HAND5:ポーカースタジアムの最後に贈る言葉

ついに、ポーカースタジアムのサービス終了が宣告されました。

すでに撤去となった店舗も出てきてお通夜ムードが凄いですが、私はあえてこのゲームが終わりを迎えてしまう理由を色々な角度で見てみようかと思います。



とどのつまりは愛を持って公式を鞭打ちしていきますのでよろしくどうぞ。



・稼働開始までの問題点

「ポーカースタジアム」というゲームが伸び悩んだ結果、2年でのサービス終了となってしまったわけですが、実はリリースまでの動きがすでに問題だったのではないかと思っています。

以下に示すのは、2019年にリリースされたバンダイナムコアミューズメントのアーケードゲームと、2020年リリースされたポーカースタジアムの比較になります。


ソードアート・オンライン
ディープエクスプローラー
ロケテ 2018/12/01
リリース 2019/3/19 


ジョジョの奇妙な冒険
ラストサバイバー(ラスサバ)
ロケテ 2019/01/11
稼働予定 2019夏
延期発表 2019/07/19(2019年冬予定)
リリース 2019/12/18 

ポーカースタジアム(ポカスタ)
ロケテ 2018/11/10
稼働予定 2019春
延期発表 2019/02/15(2019年予定)
リリース発表 2019/12/16
リリース 2020/01/22

まず、「ソードアート・オンライン ディープ・エクスプローラー」の方ですが、こちらはロケテをやってリリースという至って普通の流れでリリースされています。実際に遊んだユーザーの声をもとにブラッシュアップした上で、製品として世に出るわけです。

一方、「ジョジョの奇妙な冒険 ラストサバイバー」はポーカースタジアムと似たような境遇であり、ロケテ後にリリースの延期を挟んでいます。

しかし、ロケテも元々のリリース予定も先だったポカスタより先に、ラスサバの方が正式リリースとなったのです。

確かにポカスタはロケテからのブラッシュアップが多かったゲームですが、延期時点でのリリースタイミングが「2019年」とアバウトになっていること、最終的なリリースはこれを超えて2020年になったこと、一方でラスサバは延期時に「2019年冬」とリリースタイミングが若干詳細化されていたことを考えると、「ポカスタロケテ後の開発枠をラスサバが占拠していたのではないか」と思うのです。

SAOを基準に大きな修正が無ければロケテストから正式リリースまでが3ヶ月~4ヶ月であることを考えると、ポカスタはラスサバのロケテの時点ではほぼ完成されている必要があるかと思います。ラスサバ側も延期が入ったことを考えると、それなりに規模の大きい修正をしたと思われますが、ロケテ後に修正規模が見えたのであれば、延期発表の内容からするとラスサバ側の開発が優先されたように見えるのです。

「でも他にも開発チームいるんじゃないの?」と思うのですが、当時は「バーサスシリーズ新作」「戦場の絆Ⅱ」の開発期間でもあったはずなので、バンナムの主軸コンテンツであるガンダム、そしてジョジョに人を取られていたのではないでしょうか。


実際のところ、ジョジョのゲームはAC、CS、スマホのいずれも基本的にバンナムが販売しており(一部カプコンあり)、バンナムとジョジョの関係は蜜月です。そして、ガンダムはバンナムの主力コンテンツであるため、これらのコンテンツは基本的には失敗できないはずです。Ⅱがやらかしてますけど
また、原作者がいるこれらのゲームは利権が絡み合っている可能性が高く、そうなるとリリース延期になったとしても「可及的速やかに」リリースすることが求められるはずです。

一方で、ポーカースタジアムはメディアミックスすらしていないバンナムオリジナルのゲームであるため、利権関係の優先事項が他にできた場合、後回しにされる可能性が最も高いと言えるでしょう。


さて、リリースが延期になった経緯が上記の通りかはわかりませんが、ロケテからリリースまでの動きについても大きな差が見受けられます。

ラスサバ側はJAEPOでのスペシャルステージに加え、延期後もタワレコでのイベントや2度目のロケテなどが開催されました。

一方でポカスタは、リリース延期からリリース日決定まで情報の更新がありませんでした。そして、リリース延期となったにも関わらず2度目のロケテすらなくリリース日を迎えたわけです。

