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【ネタバレ注意】青燐の章感想【風花雪月無双】

はじめに

 無惨強すぎて草
 黄燎がクソだったからシナリオには期待してなかったけど青燐結構まともじゃない?感覚麻痺したかな。もちろん雑なご都合主義的展開、設定はあるけど根本的なところはマシというか。原作の延長線上としてアリかなと。
 ゲーム性としては引き継ぎしたのとサブクエや既プレイの外伝はなるべくスルーしたおかげで割とすぐ終わった。まあそれでも何だかんだ30時間近くかかったんだけどね。
 ちなみにシェズについては相変わらず何もわからなかったし別にいなくてもいい存在のままだった。ベレトスとソティスも相変わらず空気のまま。

システム面

 基本的には黄燎の感想で書いた通りなので省略する。青燐限定の話だと、まず槍得意なキャラがあまりにも多すぎて困る。槍の遺産持ってるやつが3人もいる時点で分かってたことだけど。更にソシアルナイトのロドリグも加入するのでもう王国中槍まみれや。早い段階でアラドヴァルとルーンが手に入るが破裂の槍だけ入手が遅いのでシルヴァンがベンチ入りしがち。ドゥドゥーはアーマー得意だが格闘要員がいないので格闘をやり、斧がいなくなるのでアネットに斧を持たせ、後は引き継ぎによる数字の暴力で解決した。せめてドゥドゥーが格闘得意ならって思ったけど原作でもアーマーだったし無理だよなあ。
 あとセテスの扱いが酷い。今作は兵種と武器種が紐づいてるせいでアッサルの槍とドラゴンナイトの両立ができない。OPムービーではアッサルの槍持ってドラゴンに乗っているくせに。そんなわけで槍を握りたければ馬に乗るしかないしドラゴンに乗りたければ斧を握るしかない。モーションはペガサスの使いまわしでいいからドラゴンで槍振らせてくれよ。
 黄燎だと気付かなかったんだけど学生時代の戦闘ボイスは2年後のものと同じだからディミトリがまだ王子なのに陛下呼ばわりされたりする。公式ネタバレやめろ。この手の差分がやたら凝ってるのも風花雪月原作の特徴だったからこういう詰めの甘さが目立つ作りなのは残念。

シナリオ

ディミトリたちについて

  幼馴染み4人組はやはり立場や展開の違いで原作と結構相違がある。闇落ちしないゴリラ、爵位を継いで態度が軟化したフェリクス、それらに負けてられないという思いで素行を改めたシルヴァン、ダスカーの悲劇について早く知れたことでダスカー人への差別感情がなくなったイングリット。ついでに知らんうちに和解してるギュスタヴアネット親子。基本的に良い方向に行ってないか?先生は悲しいよ。

1部

 学生時代はコルネリアがディミトリの伯父である摂政リュファスを唆し反乱を起こすことで終わる。原作だとリュファスは顔も出てこず、ディミトリに罪を着せるためコルネリアに暗殺されて終わりの悲しい人だった(それでもランベールディミトリ親子との不仲やダスカーの悲劇との関わりを匂わせてはいた)が、今作ではコルネリアと結託しダスカーの悲劇を起こした首謀者の一人と明言された。ディミトリはその手でリュファスを処刑することで国王となる覚悟を決めるという流れ。原作では最後までよくわからなかったダスカーの悲劇について初っ端から新事実が判明するなど、先の展開に期待させられる。
 2年後ではレア達と合流し、帝国、西方教会、ダスカーの悲劇に加担したとされる王国の西部諸侯などと戦う。基本的に侵略に対抗する王道ストーリーかつダスカーの悲劇の真相を解き明かしていくということで悪くないシナリオだと思う。
 ただマイクラン登用についてはそれでいいのか?っていうのが本音。食うに困って略奪したならともかくマイクランのそれは己の快楽目的だというのは原作で言及されてたけど、そういうのはディミトリ的には決して許せない行為じゃないのかと。今回は復讐にやたら肯定的なシナリオだからこいつにも報いを受けさせなきゃいけないんじゃないの?まあ結局すぐに戦死する羽目になるんだけど、死に様が王国軍人として綺麗過ぎるだろ。まさに「それでこそ騎士の最期だ」って感じ。個人的には犯罪者の社会復帰は促進されるべきだと思ってるから別に良いんだけど、それは現代社会の話であって。
 しかしアリアンロッドでエーデルガルトと戦っている時、タレスが乱入しエーデルガルトを強制的に覇骸化させた辺りから不穏な空気が流れる。いやお前そんな能力あるのかよと。原作でも強制的に覇骸化なんて能力は伏線も何もなかったし突然生えてきた感が否めない。そういや黄燎は2部から急激にクソシナリオになったな……。

