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意外と見落としがち?Google/Yahoo広告での仕様設定あれこれ

広告運用業に従事していると、
「この挙動ってどうなっているんだろうか」
「概ね問題はないものの、厳密にはどうなっているのだろうか」
といった仕様に対する疑問が湧いてくることも多いのではないでしょうか。

同じような疑問を持った先人が既に調べたその答えがどこかにないか……と調べたものの、なかなか見つからず、媒体のお問い合わせ窓口に確認した経験がある方も多いかと思います。

今回はそういった「意外と見落としがちな仕様」についてお話ししたいと思います。

【Google広告・Yahoo広告】除外キーワード設定の疑問

除外キーワードを設定する際、フレーズ一致で除外設定をすることが多いと思います。
ですがふと疑問に思ったことはないでしょうか?

例えば「ランニングシューズ」を除外したいとします。
ランニングをするときに使う靴のことですね。そのままですが。

こちらを"ランニングシューズ"で除外をかけた時、

①ランニング シューズ(スペースが間にある)
②ランニングシューズ(スペースなしで繋げてある)

上記のクエリを両方除外できるものなのでしょうか?

気になりますか? 気になりますね。 そう、気になるんですよ。

Google・Yahooそれぞれの管理画面上でクエリを確認すると「ランニング シューズ」というように半角スペースで区切られていますし、判定上は「ランニングシューズ」と「ランニング シューズ」は同一なのではないか。

そんなふうに考えていた時期が、私にもありました。

ですが結論を言うと、

スペースのありなしは一致に考慮されるため、
スペースありなしどちらも除外設定する必要があります。

また同様に

"ランニング シューズ"

で除外をかけた場合、

ランニングシューズ(スペースなしで繋げてある)

は仕様上除外されません。

フレーズ一致に限った話ではなく、部分一致除外でも同様の挙動となります。

そのため「スペースの有無」は「それぞれ別のフレーズである」と認識する必要があります。

競合商材名を除外キーワード設定する際など、こちらの認識が抜けていると一部クエリがすり抜けてしまう、といった現象はこれが原因の可能性がございます。
Google・Yahoo共通の仕様ですので、除外キーワード設定をする際は忘れず「スペースの有無」についても確認しましょう。

【Yahoo広告】1日の途中でキャンペーン予算(日額)を変更した場合

日の途中でキャンペーンの日予算を変更する場合があるかと思いますが、その際の配信量の仕様についてご存知でしょうか?

例えば元々の日予算設定を10万円としていたキャンペーンを、パフォーマンスが悪化してきたため正午頃に7万円まで引き下げたとします。
さて、この日1日を通しての日予算はいくら扱いとなっているでしょうか?

実はこちら、7万円……ではないのです。
Yahoo広告はスケジュール設定をしていない場合、原則として午前と午後でそれぞれ設定日予算の50%ずつを使用するようなアルゴリズムになっております。
そのため今回の場合ですと、

午前の予算=10万円×50%=5万円
午後の予算=7万円×50%=3.5万円
1日通算の予算=午前の予算(5万円)+午後の予算(3.5万円)=8.5万円

このようになります。
管理画面上の日予算は7万円となっていても、変更した当日だけは8.5万円になる場合があるということですね。月額予算を超過しないように月末間際に調整する時など、注意が必要です。

さらにYahoo広告の予算周りには、実はもう一つ重要な仕様があります。

1日に2回以上日予算の設定を変更した場合、その日の設定日予算は「最終的に設定した金額」ではなく「その日に設定した中で、最も高いキャンペーン予算」になってしまう可能性があるのです。

ごく短時間で行われた修正であれば複数回の設定変更でも上記の挙動にならない場合もありますが、注意するに越したことはありません。
Yahoo広告のキャンペーン予算設定を変更する際は慎重に行いましょう。

【Google広告】配信方法と審査基準

リスティング広告とは若干外れますが、既にリスティング広告のアカウントを開設しているアカウントで、ショッピング広告やファインド広告も出稿したい…と考えたことはありますか?

この時
「Google広告の出稿審査基準はリスティング広告とショッピング広告で同じ」
でしょうか?
つまりリスティング広告の出稿が承認されているアカウントであれば、ショッピング広告も問題なく開設できるものでしょうか?

同じ媒体内なのでNGとなるラインも同じところに引いてあるのでは、と思いますが、
正解は「各出稿方法によって審査基準は異なる」です。

じゃあどこがどう違うのか、というと残念ながら具体的なラインは明示されておりません。

<ショッピング広告の場合>
以下の要素などがリスティング広告とショッピング広告では異なるため、異なる基準で広告審査を行っているとのことです。

・商品データの登録方法・ランディングページの要件・掲載対象外のショッピングコンテンツ 

(参考:Googleヘルプページ)
ランディング ページの要件について
広告掲載対象外のショッピング コンテンツ
商品データ仕様

商品データをフィードとして登録するため、
バリエーションがある商品については各パターンごとに登録する必要があり、サイト上の価格や在庫情報をフィードと一致させるなど、データ品質に関わる部分についても審査が行われます。

加えて、商品のランディングページにおいても、
「対象商品そのものや登録した価格情報などがページ上で一番目立っている必要がある」など、
一定の要件があり、商品ページのガイドライン準拠もポイントになります。

ちなみにガイドラインに準拠することでシステムが商品情報を正しく参照しやすくなり、承認状況の改善にもつながるといった副次的効果もあるようです。
もし出稿の不承認が続くようでしたら、LPから見直してみるなども検討したいところです。

ディスプレイ・ファインド広告の場合

リスティング広告とショッピング広告に上記のような審査基準の違いがあるように、
ディスプレイ広告とファインド広告でもまた審査基準が異なり、概ねファインド広告の方が審査基準が「厳しい」傾向にあると言えます。

最も大きく明確な違いとしては、ファインド広告は「クリック可能(Call to Action)に見えるような画像」はNGという点です。
特に「ディスプレイ広告で効果が出ているクリエイティブだからファインド広告にも流用しよう」といった運用をしようとした時など、広告不承認が出る可能性が高いため注意が必要です。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は広告配信・運用をする中で意外と見落としがちなトピックについて少し解説いたしました。
媒体によって微妙にルールや仕様が違うというのはとてもややこしい事です。
ですが、「クライアント様は、そういった知識やノウハウを基礎とした上での広告運用力を期待して下さっている」という面もあることでしょう。

クライアント様のマーケティング目的達成を手助けすることこそが、我々広告代理店の社会貢献だと筆者は考えています。
今回記事としたものは本当に細かいものですが、認識が抜けていることで想定外の事態になってしまうかもしれません。

「敵を知り己を知れば百戦危うからず」という孫子の言葉の如く、

抜け漏れのない運用を目指していきましょう。


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