この結果、ポーカースタジアムというゲームは「リリース日までその存在を意識する機会すらなかったゲーム」となってしまっていたのです。


・稼働初期~1年目まで

ここからは、稼働して最初の1年を振り返ってみます。先に言っておきますが、営業自粛などの影響は「ある程度仕方がないもの」として進めます。

自粛期間前の2020年4月までは全国対戦モードのみの実装でしたが、人数も少ない中でどの時間帯でもそこそこマッチングはしていたと思います。また稼働当初の午前中には、人がいない場合にはディールスペースというおそらくは運営サイドのプレイヤーが動かしていた端末からのプレイヤーが存在していたと思われます。当初からCPUが暴れ放題するというのは問題でしたが、ゲームが成立しないほどではなかったかと思います。まぁCPU関係は後でちゃんとやります。

その後、6月アップデートでバトルロイヤルが追加され、8月には「世界のヨコサワ」コラボが実施されました。このコラボはやはり印象的なもので、プレイヤー数がかなり増えました。

9月のバトルロイヤルでは、JOPT(リアルトーナメント)の参加権利が上位者に与えられることになり、平日開催も追加されたことでバトルロイヤルモードは白熱していました。仮にプライズありきのプレイヤーが増えたとしても、ゲームセンター側からすれば高稼働ゲームであることは変わらないので、これを上手く繰り返せていれば長期稼働できたかもしれないとは思います。

そして、10月アップデートでトーナメントモードが追加されました。既存のポーカープレイヤーからすれば待望のモードでしたが、私としてはこのトーナメントモード追加が「大きなやらかし」だと思っています。

①新モードの追加ペースが早すぎる
そもそもバトルロイヤルモードが実装されたのが6月であり、当時は土日しかプレイ出来ませんでした。シーズン2(兼JOPT代表選抜)から平日開催もされるようになったわけですが、逆に言えば平日開催は1ヶ月しか実施していない状態で、トーナメントモード実装になったわけです。

スマホゲームと違いゲームセンターというロケーションでプレイしなければならない以上、各プレイヤーは遊べる日が限られるわけです。仕事帰りに週に1回軽く寄るくらいの人もいれば、平日は無理だから土日にガッツリプレイするという人もいるでしょう。そういったプレイヤーからすると、高頻度で新しいモードの実装をされても、まだ既存のモードすら満足に遊べていないという状態になってしまうのです。バトルロイヤルでいえば、平日プレイヤーは9月からしかプレイできなかったのに、10月にはトーナメントが実装されてしまった、という状態なのです。

②オンラインマッチの複数モード並行実装
11月からトーナメントの通常シーズン開始が決まった時、バトルロイヤルとトーナメントのシーズンを並行で開催する形にしてしまったのは、おそらくゲーム上でもっともまずかったことだと思います。

そもそも、ゲームセンターに出向いてプレイする必要のあるアーケードゲームは同時接続のオンラインマッチとは相性が悪く、基本的に過疎が起きやすい傾向にあります。特に、平均的な勤務時間帯である平日の朝から夕方までは、ほとんど人がいないゲームも多いです。

先程比較対象にあげたラスサバの方でも、平日ソロ戦のマッチングよりも祝日のペア戦の方がしっかりとマッチングするようです。それでも過疎っているとされてるくらいですが。

さて、ポカスタは2021年4月頃までは、平日休日問わず「全国対戦(VIPマッチ)」「バトルロイヤル」「トーナメント」が並行していました。以降バトルロイヤルが土日祝のみの場合もありましたが、そのあたりは一旦省略します。バトルロイヤルとトーナメントについては平日開催時に参加可能時間が重ならないように調整されていましたが、休日の場合はバトルロイヤルが午後の長時間に渡って解放されており、その途中に数回トーナメントが開催されていました。

結局のところ、3つのモードに人が分散してしまうとそれぞれが過疎になってしまうのが最大の問題だったのです。特に、トーナメント実装以降のバトルロイヤルは開催日程の影響もありますが、明らかにプレイヤー数が目減りしていました。ランキングTOP100に勝利数が記録されていないプレイヤーが掲載されるレベルです。

VIPマッチ実装後はこれが更に悪化し、一番プレイ頻度が高いSランクプレイヤーが VIPマッチに隔離されたことで、メインモードである全国対戦さえも過疎状態が始まりました。こうなってしまっては新規プレイヤーも増えようがありません。その後VIPマッチは時間が指定されるようになりましたが、それでもメインタイムは全国対戦からSランクがいなくなってしまうのです。

さらには、モードごとにランキングが複数作られてしまうため、実力指標も分散してしまいます。確かにポーカーはリングゲームとトーナメントゲームで問われるプレイングは異なりますが、定期的にリセットされる指標が3つはやり過ぎだったのではないでしょうか。

