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新型コロナによる影響で廃棄ロスが拡大中。”もったいない”を減らすイシイと「姉崎だいこん」のプロジェクト

こんにちは、イシイのnote担当です。
最近、一気に寒さがましてきました。寒い時と言えばおでん!
今日はそんなおでんに欠かせない大根のお話です。

イシイは2016年から、社員が日本各地の生産者を訪問し、その土地の特長、生産のこだわり、作物の美味しさを学んで良質な食材を活用する商品づくりを行う「地域と旬」という取り組みを始めました。旬の時期に旬の味を加工し、日本全国にお届けしています。

今日は、その活動の一環で2019年に出会った千葉県市原市の「姉崎だいこん」についてお伝えします。冬季限定の品にも関わらず、すでに累計販売数は約50万食!今年もこの季節がやってきましたよ〜!

寒さに耐えて甘くなる。芯まで真っ白な「姉崎だいこん」

千葉県の中央部に位置する市原市の姉崎地区。都心からそう離れていないようにも見えますが、周辺の市街地に比べ気温が低い地域です。冬は霜が降りるほど寒くなる日もあるので、大根自身が凍らないように身を守る必要があります。こういった地域の野菜は、自らの防御のために糖分を蓄えるため、甘さが凝縮されるんです。

また、寒いと野菜は少しずつ、ゆっくりと成長していきます。そのおかげで、鬆(す:作物の中にできる隙間)ができづらく、芯まで真っ白な大根が出来上がるのです。

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芯まで真っ白。ぎゅっと甘みが詰まっています。

読めない災害、獣害、新型コロナの影響…農協と農家さんがタッグを組んで販路拡大に取り組む

この姉崎地区の農協に入所以来、ずっと「姉崎だいこん」を担当してきた元吉さんにお話を伺いました。

—「 姉崎だいこん」の他にはない特徴を教えてください。

もちろん甘さです。美味しさをさらに高めていくために、この姉崎地区の生産者からなる組合では、有機肥料を中心とした土作りを実施しています。

また、この「姉崎だいこん」は一本一本、手作業で収穫しているんです!生産者が大根の生育状態を見て丁寧に収穫します。収穫後は、畑のそばの共同洗浄選別施設ですぐに洗浄・選別が行われ全国へ出荷されるので、新鮮なままみなさんの食卓に届けられます。

この育成〜収穫〜出荷までの流れの手間暇が評価され、2013年に農業関係で最も権威のある「日本農業賞」で特別賞を受賞、2020年には食の安全・安心や環境保全などに関する指摘事項を通過した農場に与えられる「JGAP認証」を取得しているのが自慢です。

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『姉崎だいこん』の収穫風景

— 農協としての喜びや苦労はありますでしょうか?

やはり、たくさんの消費者の方からご購入頂き、「他の大根と比べて美味しい!」というお声が届くと嬉しいです。あくまでも主役は生産者のみなさんで、農協は裏方ですが、その喜びは一緒ですね。

農作物と向き合うなら当たり前のことですが、この仕事は天候が収穫を大きく左右します。例えば雨が降った日には、収穫はできないにも関わらず出荷は必要です。農協では天候を先読みして出荷量の調整も行っています。市場の価格にアンテナを張って、生産者さんに利益がしっかりと還元されるように努力するのが仕事です。

— ここ最近は豊作が続いていると聞きました。豊作は良いことですが値崩れすることもありますよね。

大根は全国各地で作られていますから、他生産地の生産量にも影響されます。大きく値崩れすると、経費が利益を上回ってしまい、最悪の場合は畑ですべて廃棄というようなことも起こります。最近は災害や有害鳥獣の被害も大きくなり、どんどん読めなくなってきています。

2019年は台風に悩まされました。2020年は新型コロナウイルスによる影響で外食需要が減ったことで出荷先がなくなり、大きく値崩れしてしまいました。品質の良い「A」のランクの商品を優先的に出荷して、価値を高めていますが、それでも数百トン以上の廃棄が出てしまっているんですよ。

せっかく姉崎地区自慢の大根があるのに、食べられずに終わってしまうのは悲しいことです。農協としても、もっとこの素晴らしさを伝えるために情報発信して販路を拡大し「姉崎だいこん」を広めていきたいですね。

— 生産者さんが我が子のように育てた大根が数百トンも廃棄されるなんて、心が痛みますね。イシイがハンバーグにすることで、少しでも救えたら嬉しいです。

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姉崎地区の方々と、採れたての『姉崎だいこん』

イシイの姉崎だいこんハンバーグは、規格外として安くされてしまう【切】の部分を使用

みなさんは【切(きり)】という言葉をご存知ですか?

農作物の規格の一つで、作物が曲がっているなどで該当部分を切り落とさなくては販売ができないカット品です。そのまま1本で売ることができないため、A品の大根と同じ味と品質でも「姉崎だいこん」というブランド名で販売されなくなってしまいます。結果的に大根のツマとして食べられるなど、「姉崎だいこん」の特徴を活かせない形で消費されてしまいます。

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一見問題はなさそうに見えるが、こちらも【切(きり)】
(上:曲がっている/下:髭が生えている)

大根などの土の中で成長する作物は収穫するまでどのような形で生育しているかはわかりません。A品と等しく手間暇かけて収穫しても、曲がっていたり、ひげが生えていたり、先端に傷がついてしまうだけで、価値が大きく下がってしまうのが生産者のみなさまの大きな課題となっています。

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【切(きり)】の加工風景。本来、切の大根があればロスが出てしまう。

そこで、イシイは市場を介さず生産者と直接「姉崎だいこん」を取引し、栽培の過程で生じた「姉崎だいこん」として流通することが難しい【切】(きり)を積極的に買い取ることにしました。
「千葉市原の姉崎だいこんおろしソースハンバーグ」へ変身させることで、A品と変わらぬ良質な「姉崎だいこん」の美味しさをお届けします。

召し上がっていただくことで、廃棄ロスの軽減にも繋げたいという思いで、ハンバーグを作っています。

味付けは酢・粗糖・塩。白さを生かしたハンバーグ

「姉崎だいこん」の特徴はやはりその白さ。白さを活かすために、ハンバーグの味付けには醤油を使わず、酢と粗糖、塩で味付けしています。ハンバーグにしっかりと絡んだおろしソースは絶品です! さっぱり、かつ旨味のあるソースは、余ったらご飯と一緒に召し上がって欲しいです。

もちろん、肉は岩手県産の鶏肉を100%して作ったパティにも「姉崎だいこん」をたっぷり使用した一品です。

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お求めはイシイのオンラインショップで

「千葉市原の姉崎だいこんおろしソースハンバーグ」は、全国の量販店とイシイのオンラインショップにて販売しています。旬の時期に味わっていただくために販売期間は冬季に限定。今しか食べられない美味しさを、ご家族でぜひ!