2部

 1部ラストから半年経過。強制的に覇骸化させられたエガちゃんは姿こそ元に戻ったもののまともに口も利けない状態となっており、タレスは蟄居させられていたエーギル公(ハゲ)を連れ出し摂政の地位に復帰させた。怯えてるエガちゃんかわいいね❤️その首を刎ね落として帝都の門に晒してやる
 それからというものの帝国領の治安は急激に悪化し国境でも小競り合いが絶えなくなったので教会や同盟と組んで帝国を何とかするという話。結局のところ原作同様帝国に侵攻するわけだけど、黄燎と違いシナリオ中でも拠点会話でも侵略の後ろめたさについて散々言及されるのでそこまで不快感はなかった。ラファエルなんかは「侵略からの防衛戦は相手が悪いってわかるしいいけど自分から侵略するのは気が乗らない」みたいなことまで言ってて、それ黄燎でも言ってやれよと思った。というか黄燎でも1部でグロンダーズに侵攻する時は仲間達も反対意見出したり後ろめたさを感じるような描写があったのに、2部で何の恨みもない王国に侵攻する時はノリノリなのおかしいだろ。クロードやナデルに絆されて精神がパルミラ化したのか?
 黄燎でゴミだったザラスの闇はゴミカスになっていた。まずエーデルガルトについて、ザラスの闇の中で何故か正気に戻っており、アリアンロッドで覇骸にされた後の記憶が無いこと、その後はタレスに精神を操られていることなどを告白するが、正直言って都合が良すぎる。闇の中で急に正気に戻る理由がわからないし、タレスはそんな能力あるなら他ルートや原作でも使えよって話になるし。闇から出た瞬間また操られてるのも意味不明。
 クロードにしても、他ルートと会話を使い回してるせいで一応味方なのに堂々と大司教を排除だの言ってくるし違和感しかない。
 ザラスの闇のイベントはベレトスが仲間入りするルート限定で起きるわけだが、内容は3ルートで使い回してる上あってもなくてもその後の展開に影響が無いので、3級長共闘をどうしてもやりたくてそれありきのイベント無理矢理ぶち込んだんだろうなとしか思えない。血の同窓会がさらに雑になった感じ。
 ラストはガルグ=マクでタレス率いる闇に蠢く者達との決戦。ラストバトルがガルグ=マクなのはアツい。クロニエやら名前が長いモブ顔の人やら、雑に湧いては死んでいく。エーデルガルトは相変わらずタレスの操り人形になっており、ラスボスを務めるタレスの手下として何度も叩き起こされてはサンドバッグにされる。哀れ。