個人的には、バトルロイヤルとトーナメントは半月で入れ替え制にしても良かったのではないかと思います。料金設定の都合などもあるとは思いますが、もともと主軸として作られた全国対戦(およびVIPマッチ)以外のモードはイベント扱いで括っておけば、ある程度ルール変動も可能だったのではないかと思います。ランキングも分散しなかったでしょうし。


・マッチングにおける欠陥

ポカスタのマッチングは1テーブル最大6人ですが、ここにも大きな問題がありました。

例えば、現時点で同時にプレイしている人数が11人で、6人プレイのテーブルと、5人+CPUのテーブルがあるとします。ここに新たに2人のプレイヤーが参加してきた場合、1人はCPUと入れ替わる形で参加になりますが、もう1人は新しいテーブルが作られ、その相手はCPU5人になります。

この5人CPU状態から抜け出すには、
①他のプレイヤーが新たに参加する
②別のテーブルの席が空いて、その席に移動になる(テーブル併合)
③勝ち抜けて連続プレイした際に空き席があるテーブルに入る
④負けてコンティニューしないorプレイ中にホーム画面に戻って再参加時に空き席があるテーブルに入る

のいずれかを満たす必要があります。

これらの内、③と④で抜けた場合は他テーブルの状況が変わっていなければ、結局CPU5人テーブルに案内されます。そもそもCPU5人テーブルに座っているということは、②の条件が満たされていない=他テーブルに空席がないので、状況は何も変わっていないのです。ですから、③と④で抜けて有人テーブルに座れるのはラッキーケースなのです。

また、②の条件の「空き席」というのは「勝ち抜け/途中離脱/敗北時コンティニューなし」のいずれかになった場合で、「コンティニュー待ち/時間追加待ち」の際の退席中は含みません。


さて、これらを踏まえた上で、①の新たなプレイヤーが参加して「プレイヤー2人+CPU4人」のケースを考えてみましょう。この状態から抜け出すには、同じく以下のようなケースが考えられます。

①他のプレイヤーが新たに参加する
②別のテーブルの席が「2席」空いて、2人とも移動になる(テーブル併合)
③勝ち抜けて連続プレイした際に空き席があるテーブルに入る
④負けてコンティニューしないorプレイ中にホーム画面に戻って再参加時に空き席があるテーブルに入る

先程と大きく異なるのは②のケースで、テーブルが解体→併合される場合は、全プレイヤー同時に移動できることが条件となります。つまり、どこかのテーブルが1席空いただけでは移動になりません。

この1席空きの場合、新規プレイヤーが来たら空いてる1席に優先して着席するため、結局CPU4人卓にいるプレイヤーはテーブルを抜けない限りは孤立してしまうのです。プレイ人口が少ないことよりも、「人数が多いテーブルから埋めていく」動きが、プレイヤーとマッチングしない環境を作っているのかと思います。


さらに、これらの事象の厄介なところは「勝利=退席」という処理のされ方にあります。勝利すると空き席になるため、CPU5人テーブルでプレイしているプレイヤーがいれば空き席が埋まり、「勝ち抜けて連続プレイしたらCPUに囲まれる」というケースが発生するのです。

勝ち抜けて相手が変わること自体は問題ないのですが、これが問題となったのがVIPマッチ実装以降で、ただでさえSクラスしか参加できないから人口が少ないというのに、仕様も相まって「勝利してレーティングを上げたのに、連戦したらレーティングが上がりにくく下がりやすいCPU卓に飛ばされた」というパターンに陥りやすくなったのです。特にシーズン2のCPUレート400の頃はこれが厄介で、CPUはプレイも爆速で進めてくるため、移動までの数ゲームで低レート状態をプレイさせられ、移動先のレート平均値が普通であってもトータルで低くなって下方調整がかかった変動になってしまうことが多くありました。

※一方でこの時期はCPU狩りが効率最悪だったこともあり、プレイ時間でレートを引き伸ばすのが難しかった側面もあります。露骨に平均レートが低いのもおそらくはそのせいです。そのため、この時期はCPUを相手としないプレイがより正当化され、ポーカーガチ勢はこの頃のルールの方がやりやすかったかもしれません。


CPU卓のデメリットは全国対戦にもあり、特に初心者がCPUに囲まれるとまともなプレイをするチャンスすらなく、CPUの中でレイズ合戦して生き残った強いハンドとぶつかり稽古→即負けから「コンティニューしますか?」になってしまうため、駆け引きの面白さも何も無くファーストインプレッションが最悪になってしまう可能性があります。仮にここを越えられたとしても、CPUのプレイが正しいものであると思ってしまうと対人戦でのプレイも荒くなってしまうため、駆け引きではなく運ゲーが主体になってしまうのです。それだったら他のゲームで済んでしまうのです。


