J_.ro IWASAKI

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最近の記事

室町幕府の話

かぞいろと やしなひ立てし 甲斐もなく  いたくも花を 雨の打つ音 室町幕府が滅亡したのは1573年7月のこと。 室町幕府最後の将軍は足利義昭。 織田信長が義昭を京都から追放したことを、室町時代の終結とするのが一般的です。 授業でもそう習いましたよね。 地味に室町幕府も15代まで将軍がいてけっこう長く続いたものです。 とはいえ、物事の帰結には必ずそこに至る過程があるものです。 「バタフライ効果」などと言って小さな羽ばたきが台風を生むとか言っていられません。 そもそも義昭

    • いまさら人に聞けない~トロイの木馬~

      ウイルスソフトが日々進化していて・・・みたいな話ってもうかれこれ20年くらいはずっといわれていますよね。 ずーっと進化し続けるんですね。ポケモンだって何段階かしか進化しないのに。 で、そういうウイルスソフトの話になると、「トロイの木馬」ってやつの名前が挙がってきます、有名な奴ですよね。 で、今日はトロイの木馬てなんなの的な話です。 ほんとうはギリシャ神話も時間をかけてご紹介したいところですが、 月一のペースで書いてたらかいつまんでも3年くらいかかりそうですし、諦めますかね

      • 問題の9割は言語化すれば解決したのと同じ効果を得られる、というので。

        環境危機時計を知っていますか。 地球環境の悪化に伴って回答者が人類存続に対して抱く危機感を時計の針で表示したものです。 毎年危機感の認識調査をして更新しています。 気になる方はHPもありますので是非。 https://af-info.or.jp/ed_clock/index.html さて、この環境危機時計。 00時から03時⇒ほとんど不安はない 03時から06時⇒すこし不安 06時から09時⇒かなり不安 09時から12時⇒きわめて不安 という、ほとんど不安を感じている

        • いまさら人に聞けない~燃素の話~

          聞く必要はないというか衰退した科学の話です。 「燃える(燃焼)のはフロギストンという物質の放出の過程である」という考え方が提唱された時代がありました。 フロギストンは和訳すると燃素(ねんそ)なんて呼ばれたりします。 この説そのものは決して非科学的な考察から生まれたものでなく、その当時知られていた科学的知見を元に提唱された学説なのですが、現象を有効に説明する酸素説が提唱されたことで衰退していきました。 物質が燃えるときにその物質はフロギストンを放出して最後に灰が残りますよ

        室町幕府の話

          今さら人に聞けない〜熱中症警戒アラート〜

          熱中症警戒アラートを知っていますか。 環境省が設置している熱中症予防情報サイトでは、日本各地58の観測地点で、朝5時と夕方17時に熱中症警戒アラートを発表しています。 7/28の朝5時の発表では今年最多となる40の観測地点でアラートが発令されました。 熱中症警戒アラートは対象地点の「気温」「湿度」「輻射」によって「暑さ指数」を定め、これが33以上になると発令されます。 なにそれわかりにくい。 気温に近い数値で出しちゃダメでしょ。 また、暑さ指数は指数ごとに熱中症の警戒

          今さら人に聞けない〜熱中症警戒アラート〜

          カレーパンの話。

          DHMO(ディー・エイチ・エム・オー)とはDihydrogen Monoxide(ジハイドロジェン・モノオキサイド)の略称です。 一酸化二水素(いっさんかにすいそ)とも称される水素と酸素の化合物で、化学式では H2Oで表されます。 簡単に言えば水で、それをわざとわかりにくく表現したものです。 対象の物質が水であることを伏せた上で、事実ではあるが極端な説明を述べ、聞き手に恐ろしい物質のように誤認させるというジョークに使われます。 ○DHMOは酸性雨の主成分です。 ○DHMOは

          カレーパンの話。

          哲学の話~生権力と考古学~

          国民全員を死に晒す権力は、国民に生存し続けることを保証する権力の裏側に他ならない。 --『知への意志』より。 ミシェル・フーコーさんはフランスの哲学者さんです。 近現代から現代にいたるなかで哲学は次第に昔の人がどういう考えを持っていたのか、そして現在はそれがどうなっているのか。ということに主眼が置かれていきます。 歴史が積み重なっていく以上当然といえば当然ですね。 フーコーさんはそのなかでも「生権力」という考えを提唱した人です。 古い時代の王様は「従わない者はすべて殺

          哲学の話~生権力と考古学~

          「鵑」、「杜鵑」、「杜鵑草」。

          ぜんぶホトトギスと読みます。 最後のは鳥ではなくて、植物のホトトギスですけど。 「鳴かぬなら 鳴かずともよい ホトトギス」 種田山頭火 武将たちが詠んだ(ということになっている)俳句のせいで、ホトトギスって全然鳴かない鳥のような気がしていますよね。 「鳴かぬなら 殺してしまえ ホトトギス」織田信長 「鳴かぬなら 鳴かせてみせよう ホトトギス」豊臣秀吉 「鳴かぬなら 鳴くまで待とう ホトトギス」徳川家康 「鳴かぬなら 放してやろう ホトトギス」明智光秀 当たり前ですが、武将

