見出し画像

「ちょっと寄り道」が認められる社会

私の中学の頃の写真を見ると、中年から初老の表情をしている。

青春時代の代名詞とも言える制服を身に纏ってるにも関わらずだ。

残っている写真どれを見ても栄養ドリンクやエナジーバーを携え、疲れ切った表情をしている。

若かりし頃は、休みなく働き続けることこそ美徳だと感じていた。

だから寸暇を惜しんで勉強していたし、その他活動にも精力的に取り組む真面目な青年だった。

学部時代ときたら、学年末試験の時期には机で寝る生活を送っていた。数ヶ月間寝床で寝ない生活だった。だから寝具はずっと綺麗なままだった。手軽に食べられるものがなければ生米や乾麺をムシャムシャと食べ、まともな睡眠と食事という概念さえも忘れるほどに、勉強、研究にのめり込んだ。

だがしかし。大学院に入ってからはその「馬力」「体力」が限界を迎えていた。

世間ではまだ「若い」部類に属するものの、精神的にも体力的にもバーンアウト状態とも言えるような絶妙な脱力感。

というとネガティブに聞こえなくもないが、私は安堵した。心のどこかで「この調子で一生走り続けられるわけがない」と思っていたからだ。

疎かになっていた睡眠を繁忙期でなければ1日に7〜8時間取るようになった。

食事も1日2〜3食、美味しく栄養バランスのあるものを摂るように心がけた。

積み残した仕事があっても、眠たくなれば寝るようになった。

そんな日々を積み重ねていくうちに、完璧でない自分を許せるようになった。

「まあ、適度に休んで、ゆっくり行こうや。」

「人生、ぼちぼちで良い。」

そんなマインドが自分の中で芽生えた。これが最大の変化だった。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?