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Web3ブラウザ、Braveのすごみ&意味

Web3の深化を見せつけられたアプリケーションがあります。Braveと言うWebブラウザです。まさに百聞は一見にしかず、でした。Web3関連の記事をあれやこれや探して読むよりも、先ずはBraveをインストールして体験してみましょう。

まず……ちょっぱや!

とにかく、早い……
今までのブラウジングは何だったのか?と思ってしまうくらい、ベージの読み込み速度が早くなります。その理由は、Web2.0を象徴していると言えるかもしれないターゲティング広告がことごとく遮断され表示されないからです。広告を表示するために今までどれだけのトラフィックと時間が割かれていたのか……と呆れてしまうほどです。

左のBraveには赤枠の部分に広告がない(右はChrome)

かくして私たちはターゲティング広告の無風状態を手に入れたのでした(ただし、トラッキングを行ってない善良な?広告は表示されます)。

しかもリワード(報酬)が入る

Braveはユーザーが望むと"控えめな"広告が表示されます。そして、表示されると広告出稿費の70%がユーザに還元されるのです。Braveの新しいタブを開くとこんな感じの画面が表示されます。

右中央の"0.512BAT"が今月分のリワード

映画の広告が表示されていますが、広告表示をオンにしている場合、たまに広告が表示されます。そして……右の真ん中にある0.512BATという文字……これが、今月広告表示によって得られたリワード(報酬)額です。ちなみに、先月1ヶ月間で約100円分のリワードが得られました、ただブラウザ使ってるだけで……

一番右の98円が先月1ヶ月分のリワードです。

このリワードはBATという暗号通貨により配当され、取引所で円に換金することが可能です。

Braveの意味

Braveの特徴として、"広告が表示されない"、”(広告が表示されると)リワード(報酬)が入る”ということを挙げましたが、一番の意味は"既存のオンライン広告モデルの見直し"ということが言えると思います。

多くのいわゆるビッグテックは長年3rdパーティークッキーや広告IDなどを利用して個人ターゲティングをし莫大な広告収入を得て来ました。しかしながらそれらの乱用などによりオンライン広告がどんどん無秩序に、節操なくいかがわしい広告が子供の目にも留まるような気軽さで表示され、それらは形式的なオプトアウトの手段を提供してはいますが……大手のオンライン広告事業者の広告を非表示にしようとしても、すぐに同じ広告表示されますよね?("今後その広告を表示しないようにします"って"努力しまーす"ってことですかー?)

実際にすぐに同じ広告が表示されます……

ここで私たち消費者はもう一度原点に立ち戻らなければなりません。検索エンジンはなぜ無料で使えるのでしょうか?SNSはなぜ無料なんでしょうか?なぜ無料であんなに豊富な動画コンテンツを観られるのでしょうか?

知らずしらずのうちに私たちは巨大IT企業に大切な情報を与え続けているわけです。個人情報ではなかったとしても、断片的なさまざまな情報をあるIDで繋げれば"こんな人"という像が見えて来る訳です(つまりそれがターゲティング広告です)

しかし、企業側にだって言い分はあります。例えば……”会員登録時にちゃんと利用規約を明示して同意を得ていますよ”。ある有名検索エンジンの利用規約は原稿用紙約29枚分です(最近は原稿用紙〜枚分言うのかな?)。皆さん、利用規約全部読んで理解していますか?しかもリンクが多数張られていて、それを辿って、全容を把握してから同意なんて、一般的なユーザー感覚から考えると、ほとんどの人は本質的な同意をしていないで"同意にチェック"してしまっている、のではないかと思います。

つまり、利用規約もオプトアウトも広告表示の方法も、いつの間にか、"ユーザーよりも企業目線"になってしまっているのです。FacebookがAppleの広告IDの仕様変更について"中小の広告事業者のビジネスを守るべきだ"とアップルの方針を批判する意見広告を掲載したことに違和感を覚えた方も多いのではないでしょうか?私はある意味これらの企業の姿勢は権威主義的だと映ります。中国などの権威主義国家だけでなく、ビッグテックもいつの間にか既得権益の呪縛に縛られてしまっているようです。

権威主義的サービスを見直すきっかけとしてのWeb3

私は手放しにBraveが凄い!と言いたいのではありません。単に実際に体験をしてみて、Web3サービスの象徴のように感じたからです。Braveのビジネスモデル自体には懐疑的な意見もあります。しかしながら、権威主義的な既存ビッグテックの情報ビジネスに一石を投じ、サービスとして具現化している事実には注目に値しますし、来たるべきWeb3社会への期待感も湧いてきます。

BraveがChromiumベースというのが最高に皮肉だと思うし、Web2.0側の寛容さも垣間見え、その辺りがWeb3とWeb2.0の攻防のように思えなくもないというのも、興味深いですね!


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