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想像を越えてくるもの。

店に立っている時は、いつもお客さまの様子を観察しています。
そんなふうに言うと見張られているみたいで良く感じない方もいらっしゃるかもしれませんが、お客さまが求める服に出会えるようにアテンドするには必要な事なのです。

ラックの端からつらつらと流すように見ていき、ふと手が止まる。
何かがお客さまの感性に引っ掛かった瞬間。
たぶん、色か生地か、どこかしらのディテールだろう。
2、3秒、思考した後で、ラックから抜いて全体像を眺める。
身体にあてる。
鏡の前に行き、合わせてみる。

だいたいこのあたりで簡単に服の説明をして、試着をおすすめします。
そして気に入ればお買い上げ頂く。
服屋で服を選ぶ時の一般的なルーティン。

もちろん実際にはこんなに単純ではなく、もっと沢山のやりとりやお客さまの葛藤があって、上手くいかない事も多いのだけど、
(そうでなければみんな際限なく服を買う事になってしまう。)
このルーティンが極めてスムーズに運ぶ服が一定数存在します。

条件としては、まず生地。
ラックに並んでいる無数の服の中で、はじめに手を止めるきっかけになるのは生地のような気がしています。
次に自分が着用する事を想像できるリアリティ。
手に取った服を身体にあててみている時、お客さまはそれを判断しているのだと思っています。
そしてその想像、期待を超えてくる何か。
試着した時に、「期待通り」では実はさほど心は動きません。
及第点ではあるのかもしれないけど、その服を買う、持って帰る、なんなら着て帰りたい!と即決するには少し弱いのです。
期待のナナメ上を行かれた時にはじめて人は感動し、行動するだと思います。


前置きが長くなりました。holkのカンフーパンツのご案内です。
定番として生地を変えながら毎シーズン展開されているこちら。
ウチではこのパンツは前述したような「お客さまに即決して頂ける服」の代表格です。


23SSの生地も最高。
デザイナー山本さんは生地への熱い思いが半端なく、だからこそまずお客さまの手が止まりやすいのだと思います。
今回は春夏仕様で、限界まで強撚したコットンを強く打ち込んだ薄手のツイル。
ナイロン混かと思う程にシャリ感があり、肌離れが良いので夏まで快適です。
それでいてコットンならではの風合いを持っているので、ちょっと不思議な感じがします。
今回のカラー展開である絶妙に微妙なニュアンスのカーキベージュとチャコールの色目もハマっていて、とても良い仕上がり。


形は、ぱっと見何の変哲もないイージーパンツ。
なのではじめは「穿きやすそう」だから手に取って頂けるのかな、と思います。
で、実際に穿いてみると想像を超えてくる訳です。これが。
イージーパンツならではの腰回りのボリュームと綺麗なテーパード。
テーパードは掛かり過ぎず、裾幅も適度にあるのでクッションの感じも良い。


失礼ながら知名度がすごく高いブランドという訳でも無いのに、シンプルに店頭でこれだけ選んで頂けるのは、服としての完成度の高さ以外に理由が無いと思います。
ホントみんなに勧めたいパンツ。

気になる方は穿きにいらしてください。
ただし穿いたらきっと買いたくなるのでその覚悟で笑

ちなみに、ですが、はじめの方に書いた「服選びのルーティンがスムーズに進む服」だけが良い服だとは考えていません。
長くなるのでその話はまた別の機会に!


holk / kung fu pants
price ¥30,800 with tax
color / khaki beige , charcoal
size / 1 , 2 , 3

DIMPLE
山形市飯田2-2-7







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