ロンTEEみたいに着られるニットが欲しかったんだ。
すでにご存知の方も多いだろう。
WIRROWが今季24AWを最後にその活動を休止する。
自分がその事を知ったのは最後の展示会の前だったから、確か3月頃だろうか。
展示会の案内にしてはいつもより早いな、と少し違和感を感じながらメールを開くと、そこにはブランド休止の旨が丁寧な文章で綴ってあった。
一瞬は意味が分からず呆然としたが、時間とともに不思議と納得するような気持ちがじわじわと胸に広がり、最後にはすとんと腑に落ちた。
思えば予兆はあった。
オフィシャルSNSアカウントの終了。
ブランド休止の連絡を頂く半年ほど前にWIRROWはインスタグラムでのPRをやめている。
その時は別に驚くでもなく、WIRROWらしいな、などと思っていた。
まさかブランド自体を休止するなんて事は想像すらしなかったから、WIRROWらしくて良いじゃん、呑気にもそんな風にすら考えていたのだ。
WIRROWのブランドとしての在り方、つくる服、そしてデザイナーおふたりの人柄。
それらと昨今のSNSのおける状況との間には確かにやや違和感を覚える。
SNS自体も、それをPRとして利用する事も、否定するつもりは微塵も無い。
自分だってがっつりそうしている。
ただWIRROWに関してはそうしない方がしっくりくるというだけだ。
はっきりとした理由があるわけではなく、ただそう感じる。
(Don't think, feel.)
だからWIRROWがSNSをやらないのはおそらく良い事なのだろうと思った。
それはブランドとしての前進、ステップアップだと思っていた。
よりWIRROWらしい世界観を表現するための。
しかし。
その後のブランド休止。
想像も及ばないほどの深い考えと大きな葛藤があっての決断だろう。
自分の中で休止の事実への動揺が落ち着いた後は、すごいな、という気持ちになっていた。
決して短くはない間ブランドを続け、正直ビジネスとしては今かなり脂の乗っているタイミングのはずだ。
いやらしい言い方かもしれないが。
それをやめるという事。簡単に出来る事じゃない。
自分なら出来る気がしない。
それにも関わらずこのタイミングでWIRROWをやめるという事は、それだけWIRROWに対する気持ちが強いという事だと思う。
真意はデザイナーのお二人にしか分からないが、そう決断するだけの何かしらの思いがあったのだろう。
経営者としてもいちファンとしても受け入れ難いほどに残念だけど、当然ながら受け入れるしかない。
自分にできるのは最後までWIRROWの服を皆さまに伝え、届ける事。
それだけだ。
WIRROWから素晴らしいニットが届き、重い腰を上げて久しぶりにこうしてJOURNALを更新する気になった。
年齢のせいもあってか、冬のベースになるトップスにはスウェットよりもニットを選ぶ事が増えた。
ニットの柔らかくて上品な質感の方が自分の年齢だったり着たい服装には合うような気がしている。
もちろんスウェットも好きだし、着たい時もあるのだけど、
頻度としては季節問わずにニットの質感を求める事が多くなり、だから常々秋口にもサラッと着やすいニットが無いものか、と考えていた。
スウェットの代わりに着るニットのもう少し手前、ロンTEEの代わりに着るようなニット。
コットンも良いのだけどウールの方がベター。
展示会で見た時に「これだ」と思った。
スーパーファインメリノウールの12G天竺編み。
滑らかで自然な艶があり、美しくドレープする。
素肌に触れても全く不快感が無いので、秋はTEEシャツをインナーにして気持ちよく着られる。
ゆったりとしたボックス型で袖にも裾にもリブが無く、それこそカットソー、ロンTEEのようにリラックス感を持って着られるニット。
時期は非常に限られるが、秋と春にはショーツ等を合わせても良さそうだ。
寒くなればなったで長袖のインナーを合わせ、むしろこのニット自体がジャケットのインナーとして重宝するだろう。
いや、寒くなってからの話はやめよう。
言い訳がましく冬にも使えるスタイリング提案をするのは無粋な気がする。
(実際に使えるのだけど)
とにかく冬の手前と春に着たいんだ。
ゆったりとしたパンツにただ合わせた時の雰囲気が抜群なんだ。
そういうニットを求めていたのだし提案したかったのだから、シンプルにそれだけでいい。
悔やまれるのはこれがWIRROWラストシーズンでの新型、提案である事。
他の名作と同様に、定番としてもっと長く多くの方にお試し頂きたかった …。
店頭ではすでに好評。
オンラインには本日10月2日22:00に掲載する事にしました。
もちろんユニセックス。
女性の方にもおすすめです。
女性はサイズ1。男性はサイズ2か3。
着用写真では身長180cm、体重60kgでサイズ3を着ています。
色はベージュ、チャコール、ブラック。
3色どれも良いのでじっくりとお悩みください。
正直2色は欲しいです。
ぜひご検討ください。
DIMPLE
山形市飯田2-2-7
TEL 023-625-7366
https://www.dim-ple.com
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