過去ログ:滑るAKとオールインというバイアス

※niconicoのブロマガにて2020/12/15に記載した記事の本文コピーになります。


どうもです。

タイトル簡略化しました。コーラフロートは暫くないと思うので。

12月のポーカースタジアムアップデートの中に、ハンド覗き無償化があることに戦々恐々としています。記事で書いてることと違うことしてるーって言われそうなやつです。
といっても私のブログは戦術書というより、コラムくらいの暇な時に読むレベルでしかないので、あまり気にしないでいいかなとも思っています。
VIPマッチは……現状どうなるやらってとこですかね。


今回はみんな大好きAKのお話です。

※文中で、ネットや書籍でポーカー戦術解説しているものを「教本」と呼ぶことがあります。ご了承ください。


・何故AKは滑ってしまうのか
ランダムハンドで上位に位置するAK、どちらががヒットすれば必ずトップヒットトップキッカーとなる点は魅力的ですが、如何せんこれが決まらないという声をよく聞きます。

そもそもAKが「滑る」というのは、「どちらもヒットしなかった結果負けた」「ヒットしたけど上位役を作られた」の意味で使われることがほとんどかと思います。AKはハイカードやキッカー勝負において負けることは無いので、負けるのは相手に上位役を作られている時に限られます。

で、このAKがよく滑ると思われていることの背景に、「AKは強いハンド」というのが思考に染み付いていることが原因だと考えられます。

是非皆さんにチェックしてもらいたいことがあります。「AKで勝った時の写真を撮ったことがあるか」です。

AKは強ハンドであるというイメージから、「勝つのは普通、負けるのはバットビート」という思考になりやすいと思われます。そして、人間の思考はイレギュラー事象をより強く記憶してしまいます。
そのため、AKで勝ったとしてもよほど重要な局面でない限りは、記録を残しておこうなどと思わないのです。AKで勝つ時はどうしても「普通に勝った」ケースがほとんどで、ツーペア引かれたけどストレート出来ました!とかリバーブラフ見破りました!でもない限りはつまらない勝ち方なのです。
結果的に負けたイメージだけが残り続け、「AKは滑る」という印象になるものだと思います。たまにAAでも似たようなこと言ってる人がいますが、それも理由は同じかと。

もう1つ、強ハンドであることにより「まだ稼げる」という謎の自信が出てしまうことも問題です。
確かにAKはフロップトップヒットさえすれば上位になるハンドですが、それはあくまでフロップでの話であって、ターン以降は出たカードによってツーペアやストレート、フラッシュを警戒する必要が出てきます。ましてや、フロップヒットしていないなら尚更です。ありがちなのはフロップKJ9やJ87のような自分がストレートドローではないが相手にドローの可能性がある状態のボードで、何故かAKは警戒心が薄くなります。
加えてAAと異なる点として、AKのどちらか1枚がボードに出ないと後からひっくり返されやすいというのは、プリフロップ時点で意識しなければいけないことかと思います。ノーヒットとAペア確定はそれだけ差があります。


AKに関しては以下の動画で詳しい話をされているので、しっかりとした話はこちらの視聴をオススメします。(当ブログは具体的な数字は出せませんので)

https://youtu.be/q5kY8Ot6ljQ
【ポーカー】中級者向けポーカー講座 俺のAKがこんなに滑るわけがない!【テキサスホールデム】

ここから先は、ポーカースタジアムだからこその部分が多くなる話です。

・オールインという雑なバイアス

ここまでお話していたAKもそうですが、コンティニューが可能であることを前提として、強ハンドおよびポケットハンドになるとほぼプリフロップでオールインをするというプレイヤーが一定数います。「引かれないために見させない」アクションであり、たまにAAやKKのような本物が混じるためにコールしにくいという厄介なものです。
しかし、プリフロップでオールインというのは、その狙いと反してコールされる率が高くなるアクションでもあります。原因としては、「フロップを見ないことによりフォールドする根拠のないハンドがついてくる」というのが大きいと考えます。特に77くらいのミドルナンバーのポケットやQJくらいの連番、同スートA+ローカードのような「フロップが出ると動きにくくなる」ハンドからフォールドを考慮する機会を1回減らしてしまうのです。

