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大坂なおみの彼氏としても知られるラッパー、コーデーって何者?! Cordae - From a Birds Eye View (2022)

Cordae(コーデー)は、ラップクルー "YBN (Young Boss N*ggas)" のメンバーとして広く知られており、
彼のソロデビューアルバム「The Lost Boy」(2019)は、グラミー賞「最優秀ラップアルバム」部門にノミネートされました。

また収録曲の「Bad Idea」はグラミー賞「最優秀ラップソング」にノミネートされ、多くのオーディエンスから注目を浴びることになりました。

また、プロテニスプレーヤーの大坂なおみ選手との交際が日本のメディアでも報じられ、ヒップホップに馴染みのない層にも認知されるようになりました。

そんな彼が2022年、セカンドアルバム「From a Birds Eye View」をドロップ。

この次の曲は、すべてを別のレベルまで持っていくんだ。
音楽をやるのが本当に好きで、自分の技術を完璧にしたくて、毎日良くなっているんだ。
これから作られていく音楽はそれを示すことになる。

彼がリリース前に明らかにしたこのアルバムは14曲入りで、Eminem(エミネム)Stevie Wonder(スティービー・ワンダー)Lil Durk(リル・ダーク)Lil Wayne(リル・ウェイン)Roddy Ricch(ロディ・リッチ)H.E.R.(ハー)など業界の大物たちが多数参加しています。

現在、大きな注目を集めているコーデーのキャリアを解説します。

レーベル  :   Art@War Records & Atlantic Records
リリース日 : 2022年1月14日
名前    : Cordae
本名    : Cordae / Cordae Amari Dunston
年齢    : 24歳


出身地   :   メリーランド州シュートランド

J.コールへのアンサーソング?!

子供の頃、父親がいつもRakim(ラキム)Nas(ナズ)Big L(ビッグ・L)Talib Kweli(タリブ・クウェリ)などのクラシックヒップホップの音楽を流していたことから音楽に興味を持ち、大きくなってからはYouTubeで似たような音楽を掘り起こすようになったコーデー

その後、自分でリリックを書くようになり、2014年から2017年にかけて3本のミックステープをリリース。当時はEntendre名義で活動していましたが、SNSを通じてナミールオールマイティ・ジェイと出会い、本名のCordaeYBNを組み合わせてYBN Cordaeとして活動をスタートさせます。

そして2018年にEminem(エミネム)のヒット曲「My Name Is」(1999年)のRemixを発表。

公開後2週間で200万再生され、注目を集めるようになりました。

YBN Cordae - My Name Is (Eminem Remix) (2018)

Eminem - My Name Is (1999)

勢いづいた同年、コーデーJ. Cole(J・コール)のアルバム「KOD」に収録されている「1985」へのアンサーソング「Old Niggas」をドロップ。「1985」 では、J.コールが多くの若いラッパーたちに向かって、ラップゲームの現実について警告し、ラッパーとして成功するためのアドバイスを与えています。

これに対し、コーデーはシーン全体を理解せずに若手ラッパーを見下すようなベテランラッパーの発言に、若手の代弁者として立ち上がりアンサーしているように見えます。

この曲のゴールは、年上の人たちに若者の視点を理解させ、ギャップを埋めて一体感を持たせることだったんだ。
俺たちには若者を代弁してくれる人がいないんだ、わかるだろ?
TwitterやIGで "ファック ユー オールド ニガ "と言っているようなものだ。
年功序列ではなくて、実力で勝負したいんだ。

YBN Cordae - Old N*ggas (J. Cole "1985" Response) (2018)

J. Cole - 1985 (2018)

デビューアルバムがグラミー賞にノミネート

ヒップホップ精神を表現したアンサーソングで業界に一石を投じたコーデーは、ヒップホップメディア誌XXLの「Freshman Class 2019」に選出されました。

全米から注目を集めながら、同年にデビュー・アルバム「The Lost Boy」(2019)をドロップ。冒頭でも触れたようにグラミー賞にノミネートされ、アルバムからの3枚目のシングル「RNP」は、コーデーの実力を認めたJ・コールがプロデュースしています。

コールと一緒に作ったんだ。
そしてAnderson .Paak(アンダーソン・パーク) に聴かせてみた。彼は俺の兄弟のようなもので、いつもお互いの曲を聴かせ合っているんだ。
彼は「よう、 嘘じゃないぜ。このビートが好きだ」って。
コールがプロデュースしたとは知らなかったみたいだけど。

YBN Cordae & Anderson .Paak - RNP (2019)

YBNの解散とCordaeとして再出発

コーデーは2020年に所属していたYBNを脱退し、事実上YBNは解散しました。

もともと、TVゲーム「GTA V」の中でナミールオールマイティ・ジェイと出会い、ゲームグループとして活動していましたが、ナミールのデビューシングル「Rubbin Off The Paint」が全米チャートで成功すると、一気に音楽へとシフトしていきました。

2018年にコーデーが正式加入し、3人は同年9月にデビューミックステープをリリースすることになりました。

その後 "Cordae" 名義での初のシングル「Gifted」をリリース。ロディ・リッチを迎えたこの曲は、Bubbling Under Hot 100で1位を獲得し、これまでの最高位を記録しています。

Cordae feat. Roddy Ricch - Gifted (2020)

From a Birds Eye View (2022)

新年早々、ニューアルバムを発表したコーデーは、今作について次のように明かしています。

自分の外から物事を見るという意味なんだ。
人間というのは、どうしても主人公症候群になりがちだ。
もっとズームアウトしたレンズから物事を見るということ。
例えば、テレビで俺と君が口論になることがある。
でも俯瞰的に物事を見ることで「ああ、自分はこういう風に間違っていたんだな」と理解できる。
だからもっと広いレンズで、もっと広い視野で物事を見ることができるんだ。

アルバムタイトルの「From a Birds Eye View」は直訳すると「鳥瞰図」で、空を飛ぶ鳥の視点のように、物事を俯瞰的に見ることを意味しているようです。

また、コーデーはアルバムの制作について、自分の子どものようにこだわりのあるアルバムを作り上げたいとコメントしています。

俺はいつもまとまった作品を作りたいと思っているんだ。
それが俺の一番のこだわりだよ。
自分が納得できるような、まとまった作品を作りたいんだ。
10年後、20年後、誇りを持てるような満足できるような作品をね。
これらの作品たちは、どれも俺の子供たちなんだ、本当に。

24歳と業界では若手とされるコーデーですが、ベテラン勢に対しても臆することなく発言し、将来を見据えた作品作りを意識する彼は、ラッパーの中でもロールモデル的な存在ではないでしょうか。

そんな全米から注目されているコーデーのニューアルバムをぜひ一度聴いてみませんか?


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