エンディング

 大聖堂でタレスぶち転がして終了。タレス渾身の闇魔法を歩くだけで跳ね返すゴリラで草。どれだけの魔除けを使ったんだよ。
 そして肝心のエーデルガルトだが、タレスが死んだ後も正気に戻らずへたり込んでしまう。それに対しディミトリは手を差し伸べるでもなく止めを刺すでもなくそのまま立ち去る。いやおかしいだろ。原作は手を差し伸べて結局殺したからその逆張りなんかもしれんけど放置はありえん。今回炎帝としての悪行が無かったことになってるしダスカーの悲劇の真相もかなり明らかになってるからエーデルガルトへの憎悪があまり無いってのはあるけど、それはそれとして皇帝なんだから何とかしないと戦争が終わらんだろうが。そもそも傀儡化からの幼児退行って何?エーデルガルトを殺したくないプレイヤーに配慮したのか、はたまた皇帝として死ぬ機会さえ奪い尊厳を破壊し尽くすのが開発陣の趣味なのか……。
 ナレーションの締めは「この戦争が、そしてフォドラがどこに向かうのかは、まだ誰も知らない。」となっており戦争が続くこと、相変わらず投げっぱなしエンドであることが説明される。皇帝があの様とはいえアンヴァル落としてないしベルグリーズ伯が健在なので戦争が続くのは不思議じゃないけど、打ち切りエンドはやめろと言っただろうが。まあ黄燎があれだったから3ルート全部打ち切りエンドなんだろうと察してはいたが。正直帝国はもう終わりだと思うんで、その後の懸念材料はクロードがレアとどう折り合いつけるかってとこかな。流石に王国と教会相手に戦争しても絶対勝てないからそれはないと思うけど、黄燎見てると何やらかしても不思議じゃないんだよなあ。
 後、フェルディナントとヒューベルトはどこ行った?2部のどこかの拠点会話でモブが「最近ヒューベルトやフェルディナントの話を聞かないけどもしかして……」みたいな事は言ってたけどまさか出てこないまま終わるとは思わんかったわ。まあエーデルガルトが出撃してるのにヒューベルトがいないのは普通あり得んから闇うごに捕まったか殺されたかしたんだろうけど。エーギル公もタレスの操り人形みたいなもんだったけどフェルディナントの状況把握してたんかな。いくら摂政に復帰させてもらった恩があるにしても流石に息子が殺されたら離反しそうなもんだけど。

支援会話

 フェリクスが肉友を得たり親父殿と和解して父上と呼んだり猪といちゃついたりする。メインシナリオでもやたら出番多かったし今作フェリクスというかフラルダリウス家やたらと優遇されてない?
 原作からそうだけど、青獅子は真面目というか辛気臭い奴が多いんで支援会話の雰囲気も大体そうなりがち。連続で何通りも会話回収してると途中でしんどくなってくる。原作ネタ枠筆頭のフェリクスが結構真面目になっちゃったのでアネットくらいしか笑顔で見てられるものがない。
 ルート限定キャラがめちゃくちゃ多いので支援回収は結構頑張る必要がある。

外伝

 ロドリグやゴーティエ辺境伯の昔話とか、レアセテスフレンの昔話とか、元セイロス騎士団の昔話とか。昔話ばっかじゃねえか。ドゥドゥーフェリクスイングリットのやつは死者を悼みつつ未来を向いてる感じでいい話だった。あとセイロス騎士団の外伝、あれだけ難易度狂ってんだろ。唐突に沸いてはガン逃げする闇に蠢く者の大群一匹でも逃したら終わりってさ。あれやってて楽しいと思って作ったの?

復讐について

 今回特に気になったのは「復讐」というテーマの扱いで、蒼月では先生やロドリグが徹底的に復讐を否定していたのに対して、青燐では皆やけに肯定的なのが引っ掛かった。地獄の底まで陛下についていきますみたいな。何かと猪に突っかかりがちなフェリクスですら肯定する。特にイングリットは闇うご絶対殺すマンと化しそうな勢い。まあ復讐を肯定しようが否定しようが結果的にやることは帝国への侵攻に変わりないし、そもそも生き残った者として死者のために復讐するのと国王として生者のために復讐するのでは違うというのはあるが。
 ディミトリは放っておくと一人で全部抱え込んで潰れるので、復讐心を否定できないならせめて皆で共有して楽にしてやるみたいな感じなのかな。原作とは違うアプローチという意味で面白いけど、やっぱり王道は復讐の否定よね。

まとめ

 何だかんだ面白かった。少なくとも黄燎みたいに途中で進める気無くなってくるようなことはなかった。心残りはただ一つ、あの女を殺せなかったことだけ。
 赤焔はまだやってないけど多分紅花とそんなに変わらんだろうし、3ルートの中では青燐が一番王道を行ってるかなと思う。
 赤焔はもういいかなぁ……サンブレイクもやりたいし。まあ気が向いたらその内やります。

 


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