのが特徴的だ。
特に印象的だったのは、印刷所で漫画本が生まれていく様子を3つの大型スクリーンで迫力満点に映し出している展示だ。
横に長く続く印刷ラインの全体像を映すのに、三面モニターが効果的に使用されており、まるで印刷工場にいるかのような臨場感を味わうことができる。
普段何気なく手に取っている漫画単行本が、こうした緻密な工程を経て作られていることを知り、本への愛着がさらに深まった気がする。
平日に訪れたこともあり、混雑もなくゆっくりと展示を楽しむことができた。
何も画像として撮れなかったのが残念でならない。
と、思っていたら、入場者特典として配布されたコミックにも、展示されていた一部の写真が記載されており、ワンピースの世界観や創作過程についての理解をさらに深めることができた。
今回の展示を見て、改めて思い出したことがある。
昔、ボーカルトレーニングに通っていた頃、講師が「ルーツミュージック」という学び方を教えてくれたことがある。
自分の好きなボーカルや、アーティストの曲を聴くだけではなく、彼等が愛した、影響を受けた音楽まで遡って聴きなさいというものだ。
例えば、GLAYのTAKUROが、ブラジル音楽に傾倒していてそのエッセンスがGLAYの楽曲にも影響を与えている、ということであれば、そのブラジル音楽まで好奇心を広げてみるというものだ。
そうすることで、ただ好きなアーティストを真似るだけでなくなる。
背景を理解することで、表現に少しだけ立体感が生まれると思っている。もちろん、これはあくまで個人的な感覚に過ぎない。
でも、僕はその「ルーツめぐり」という考え方が好きで、音楽以外にも恩人や友人、好きな作家が影響を与えた本など調べて読むのが好きだ。
多かれ少なかれ、漫画やアニメの聖地巡礼もそれに似た魅力があるのではないかと思う。
今回の「ONE PIECE ONLY」展は、作品だけでなく、ワンピース漫画本制作にまつわる現場が垣間見れたことが僕の心をワクワクさせた。
ちなみにこの展示は2025年1月13日まで東京立川で開催している。
ゆっくり観覧したい場合は、是が非でも平日鑑賞をお勧めしたいところだ。
最後にショップで購入したグッズを紹介して終わりにしようと思う。
家のピアノ横に貼られた活版ポスターに見つめられながら、今日もまた仕事を続けていくのである。