マッチングの問題を解消するとしたら、

①CPUを参加させない(シングルプレイ限定にする
)
②テーブルから溢れた人が出たらテーブルの組み替えを行う

この2つをすべきだったかと思います。
①についてはプレイ開始までの待ち時間はブラックジャックのミニゲームでも作って、1回勝てば5コインとかでもよかったのではないかなと。
②は人数が溢れた時点で稼働時間が一番長い卓を分解して、3~4人卓を2つにして新規を受けられるような形を思いつきました。

ゲームセンターまでわざわざ来てCPUとばかり対戦させられるのでは、やはり伸び悩むのも致し方なかったのかなと思う次第です。


・プラチナカップ前後の停滞感

2年目を迎えたポーカースタジアムの一番の大きなイベントと言えば、やはりプラチナカップかと思います。4月から6月の3ヶ月に渡る予選期間で参加者を選別し、最終的に7月の限定トーナメント1発勝負となる大会でした。プラチナカップはJOPT予選と異なりゲーム内で完結すること自体は非常に良かったと思いますし、オリジナル称号付与についても「見返り」としてはプレイヤーからすれば非常に魅力的なものだと思います。

その一方で、このゲームの将来性に限りが見え始めたのもこの頃だと思っています。

①新モードを廃れさせる行為が早すぎる
VIPマッチが実装され、シーズン4の途中でプラチナカップが開催されたわけですが、VIPマッチではプラチナカップの参加資格を取ることはできません。さらに、VIPマッチ限定の上位特典であった黒×金のアバター衣装についても、プラチナカップ開催に伴って新設された「月間頂上戦」の優勝特典に追加されました。

正直、ここまでVIPマッチにきつい当たりをする必要がわかりませんでした。確かに「VIPマッチはSランクプレイヤーしか参戦できないから、全プレイヤー同一条件で参加資格を競えないので対象外にする」というのはわかるのですが、VIPとまで銘打って新モードを作っておきながら3ヶ月後には蚊帳の外、あげく限定要素も取り上げてしまうというのはあまりにも蔑ろにしていると思います。

バトルロイヤルを作った数ヵ月後にトーナメントを作ったらバトルロイヤルが過疎化、トーナメントを作った数ヵ月後にJOPT予選が終わったらトーナメントが過疎化、毎回毎回新モードを作っては別のことを始めてほったらかしてしまうというのは、このゲームの悪習だった気がします。

②運営がユーザーの目線に立てない
世間情勢を考慮した結果、月間頂上戦はその全てが7月頭に延期になりましたが、その開催日告知が約1週間前というのはさすがに雑すぎると思います。

そもそも、普段の土日にトーナメントは開催しているのに月間頂上戦だけは延期するというのも微妙な話です。

 「月間頂上戦」「PLATINUM CUP」は全国のゲームセンターから参加可能な
 オンライン大会ではありますが、当日のお席の確保はお客様ご自身で行って頂く
 必要があることから、地域によって休業等で席の確保が困難な状況では
 開催を延期せざるを得ないと考えております。
 これは特に「月間頂上戦」「PLATINUM CUP」の出場条件が容易ではない事も
 影響しています。

公式のお知らせ(21.6.8)より

4月から5月にかけては感染者数が一気に増えた時期ではありましたからお知らせの内容もわかるのですが、だとしたら出場条件が容易ではないイベントの開催日告知を直前にすることや、増加傾向になっていた21.7.19の時点でプラチナカップの開催日決定を出すことは矛盾しているのです。結局のところ、「考えているように見せる」パフォーマンスにしかなっていなかったのではないかと思います。

③新規ユーザーを開拓する気配もない
ゲームセンターに人が呼びにくい情勢とはいえ、あまりにも外向けの展開をしていないなと思うわけです。特にYouTubeのバンナム公式チャンネルを見ると、明らかに外部向けコンテンツ数が少ないのがわかります。というか粗品氏を太鼓の方に起用してる時点で、「あっ、ポカスタはもう捨ててるな」というのが露骨に見えるレベルです。

④公式サイトの更新さえしない
いつまでプラチナカップ予選のバナー貼ってるんですか。これは全く擁護できません。


結局のところ、プラチナカップという新たなメインイベントを構えたのに、それがスムーズに進まなかったことで運営のやる気がなくなってしまったのだろうなと思います。

結果2021年9月以降は、バトルロイヤル/トーナメントの初期ポイント増量以外にまともなイベントはなく、裏では淡々とサービス終了が検討されていたのだろうと思います。