これとは対照的に、フロップでヒットしなかったにもかかわらずコンティニューベットして、ターンで引くに引けなくなってワンペアにオールインで突っ込み結果ダメ、というのもAKにありがちなケースです。この場合、ターンのオールインが苦し紛れに見えるorオールインを受ける相手がコミットしている(と思い込んで)突っ込む、といった形で「オールインに圧力が発生しない」状態になっているのですが、それをフロップ時点で考慮できていないことに起因している部分だと思います。そもそもAKはフロップでヒットしなければ、2/3くらいはそのままノーヒットになるのに、どこかで引けるだろと思っているプレイヤーが凄く多いです。(私もよくやらかします。)

上記2つのパターンに共通しているのは、「オールイン」を終点として、その時点でのAKの価値を下げるプレイになっていることかと思います。
確かにAKは強いハンドですが、結局ペアになるのは大体50%でしかなく、ヒットしなければ2のペアにさえ負けるのです。
そもそもオールインというアクション自体が、「勝負して最大限チップがほしい」か「ものすごく降りてほしい」かの二極化されたものであるため、どこかで後者を期待した人が突っ込んできてしまうことがあります。そしてAKはハンドの性質上、プリフロップ80点、フロップヒットすれば90点、フロップヒットしなければ10点みたいなことになるので、プリフロップおよびフロップで適当なベット(オールイン)をすると45点くらいのハンド、プリフロップならばスーコネやミドルポケット、フロップならばトップヒットや2オーバードローなどにコールされた場合に、「滑る」現象に陥りやすいものと考えます。

プリフロップオールインについてはJJやQQのようなハンドでもよく見かけますが、これもAxあたりにコールされて引かれる報告をよく見るので、オールインは緩いコールの誘発材料となっていると思います。


・だったらどうしろというのだ
前述の通り、AKはヒットしなければそのままハイカードとなる可能性が高いハンドです。とはいえ、ただのハイカード勝負であれば最強であることもまた事実です。教本的な話をするならば、なるべく相手にフォールドさせることを念頭に入れて、どうしてもの場合だけオープン勝負にする形が理想と言えます。
しかし、それは「全員が理想プレイを理解し、ある程度実践している」場合に限られますし、ポーカースタジアムに至っては初見でプレイしてる人も一定数います。そうなるとプリフロップであらゆるハンドでコールしてくる人もいますし、フロップボトムヒットで降りない人も出てきます。そういうプレイに対し、AKの教本プレイは脆いのです。

ならばそこに歩み寄るのが一番単純です。
ヒットもドローもないハイカードAKで余計なことをしなければいいのです
基本のキ、役が出来たら動くのです。

この動き自体は、教本からすれば非常に愚策です。フォールドエクイティもなく、相手にタダでカードを見せることになるかもしれません。

ですが、AKの本質的な強さを見直すためには非常に有効です。一般的にAKは攻撃的に使うことが推奨されていますが、それを受け側で使うことでプレイング技術に影響されないハンドそのものの質に触れることができます。
「AKだからこう動く」から「AKはここが強いからこう動く」「ここが弱いからそこを補う」といった形でアクションの意味を明確にしていくことができれば、おのずと教本に沿ったプレイも安定してくるのではないかと思います。



ということでAKとオールインの話でした。
別ににオールインが悪いわけではないですが、全国対戦やトーナメントのリエントリー可能時間はどうしてもルースになりやすいため、AKとはいえあらゆるハンドと相対しなければならなくなりがちです。そうなった時に負けた一瞬が「滑った」と認識されやすいので、大局的に見て「確率上ありえる」くらいに考えを留めておきたいものです。

ちなみに、AAがロケットと言われるように、AKはビッグスリックと言われます。その意味は、よく滑る。

今回はここまで、アップデートで変更が入ったのでタイム考察した記事はそのうち修正しないとですね。ではでは。




おまけ:ホントにあった怖い話
昔ディーラーをしていたお店でプレイヤー側だった時、スペードのAKスーテッドでオールインしてフロップ開いたらボードにスペードAが出てきた。

しかも2枚出てきた。

無効になって次ゲームで56スーテッドで飛んだ。

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