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(9) 有間ダム - ロックをフィルしたダム

有給休暇が溜まっていたため、先日訪問した道志ダムのような、ダムカードを平日にしか入手できないダムを回ることにした。
前回の寒川取水堰で、ひとまず自分が住んでいる神奈川県を制覇したので、今後は東京都や埼玉県を目指すことにした。
そういうわけで、埼玉県で休日はダムカードを配布していない「有間ダム」を目指すため、西武池袋線/JR八高線東飯能駅を訪れた。

東飯能駅駅舎

東飯能駅周辺は「西川材」と呼ばれる木材が撮れる場所で、駅構内も木目で構成されている。この西川在は有間ダム付近でも採れるのだそう。

どこか寂しげな文章で始まる案内文。駅構内は木の香りがする。
東飯能駅構内

駅前のデパートで少し時間をつぶしてから、国際興業バスで約40分、「さわらびの湯」バス停に向かった。「さわらびの湯」というぐらいなので、近くに温泉がある。

さわらびの湯バス停

バス停付近は「名栗」と呼ばれる地域だそうで、周辺の材料で作られた杖「なぐりづえ」(凶器みたいな名前)が自由に使えるようにつるされていた。

なぐりづえ

バス停のある「さわらびの湯」は、ダムのちょうど下流すぐに位置していて、ダムまでは5分ほど山を登ることになる。車通りは少ないものの、歩道がないので少し怖い。

バス停からダムまでの道

付近には「有間渓谷観光釣場」という釣り場があり、アクティビティが楽しめるようだが、この日は増水のため臨時休業となっていた。
ちなみに訪問当日の「水曜日のダウンタウン」で、板東英二がここを訪れていた。

有間渓谷観光釣場は臨時休業

山道を登っていると、「有間ダム」の文字が見えてきた。

「彩の国 有間ダム」の文字

さらに上り進めると、ダム本体が見えてくる。まさに岩(=ロック)を埋めた(=フィル)ダムだ。これまで訪れた本沢ダム三保ダムとは違い、比較的岩がむき出しになっている。

有間ダムの遠景
有間ダムの石碑
有間ダムのプレート

山を登り有間ダムの天端部にたどり着く。有間ダムは山奥にあるものの、思いのほか人通りは多かった。何か物思いにふけってる中年男性や、若い男女が手をつないで腰かけていた。

左岸側から天端部を望む。少し湾曲している。

ダム上部を左岸側から右岸側に向かって歩いた。
通常、このような大規模なダムには洪水調整用のゲートが備わっているが、有間ダムにはそのような設備が存在しない。

上流側からみた有間ダム。ゲート(水門)は存在しない。
左岸側から下流側を見る。ゲートらしき設備は見当たらない

これは、ダムにトンネルを掘り、そこに洪水用の吐水口を設けているためである。

有間ダムの案内図。ダムの右岸(図の右上)に「洪水口」が設けられている

ちなみにこのトンネルに使われているNATM工法は、大断面のトンネルを素早く掘ることができる利点があり、横浜市営地下鉄ブルーラインの三ツ沢下町駅と、三ツ沢上町駅でその特徴を体感することができる。

ダムの右岸側には点検口と思われる入り口がある

上流側のダム湖の名前は「名栗湖」と呼ばれる。

左岸側から名栗湖を見る

ダム上部を左岸から右岸、右岸から左岸へと歩き、ダムカードをもらいに管理事務所に向かった。管理事務所はダム左岸の名栗湖沿いにある。

ダムから見た管理事務所(中ほどやや左側の白い建物)

途中お土産屋(この日は閉まっていた)があり、どうやら休日もそこに行けばダムカードはもらえるとの噂がある。
管理事務所前で除草作業をしていた作業員の方からダムカードをいただいた。

管理事務所の建物
有間ダムのダムカード

私はダムを後にし、再びバス停まで下山をした。次のバスまで時間があったため、「さわらびの湯」に入ることにした。

さわらびの湯の外観
さわらびの湯の内装

さわらびの湯はおそらく地元の木材を使ったであろう開放的な空間の中に設備も充実していて、とてもゆったり過ごすことができた。
買えりは飯能駅から西武特急で帰宅した。

西武特急「ラビュー」
有間ダム付近

訪問日:2019年6月12日

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