過去ログ:リンプインとローカードは悪なのか


※niconicoのブロマガにて2020/11/9に記載した記事の本文コピーになります。


どうもです。
先日、ポーカースタジアムのトーナメントモードで1位を取る事ができました。
たまたま人数の少ないときだったので、ラッキーだったくらいに考えておきます。

さて、今回は一部の人からすれば「は?」となる話をしていこうかと思います。ポーカースタジアムにおけるリンプインとローカードについてです。

(11/10追記:今回のリンプインに関しては、レイズをコールする動きを入れないものとします)

・リンプインは悪なのか
コーリングステーションだとかフィッシュだとかよく言われる「リンプイン」、つまりはプリフロップでBB額をコールする動きですが、ポーカーの打ち方の話でリンプインの文字を見ると血相変えて現れて、ボロクソに批判を投げてくる人が一定数います。特に何らかの教本読んだ人。
基本的にリンプインは「安くフロップを見せていただけないですか」の主張になりがちで、フォールドエクイティ(相手がフォールドを選択することを選択肢に入れること自体がプラスと考える)もないのでカモとされる部類のプレイングになります。(もちろんプレミアハンドが潜ることもありますが)

が、

ポーカースタジアム全国対戦のタイム制度と初期ポイントのバランスを見ると、必ずしもリンプインが悪手ではないと考えています。
前提として、自分以外の5人の中に、ルースなプレイヤーが複数人いる時にやると全く成立せず詰みます。

まず、リンプインする場合と、タイトプレイで降りる場合のマイナス収支を考えます。
タイトなプレイヤーのレンジに属さないランダムな4ハンドに対し、ブラインド以外から全てリンプインを選択した場合、この時点で(100+200)×4=1200が最大マイナスになります。
これをタイトプレイで全て降りた場合、100×4=400が最大マイナスになります。
このタイトプレイでのマイナスは、プラスに転じることは決してありません。降りたハンドに勝利は無いです。
一方、リンプイン側には何らかの形で勝利する可能性があります。それがBBチェックまで回った場合、最低プラスはアンティとブラインドの合算で900になります。プラスの時はマイナスを計上しなくて良いので、1ゲームでも勝てば収支は±0になります。

これだけ見ると非常に都合のいい計算をしていますが、そもそもタイトレンジの外からプレイしているので、レイズに対しては基本的にほぼフォールドの択になります。前提としてルースが複数いると成立しないことは明らかなので、レイズを頻繁に食らうならそもそもリンプインできる環境じゃないことを把握できていないと思われます。

しかし、「レイズを受けた場合の損失」においても、リンプインは基本的に300になります。また、こちらからレイズして相手のリレイズをコールできないハンドの場合、リンプインから相手のレイズにコールして、リレイズを打たせないことで開始額を抑えるプレイもできます。フロップで期待薄ならば、打たれたらさっさとフォールドすればいいだけです。プリフロップのベットを抑えてる分、フォールドも惜しくないです。

もちろんリンプインによるデメリットは存在し、コール人数が増える、自分が仕掛けるよりもレンジ不明のハンドが混ざってくる等、こちらがフロップベターな状態に対しカウンターを食らう要因が増えます。
ただこれを逆に捉えれば、相手がベターである場合にカウンターを決めるチャンスも増えることになります。


さて、ここまではチップ面での話をしました。先の例ではランダム4ハンドをタイトの場合に全フォールドとしていましたが、これをするとタイムが16秒持っていかれます。タイム課金をする前提なら別ですが、初期の時間では13ハンドしか見れないことになります。
しかも、単純にダブルアップしただけでは目標の15000にたどり着かないため、もう一山取る必要があります。
結局のところ、500PP前提でプレイをするならば、余程運が良くない限りある程度ルースにするしかないのです。その上で「所持チップのダメージ幅を最小化した上で多くのハンドをプレイする」という点では、リンプインは意味のあるプレイだと思います。


・ローカードは事故の元なのか
先程までの話で触れた、タイトなプレイヤーのレンジ外ハンドなんてものはいくらでもありますが、そのなかでもローカードの取扱いについてです。先に言っておくこととして、上記のリンプインの話とは異なり、ローカードでアグレッシブに攻めるパターンもあります。
「ローカード」と書くと人によって定義がぶれるので、今回の話では「6以下のカード2枚」と定義しておきます。

まず、ローカードをプレイする上で大事なことは、「ポケットには基本勝てない」と割り切ることです。オーバーポケットに対しての勝ち筋が薄いので、ローカード有利なボードでポケットが出てきたら「仕方ない」と思わないと、メンタルが持ちません。
同じ理由で、ボードにAやKかQが落ちた場合も、ヒットを捨ててフォールドするケースはよくあります。

もう1つの心構えとして「スートに拘らない」というのも必要です。ローカードのスーテッドにありがちなパターンとして、フロップフラッシュからのオールインで、ハイカードスーテッドが出てきて即死パターン、A持ちK持ちにコールされて引かれるパターンがあります。これらの原因は、そもそもフロップ単色の時点でベット(オールイン含む)にコールできるハンドは、基本的に現時点でかなり強いか、最終的に最強クラスになりえるハンドしかありえません。結局のところ、その手のハンドにはローカードで戦うメリットがないのです。なので、ローカードはスートよりも「数を生かす」ことを優先した方が事故が少なくて済みます。スートはヒットプラスのドローとして保健役に据えるくらいがいいとこです。

では本題、ローカードをどうプレイするかですが、プリフロップでの動き方によって、想定される相手が変わることに注意しなければなりません。先ほどまでのリンプインでフロップに入った場合、あらゆるハンドを相手にしなければならないため、最低でもヒットプラスドローかツーペアくらいは必要になります。
レイズイン、もしくはレイズにコールした場合、想定される相手のハンドは必ず上になりますが、ターゲットにしやすいのはA8やK8以上のダブルハイカードになります。これらのハンドはボードがローに偏ると、ツーオーバーを根拠にコンティニューベットをコールしてくれやすい、ないし自ら打ってくれる可能性が高いです。そもそもレイズで始まっているので、ローのヒットを考慮していないケースがかなり多いです。後はターンで危険なカードが出てこなければ、ガッツリ打ち込めばOKです。よほど強くない限り、リバーまで引っ張る理由は無いです。
あ、ボードがローに偏ってないのにコンティニューベット打ったりベットコールしたりすると大体ろくな事にならないので、大人しくした方がいいです。

注意すべきは相手がポケットとAx(ローカード)の場合ですが、これは相手のベット傾向から判断しなければなりません。つまりは、「ローカードが刺さる相手かどうかは事前に確認しなければならない」ことになります。ですから、「今すぐローカードで潜ってやる!」なんて開幕1ハンド目でやると基本的にはそのまま沈みっぱなしになります。ご注意ください。

もう1つだけ、一定数いる「何でもコール/レイズ」できるタイプのルースだけは、ローカードで相手しない方がいいです。


ということで、リンプインとローカードに関しての話でした。
ある程度ルースなプレイが必要になる全国対戦だからこそ、教本外のプレイスタイルも成立すると思っています。当然ですが、バトルロイヤルとトーナメントはまた事情が異なりますので、そちらは誰かが書いてくれればいいなーと思ってます。王者称号持ちの人とかどうですか。

ではでは。

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