          「鵑」、「杜鵑」、「杜鵑草」。

          哲学の話~世界五分前仮説~

          --世界が五分前にそっくりそのままの形で、すべての非実在の過去を住民が「覚えていた」状態で突然出現した、という仮説に論理的不可能性はまったくない-- 『心の分析』より。 もしも、この世界が5分前に創造されたものだとしたらどうしますか。 まぁ、どうするもこうするもないのですが、仮に世界が5分前に創造されたと主張された場合に、その論を否定することができますかというような話です。 知っている人なら、会話のつなぎ程度に話題として挙げるかもしれませんが、そもそもどうしてそれを否定し

          哲学の話~世界五分前仮説~

          左遷の日。

          1月25日は何の日かご存知ですか?? はい、そうです。 「左遷の日」です。 901年のこの日、右大臣・菅原道真が醍醐天皇によって九州の大宰府に左遷されました。 菅原道真は優秀で、その才能を妬んだ左大臣・藤原時平が、醍醐天皇に「道真は国家の政治を私物化している」という嘘の進言をしました。 日を変え、場所を変え、何度も進言したことにより天皇も道真のことを逆臣と思いこむようになり、菅原道真は太宰権帥に左遷、筑紫国に流罪とされてしまいました。 菅原道真といえば、天神様、学問

          左遷の日。

          いまさら人に聞けない~『ants』~

          竿の上を50匹のアリが等間隔に並んでいます。 竿は49cmあり、アリはそれぞれの位置から内側を向いて毎秒1cmのスピードで歩いていきます。 アリは竿の端に到達すると竿の下に落ちていきます。 また、竿の上は狭くてすれ違うことができないため、二匹のアリが出会うとそれぞれ反対を向いて戻っていきます。 すべてのアリが竿から落ちるまでにかかる時間を求めなさい。 正直、全然聞いたらいいと思いますけどね。 ”いまさら人に聞けない”なんてことはまったくありません。 で、冒頭の一文、という

          いまさら人に聞けない~『ants』~

          能力者の受難Ver.3.04

          「なにか一つだけ特殊能力が使えるとしたらどんなのがいい?」 というような質問は、わりとよくある場つなぎ的な会話に登場します。 深い意味はないので真面目に考える必要はありません。 私たちの生活は思ったよりもうまくいかないことがたくさんあります。 なりふりなんか構わずに素敵な能力とその活かし方を考えたいものです。 ところで、どうしてそんな能力が覚醒めたのでしょうか。 外見に変化が出てしまうようなものだったら大変ですよね。 大きな翼が生えてくるとか、片腕がほかの生き物のそれに変わ

          能力者の受難Ver.3.04

          哲学の話~それは、死にいたる気遣い~

          --存在の意味への問いを表立って見通しのきくように設定するためには、或る存在者をその存在に関して先行的に適切に究明しておく必要があるのである-- 『存在と時間』より。 「あるのである」は誤訳が過ぎるような気がしますが、ハイデガーさんです。 マルティン・ハイデガーさんは、ものごとについてその存在の意味を問うことで、存在とはなんなのか、を考えた人です。 ずっと前からですが、哲学者たちは総じて何をしたいのかよくわかりませんよね。 ハイデガーさんは”日常世界における「生」のあり

          哲学の話~それは、死にいたる気遣い~

          いまさら人に聞けない~デジタルトランスフォーメーション~

          DX化の波が襲い掛かってきているんですって。 なんだよそれ、新しい仮面ライダーかよ、名前が長いんだよ。 って思いますよね。 DXとか、どこの中二病だよ。 って思いますよね。 では、定義から。 IT(情報技術)が社会のあらゆる領域に浸透することによってもたらされる変革。ビジネス分野だけでなく、広く産業構造や社会基盤にまで影響が及ぶとされる。 えぇ・・・。 嘘でしょ・・・。全然、説明になっていません。 国語のテストだったらバツつけられるやつです。 ごく一部のわかって

          いまさら人に聞けない~デジタルトランスフォーメーション~

          余談、というか「日本人の危険なパスワードランキング」が公表されたので。

          ソリトンシステムズというITセキュリティの会社が、「日本人のパスワードランキング2020」というレポートを公開しました。 このランキングでは、2020年に日本で発生した232の情報漏えい事件を分析し、使われていたパスワードのランキングが報告されています。 いわば、日本におけるダメなパスワードのランキングです。 世界版もあるのですが、ひとまず日本の分を紹介します。 1位「123456」 2位「password」 3位「asdfghjk」 4位「12345678」 5

          余談、というか「日本人の危険なパスワードランキング」が公表されたので。

          備えつけの勇気。

          閑話休題というわけでもありませんが、たまには日頃の小さな気づきみたいなものを坦々と書いてみようかな、というまったく新しくない試みです。 「姑息」ってことばをときどき使いますよね。 「姑息」ってどういう意味ですか?知ってますか? ひきょうとかズルいことみたいなイメージですか? 「姑」は”しばらく”、「息」は”休む”こと。 本来的には”その場しのぎ”的な意味でつかわれていた言葉なのだそうです。 その場しのぎの対応をしている状態がズルをしているように見えたということでしょうかね

          備えつけの勇気。