・根本的な問題は何だったのか

ここまで色々と書き連ねてきましたが、そもそもこのゲームは話題性が薄かった、というのは事実だと思います。やはり「ゲームのオリジナルキャラ」に全てを任せてしまったのが、このゲームが短命に終わってしまった要因ではないでしょうか。

結局オリジナルキャラを使っている以上、このゲームを「遊びたい」と思う要素が「ポーカーをしてみたい」以外に生まれなかったのだろうと思います。そうなるとゲームセンターに来る他ジャンルプレイヤーは存在を知らなければ触ることすらありませんから、プレイ人口を増やして生き残ることは非常に厳しいです。

そもそも「バンダイナムコグループ」自体がIPビジネス、つまりは版権モノに強い企業であるため、わざわざオリジナルキャラでやらなくても、「バンナムオールスターズがポーカーで戦う」とかの方がインパクトが強く、各作品のファンを少しでも引き込めたのではないかと思います。アイドルがポーカーはあれかもですけど。

そうしなかったのは、スタイリッシュで本格的なマインドスポーツとしてポーカーゲームをリリースしたかったからだと思います。ただ、現状のポーカーはマインドスポーツとしての認知はなく、やはり「ギャンブル」の印象が強いのです。特に、IR法案が可決されてカジノが現実化しようとしてるタイミングでもあったため、尚のこと「ポーカー=ギャンブル」の印象が強まっていたのではと思います。版権キャラクターを採用していたら、そういった側面を薄めてくれる要素になれたのではないかと思います。

ただ、ポーカーをショービジネスにした世界観自体は悪くなかったと思います。結局その設定がゲーム上であまり活かせていなかったので、ランクポイントとストーリーを絡めるとか、そういったアプローチがあればよかったなとは思います。
正直エディが悪い流れに捕まっ(ry


・最後に言いたいこと

この「ポーカースタジアム」というゲームは、もっと突き詰めた開発/運営をしていたら短命で終わる必要がなかったゲームだと思います。マルチモニターによるゲーム性は他のカジュアルなポーカーアプリ以上に没入感と臨場感を感じさせますし、演習やBGMもプレイヤーのテンションを上げるには充分に華やかでした。営業自粛については完全に予定外の要素ですし、その後の世間情勢にミスマッチなゲームとなってしまったのは非常に勿体ないと思います。

それでも、プレイヤー達はポーカースタジアムにのめり込んでいましたし、そこからポーカーを始めたプレイヤーも一定数見受けられます。昔セガのメダルゲームでやっていたポーカーを懐かしみつつプレイしていた人、格ゲーや音ゲーの専門だった人、オンラインポーカーを生業としていた人、たまたまゲームセンターで見かけてうっかり関わってしまった人、ありとあらゆる人達が、ゲームを通して1つのテーブルを囲み、騙し合い、時には運を競ってきました。

このゲームがなければポーカーなんて未来永劫触ることのなかった人達がいるのは間違いないですし、少なくとも「テキサスホールデム」というものを「現実の世界でポーカーと無縁だった人」に認知させたという功績は間違いなくあると思います。

私自身、旧カンストラインに向けて上限解放前日まで必死になったり、VIPマッチのレーティングに毎日頭を悩ませたり、月間頂上戦で優勝を取った時に涙腺が緩んだりと、今まで遊んできたゲーム以上にこのゲームはハマってプレイしていました。リリース当時は「手軽」にポーカーをできる環境は少なく、どこかで燻っていた自分の闘争心が比較的容易に満たせる場として最適だったのです。

現在、テキサスホールデムは国内産の無料オンラインアプリが数多くリリースされています。やはり「無料」は強いですし、ポーカースタジアムは凄く悪く言えば「ゲームセンターでやる必要性のないゲーム」ではあります。今後はライブポーカや無料のオンラインポーカーに人が別れていくとは思いますが、その狭間にいたポーカースタジアムは、プレイヤー達の記憶にはしっかりと刻まれ、たまにふと思い出す日もあるのではないかと思います。

そして、トーナメント最終シーズンは、各トーナメントの優勝者にJOPTメインの参加権がつくという大盤振る舞いとなりました。プライズ目当てであったとしても、残り少ない稼動期間が盛り上がればいいなと思います。


長くなりましたが、今回は以上です。
今後ポーカースタジアム関係のnoteを書くかはわかりませんが、note自体はポーカーに限らず使用していくとは思います。エムホールデムとかはまだやるかわかりません。

それでは、またそのうち。

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